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ふたりの王子 ふたたび
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「やはりおばあ様が住んでいた家自体ないな。ここで間違いないんだろう?ベルナル」
ふたりは魔の森の中心部にあるちょっとした広場に来ていた。正しく数日前にモジャとリアがいた所だった。
「ああ、ここで間違いない。ここまで来る途中に俺たちは馬車で道なりに進んで途中から道を外れて来ただろう?でもあの女は歩いてここまで来ているはずなんだ」
「歩いて行ける距離ではないだろう」
「いや、地図があったはずだからショートカットしていたら歩いても行けるはずだよ」
「地図?」
「ばあちゃんが渡してくれって言っていた麻袋の中に地図の魔法陣が入っていた」
「本当か?なんだよ、馬鹿正直にそれを渡したのか?」
「まさか、俺だってその魔法陣を試そうとしたんだよ。でも俺では魔法陣は稼働しなかった。あの女専用だったんだ」
「おばあ様、さすがだな…」
「だから俺はあの女に結界を施したんだよ。そうすれば、ばあちゃんの家に行ってくれていると思ったんだが…」
「いないな…」
「絶対にここの地図だと思っていたんだがな…」
「まあ、この付近だろうな…」
「なぜだ?コルクス」
「部下の話だと、ここら辺一体の果実がすべて刈り取られているそうだ」
「果実…」
「魔の森に入るって事になるから序に魔の森でしか取れないロシとかコウニキとかポーションの素材になる貴重な森の宝と言われる果実を取ってこいと後宮の魔術師たちから言われていたんだと、もちろん陛下の承諾も得ている」
「なるほど、それが?」
「状態のいいものはほとんどないそうだ」
「じゃあ、あの女が刈り取ったと?」
「そうじゃあないかな?」
「追放から20日か…失敗したな、陛下の命が下る前に探しにくればよかったな」
「親切なふりしてな」
「うるさい。しかし、まさか移動するとは思わなかった」
「なんで、ほっといたんだ?」
「ほとぼりが冷めた頃に迎えに来ようと思っていたんだが…それにまさかユリウスまで追放され、俺が王位第一継承者になるとは思わないだろう?」
「確かに、で、どうやって移動したと思う?」
「ばあちゃんの事だ。色々家に仕掛けをしていたんだろう。そして素人でも使いこなせるような魔法円と陣とかを駆使して…どうにかして移動したんだろうな…俺じゃあ分からん」
「シシリアキングスまで行ってみるか?」
「…シシリーにいるかもな…」
「いくか?」
「いや、…シシリーには仲間が亡命している。探らせるには丁度いいな。あんだけの見た目だ、いるだけで目立つだろう。それに珍しいピンク色の髪の女だ。ちょっと探せば見つける事が出来るだろう。連絡して見るか」
「そうだな、派手に俺たちが入り込むより油断するかもしれないからな」
「一旦帰ろう。魔の森なんて長く居たくないよ。ばあちゃんはよくこんな所に住んていたよ」
「まったくだ」
二人の王子は王都に戻っていった。
ふたりは魔の森の中心部にあるちょっとした広場に来ていた。正しく数日前にモジャとリアがいた所だった。
「ああ、ここで間違いない。ここまで来る途中に俺たちは馬車で道なりに進んで途中から道を外れて来ただろう?でもあの女は歩いてここまで来ているはずなんだ」
「歩いて行ける距離ではないだろう」
「いや、地図があったはずだからショートカットしていたら歩いても行けるはずだよ」
「地図?」
「ばあちゃんが渡してくれって言っていた麻袋の中に地図の魔法陣が入っていた」
「本当か?なんだよ、馬鹿正直にそれを渡したのか?」
「まさか、俺だってその魔法陣を試そうとしたんだよ。でも俺では魔法陣は稼働しなかった。あの女専用だったんだ」
「おばあ様、さすがだな…」
「だから俺はあの女に結界を施したんだよ。そうすれば、ばあちゃんの家に行ってくれていると思ったんだが…」
「いないな…」
「絶対にここの地図だと思っていたんだがな…」
「まあ、この付近だろうな…」
「なぜだ?コルクス」
「部下の話だと、ここら辺一体の果実がすべて刈り取られているそうだ」
「果実…」
「魔の森に入るって事になるから序に魔の森でしか取れないロシとかコウニキとかポーションの素材になる貴重な森の宝と言われる果実を取ってこいと後宮の魔術師たちから言われていたんだと、もちろん陛下の承諾も得ている」
「なるほど、それが?」
「状態のいいものはほとんどないそうだ」
「じゃあ、あの女が刈り取ったと?」
「そうじゃあないかな?」
「追放から20日か…失敗したな、陛下の命が下る前に探しにくればよかったな」
「親切なふりしてな」
「うるさい。しかし、まさか移動するとは思わなかった」
「なんで、ほっといたんだ?」
「ほとぼりが冷めた頃に迎えに来ようと思っていたんだが…それにまさかユリウスまで追放され、俺が王位第一継承者になるとは思わないだろう?」
「確かに、で、どうやって移動したと思う?」
「ばあちゃんの事だ。色々家に仕掛けをしていたんだろう。そして素人でも使いこなせるような魔法円と陣とかを駆使して…どうにかして移動したんだろうな…俺じゃあ分からん」
「シシリアキングスまで行ってみるか?」
「…シシリーにいるかもな…」
「いくか?」
「いや、…シシリーには仲間が亡命している。探らせるには丁度いいな。あんだけの見た目だ、いるだけで目立つだろう。それに珍しいピンク色の髪の女だ。ちょっと探せば見つける事が出来るだろう。連絡して見るか」
「そうだな、派手に俺たちが入り込むより油断するかもしれないからな」
「一旦帰ろう。魔の森なんて長く居たくないよ。ばあちゃんはよくこんな所に住んていたよ」
「まったくだ」
二人の王子は王都に戻っていった。
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