パソニフィ・コンフュージョン

沼蛙 ぽッチ & デブニ

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第13.5話 アキヨシ×ミミズク

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「はぁ、彼女の部屋で倒れてしまうなんてカッコわりぃ…」ミミズクはソファーに仰向けになったまま、天井をぼんやり眺めていた。

アキヨシはパソコンに向かって作業していたが、ヘッドフォンを耳から外して振り向いた。
「あの子の事…好きなんだね。」
「あっ、すみません…親御さんの前なのに…」

(元ミミズクの子があの子に…興味深い…)アキヨシの研究者魂にヒットした。そして、ちょっと意地悪な質問をしたくなった。

「あの子の事、気に入ってくれてありがとね。…だけど、君にはもっといい人現れるんじゃない?」
「…やっぱり、俺じゃ駄目なのかな…だけど、まだ諦めきれないんです…」

あの子は最近、擬人化の子に好かれる傾向があるのではと思っていたところだった。この事例について、有力な情報が得られるチャンスだと思った。

「別にあの子に固執しなくてもいいんじゃないのかい?…そうだな…出来たら君と同族のフクロウの擬人化の子の方がいいだろ?」
「……それは、そうですが…」

「それは、あの子が同族じゃなかったら好きな気持ちは冷めるということかい?」
「ですが…小池さんは、美味しそうだとは感じられなくって。もしかしたら、同族と同等に付き合える仲なんじゃないかって期待してしまいます…」
(美味しそうだと感じないのが基準なのか…それは、肉食動物だった者に共通することなのだろうか?)

「じゃあ、もしあの子が…元々毒がある虫とかだったら、愛せる?」
「(もしかして、彼女への愛を試されてる?)……だけど、それだったら本能的に、嫌悪感が出る筈…彼女にはそれも感じられない。」
(本能…成る程…それは益々興味深い…)
アキヨシのテンションが上がってきた。

「あの子の正体が分からないから、想像を掻き立てられ、好きだと錯覚しているだけではないのかい?」
「そ…そうなのでしょうか…」
アキヨシがグイグイくるので、肯定しそうになるが、ミミズクは頑張って言葉を絞り出し反論する。
「いや…そんな筈は…だって…こんなにも……胸が熱い!」
アキヨシは吹き出しそうになるのを必死に堪える。
(何それ面白い!恋する乙女かよ…というか…よく見たらこの子、見た目も可愛いらしいな…)

「あの子と番になりたいって本能が…」
(つがいって!!いやいや…主観で考えたら駄目だな。)アキヨシは、吹き出しそうになったが、研究者として冷静な感じに対応した。

「其じゃあさ、例えば…あの子の性別がオスだったらどうする?」
「えっ…」
「元動物の本能で、子孫を残したいのではないのかい?同性だったらどうするの?」
「そうだけど…だって、俺たち擬人化は…そもそも……」
ミミズクくんは、目が潤むのを感じた。腕を目に宛て、その表情を隠した。
(何この子可愛い!何かもっとイジメたくなってきた。)
アキヨシも段々ミミズクくんの可愛いらしい見た目に毒されて、おかしな思考になってきていた。

「だったらさ…元々人間の子でも良くないの?君が気に入る子なら誰でもよくないの?何でうちの子なの?」
「そ、それは…」

「遠慮しないで、ここには僕と君しかいないのだから!」アキヨシは、もうすっかり絶好調になっていた。

キャスター付きの椅子を足で移動させて、ミミズクの寝ているソファーへグイグイ近づいた。アキヨシの目の力強さに捕らえられたミミズクは硬直した。
「あの…ちょっと…」
(其にしても、この髪型は"羽角"の名残か…興味深い…)

「まあ人間なら、今や科学の力で同性同士でも子孫は残せるんだけどねー。」
「だけど俺の場合…動物の時の本能がそれを拒みます─」
「そうなんだ…だけど、もっと人間化が進んだら、そういう気持ちも変るんじゃない?」
「変わったら…こんなに気持ちが苦しくなることは無くなるんでしょうか…アキヨシさんは、どう思いますか…?」

(彼の髪はまだ羽根みたいな感触をしているのだろうか…)
アキヨシは、観察しようと顔を近づけ彼の髪に触ろうとした…
「あ…アキヨシ…さん…?」
(何この状況…俺、アキヨシさんに狙われてる訳じゃないよね…)しかし、ある意味狙われていた。

ただならぬ雰囲気になった処で、自室のドアは開かれたのだった─
「ちょっ、お前!?」
「いや、違うんだ!この髪型どうなってるのかなと思って!」
***

この後、悪い大人アキヨシは、ミミズクと連絡先を交換して、ちゃっかり情報交換する手はずを整えるのだった。
「君の事もっと知りたいな。さっき君の言っていた悩みに答えたいし。教えられる範囲だけど、あの子が好きな事とかそういう事なら教えられるよ。」
なんて、甘い言葉をかけて……

(研究材料になりそうな、面白そうなネタが見つかった。)と、アキヨシは目を細め、片方の口角を上げた。
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