プライドの高い主人公の頭を踏みつけてイジメてみた「改造予」

04 運命の出会い

　奴と出会ったのは今からさかのぼる事およそ一年前。
　まだ奴が、孤高の存在として世界の害悪と戦っていた頃の事だ。

　それは、世界が魔女によって滅ぼされかけ、人が死んでいく一方だった頃の話。

　奴はある組織を立ち上げたばかりだった。
　よちよち歩きだった赤ちゃんが、つかまり立ちで懸命に歩き出した頃だった。

　偉大なる一歩目。
　普通の人間なら挫けても良いはずの生い立ちだったのに、折れずにそこまできたんだ、本当に立派だよね。
　だから折るんだけど。

　けれど、最初は苦難の連続さ。
　その頃の奴の周りには、奴を理解する者はおらず、奴と共に並び立つ者も、奴の背中を支える者もいなかったから。

　その当時の奴は、まだただの頭の切れる人間でしかなかったからね。

　一目見た時は、外れだと思ったよ。

　他の人間と同じ、なんだと。

　だが、奴は俺の予想を超えて来た。

　赤城陽光は、立ちはだかった僕をあと一歩で完全に倒せる所まで追い詰めてくれたのだから。