双子の姉弟は強すぎます

天藤 深綺

文字の大きさ
上 下
26 / 46

試合までの日々⑪

しおりを挟む
 話はここが何処かから始まった。

「まずは、ここは何処でという事について説明するか。」
「多分夢か何かでしょ?」
「なんだ分かってるじゃないか。
そう夢の中だ。ただし俺が三年前から暮らしている夢だけどな」
「はい?三年前?」
「そう三年前だ。今日青のローブ男が言っていただろ、三年前の大火事の事」
「う、うん。言ってたね、それがどう繋がるの?」
「まぁ詳しくは現実で聞け。
それでこの夢は俺が作り出した、力と記憶の塊を凝縮し頭の片隅に封印してたものだ。」
「そうなんだ…」

 全く分からん。
こいつは自分の力と記憶を封印して何がしたいんだ。

「不思議に思ってるな」
「当たり前でしょ。なんで封印なんてしたの」
「あの時は打つ手が他に思いつかなかったんだよ。直ぐに実行しないと戦いが収まらなかったからな」
「それも現実で分かるんだよね?」
「大体な。後は俺自身と一体化すれば今の状況も全部分かる」
「今の状況?何が起きてるの?」
「それは言わない。危険が増える」

 大事な事は言わないんだな。
まぁ今の日常が壊されないならいいかな。
でも、どうしてこの夢にいられるんだろう。

「頭で考えてもここじゃ俺にはお見通しだぞ」
「何それ、不公平過ぎるよ」
「だって俺が作ったんだぞ、来客者なんだから諦めろ」
「はぁ~、じゃあ教えてくれるね」
「もちろん。なんでこの夢に来れたからだろ、条件はたったの2つだ。
まず、青の教団の奴と戦う事、そして危険に晒されることだ」
「何その条件、まるで襲われる事前提じゃないか」
「分かっていたさ、そうゆう風にしたんだから」

 僕は飽きれた。三年前の自分が何を考えているかちっとも分からない。
困ったもんだ、今も笑ってやがる。

「さて、そろそろ目覚めてもらう時間だ」
「まだ話して欲しい事沢山あるんだけど!」
「それは一体化したら全部分かるさ。
そうだな、試合の決勝戦が終わったあとにでも分かるかもな」
「どうゆう事だよ!」
「そのまんまさ、さぁ起きる時間だ。
優衣姉にあったら三年前の映像を見してって言えば分かるよ」
「あっ、待てよ!くそったれ!」

そう言って僕の目の前は光に覆われた。
すると、見慣れた天井が見えた。
しおりを挟む

処理中です...