双子の姉弟は強すぎます

天藤 深綺

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過去の記憶⑤

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私は頭を抑え、その場に膝をつく。三年前の事を見てしまったためにこんな事になったのだろう。そして、あの赤い結晶をどうしても手に入れないと治まらない気がした。

「彩香、過去を見て苦しい?」
「この状態で苦しく無かったらどうかしてるさ…」
「これが欲しいんでしょ?」

 優衣姉がポケットから赤い結晶を取り出した。私は今までに無いくらいの速さで飛びつき、手に入れた。
それを胸に押し当てた。

「そっか、そうだったんだね」

 これでようやく頭痛が治まり、三年前の忘れていたと思っていた記憶が戻った。

「あの時の優ちゃんは私を守るためにやったんだ。でも何で今になって戻したの?」
「それは優希を狙う奴らが復活したからよ」
「もしかして、青の教団?」
「ちゃんと思い出したようね」
「そりゃそうだよ」

 青の教団はかつて私達が住んでいた街を燃やした奴らだ。その幹部と思しき的に私はなす術もなくやられた所を優ちゃんに助けられその後記憶が無くなっていたんだ。

「でもなんで私の記憶を取り戻す事に関係したの?」
「それは優希の存在が青の教団にバレた事が関係してるの」
「そうゆう事か、それで近くにいる私が守るためには記憶と力が必要だった」
「うん、でもまだまだあの時の感覚は戻って無いでしょ?」

 確かに記憶と力が戻ったけど、あの時の感覚や力の使い方までは戻らない。もう少し優衣姉には付き合ってもらうか。

「分かってるなら、もう少し付き合ってもらうよ!準備はいい?」
「もちろんみっちり闘ってあげるわ」

 また私は戦闘を再会した。
この感じ久しぶりだな。
身体が軽くなった感じ。
優ちゃん今度は私が守る番だね…

それから丸一日優衣姉と一緒にいることとなり、現在の状況などを知っていくのだった。

 

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