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しおりを挟む俺は自宅にビックリハウスを作っている。
サプライズ好きなんだ。
だから、今度の週末に友人達を招いて、驚かせようと思っているんだ。
その時の事を考えると、楽しみでたまらないよ。
あれ、材料がたりないな。
工具も。
どこかになくしちゃったのかな。
倉庫に探しに行かなくちゃ。
数分かけて戻ってくると。
今度は違うものがなくなっていた。
途中で食べようと思っていたサンドイッチがないぞ。
もしかして俺が見ていない時に誰かが悪戯しているのか?
なんて事だ、それは俺の専売特許だというのに。
まさかサプライズ好きの俺が気が付かない間にそんな事をされているなんて。
よし、犯人を突き止めるために監視カメラをつけてみよう。
そういうわけで、俺はドキドキしながら監視カメラを購入。
作りかけのビックリハウスが見えるところに、カメラを設置した。
そして、その場を離れてから、カメラを覗き込むと。
そこには。
「なんて事だ!」
得体のしれないバケモノがうつっていた。
そいつは俺が使っていた物や、材料を持って、自分の口の中に放り込んでいく。
俺は震えるしかない。
なんてクールな奴なんだろう。
なんてかっこいいんだ。
なぜか、俺の心には驚くほど、恐怖心は湧いてこなかった。
そう思った俺は昔の事を思い出していた。
そうだ。なぜ忘れていたのだろう。
俺もあっちの世界の住人だったのだ。
それで、何かの拍子でこちらの世界に来てしまって、戻れなくなってしまったのだ。
人間に紛れて生活するのは苦しすぎたから、普通の人のふりをするために、記憶を封じたのだった。
でも、仲間を見つけた。
もしかしたら帰る方法が見つかるかもしれないぞ!
翌日。
とある男の友人は悲しんだ。
サプライズ好きの男性が忽然と自宅から姿を消したからだ。
監視カメラには、怪しいモンスターの姿に身を変えたなにかが、その男を連れ去っていくのが記録されていた。
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