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03 裏切り
しおりを挟む私は雄太の言葉を真に受けていた。
その時まで、愚かな人間だった。
所詮雄太には、あいつには他に大勢いる馬鹿な人間の一人にしかすぎなかったのだろう。
それを、私はその日に思い知った。
あんなに仲が良かったのに?
一体どうして!?
雄太は、ボロボロになって倒れている私を見下ろしていた。
無数の男たちに囲まれて、非道な所業の限りを尽くされた、私の姿を。
デートの終わり。
さっきまで、あんなに楽しくて、幸せだったのに。
その分、心も体も痛いよ。
冷たい視線が突き刺さる。
「どっ、どうしてこんな事を」
「千里が特別馬鹿で騙されやすいからだよ」
「うっ、嘘だよね?」
「物分かりが悪いな、はっきり言わないと分からない? 最初からこうするつもりだったのさ」
付き合ってから数か月後。
二人っきりになりたいと言って、誰もいない場所につれてこられた私は雄太に騙された。
殴られて、蹴られて、言葉にはできない事をたくさんされて、それだけじゃなくて、持っていた物をすべてむしりとられた。
「優等生やってると、ストレスたまるんだよね。だからこうやった馬鹿な女をはめて、発散させてもらってるんだ。他の人に言ってもいいよ。どうせ皆信じないだろうけど」
冷たい笑いを顔にはりつけた雄太が去っていく。
「待って。お願い雄太っ! 待ってよ!」
遠ざかるその姿に、私の声は届かなかった。
雄太は本当に私を裏切ったのだ。
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