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魔法師(一)
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タラッタを陸に送り届けることにしてから二週間ほど。バハルは宣言通りにずっと船の下について泳いでいった。
途中海魔に出会うこともあったがツノダシほど好戦的なものはおらず、実に順調な旅路であった。
「陸が見えてきたわ!」
タラッタが船上から大きな声で言う。いったん止まって海面から顔を出すと広い海岸とその奥に森が見えた。
人魚になってから初めての陸地である。
「無事に着いたようでよかった」
「ええ、送り届けてくれてありがとう」
「じゃあ、今度こそさよならだ。元気でな」
「待って!」
ここまでくれば危険はほとんどないだろう。見たところ海岸は岩場が多く人の姿は確認できないが、この辺りで帰るのが安全だ。そう思って別れを告げたのだがタラッタが制止をかけた。
どうしたのかと彼女の方を見ると、少し思案した後に口を開く。
「この辺りはよく知ってるの。少し離れた場所に農村が一つあってね。今回のお礼になにか作物の種でももらってくるわ」
「え? でも……」
「一時間ほどで往復できる距離なの。あんたはしばらく離れていて……そうね、夕方にあの一際大きな岩場にお礼を置いておくわ。あんたは深夜か早朝にでも回収する。どう?」
とても魅力的な提案ではある。深夜から早朝にかけてなら暗くて危険な海岸に人はいないだろう。
せっかく陸まで来たのだ。それくらいの駄賃はあっていいかもしれない。
「分かった。じゃあお言葉に甘えて……」
「良かった。わたしもなにかお礼しないと気がすまなくてね。じゃあ、そういうことでよろしくね」
「ああ」
タラッタはニコニコと笑みを浮かべて陸へと向かっていく。バハルは手を振って見送り、海の中へ潜る。
陸が近いためか故郷の海よりずっと水深が浅いし海魔はほとんどいない。
タラッタとの約束の時間まで暇つぶしがてら探索をすることにした。
「ちょっと腹が減ったし魚でも獲って食べるか」
バハルが魚に近づくとゆったり泳いでいた魚たちが蜘蛛の子を散らすように逃げていく。この辺りには人魚がいないようだし、大型の魚も見かけない。大きな体のバハルを怖がっているのだ。
「まあ、食べようとしてるし逃げるのは正解なんだけど」
さっと素早く何匹か魚を捕まえて食べる。人魚は内臓や鱗など気にしなくていいので丸ごとおいしくいただいた。
腹が満たされたところでバハルはゆっくりと泳ぐ。
「海魔もほとんどいないし、住んでいる海域にはたくさんいる増殖クラゲもほとんどいないな……。この辺りはあまり生育に向かないのか」
必死にゆらゆらと泳ぐ増殖クラゲをツンツンとつつきながら観察する。体も小さなものばかりでこれでは腹は満たせそうにない。
「他にはなにかいるかなぁ~」
好奇心を胸にバハルは辺りの探索に出かけた。
特に目ぼしい発見はなく昼寝をして時間を潰したのち、夜になったのをたしかめて再び海面に浮上した。
「うん、大丈夫そうだな」
深海の中でも見通せる瞳は海の外でも有効らしく、真っ暗な夜でも陸地がくっきりと確認できた。海に潜って約束した岩場まで近づくと頭を半分出して辺りを伺う。
「…………」
波の音に紛れてかすかにじゃりっと砂を踏みしめる音が耳に届いた。ジッと動かずに様子を見ていると人間の男の子が岩場で手に小さな袋を持って座り込んでいる。
あからさまに怪しくバハルはどうしようかと悩む。
「……おーい」
真夜中に危険な岩場に子供一人。異世界とはいえ異常なことには変わりないだろう。なにかあればすぐに逃げる心構えだけして、恐る恐る子供に声をかける。
それほど大きな声ではなかったが子供にはちゃんと届いたらしく、バッと顔をあげこちらに視線を向けた。
「すげぇ……、ほんとに人魚だ!」
「……その言い方だと俺が来るのを知っていたのか?」
「うん。頬にそばかすのあるねぇちゃんに頼まれてさ。ほら、これ」
「タラッタに?」
警戒しつつも岩場に近づいて子供から小さな袋を受け取る。防水加工がされた袋の中には植物の種が入っていた。
タラッタとの約束ではこの岩場に置いておくという話だった。それがなぜ子供が持っているのか。
「なぁ、どうして頼まれた?」
「あ、いや。ねぇちゃんさ、なんか村に視察に来てた魔法師の人たちに捕まって……。俺は村人で駄賃を貰って頼みごとを引き受けたんだ。これを渡してくれって」
「捕まった!?」
「うん。あれ、きっととても偉い魔法師だよ。いい服着てたし。あ、でも乱暴ではなかったよ。話し合って捕まったみたいだし。今晩は村に滞在するみたいだよ」
「そうなのか……」
魔法師とはタラッタの海賊団に人魚探しを頼んだ国の関係者だろう。さっそく見つかって捕らえられている状況にバハルは頭を抱えた。
「なぁ、捕まったらどうなるとか分かるか?」
「うーん。そういえばねぇちゃんのこと海賊って呼んでたな。海賊だとよくて投獄じゃないか?」
「……悪くて?」
「死刑かな。うちの国は海に面して海賊の被害もあるからさ。処罰は厳しいよ。俺はねぇちゃんが悪いやつに見えなかったし、駄賃もらえたから協力することにしたけど」
海賊の恐ろしさをまだあまり理解できない子供だからこそ引き受けたようだった。
それにしても捕まりながらもバハルになんとしてでも礼を渡そうというのは律儀というか、なんというか……。まあ、約束した岩場になにもなかったらバハルはモヤモヤしてしばらく滞在しただろうから、これはさっさと海へ帰れという意味合いもあるのだろう。
「はぁー。運があるのかないのか……」
「約束のものは渡したし、こっそり抜け出してきたから帰るよ」
「あ、待て」
「なに? 兄ちゃんのことは黙ってるよ。それも駄賃に含まれるからさ」
「そうなのか。じゃあ、俺からの頼みも聞いてくれるか?」
立ち去ろうとした子供を引き留めてバハルはニヤリと笑った。
◇
「これは驚いた。本当に人魚がいるとは」
すっかりと日が昇った時間帯、バハルの前の砂浜には何名かの人間が立っていた。その中で一際上等な衣服に身を包んだ四十代半ばの男が渋い声で驚いた様子を見せる。
「俺も驚いたよ。魔法師って聞いたから細くてひょろっとした優男をイメージしてたんだけど。ゴリゴリのマッチョとか。おっさん、魔法使いより剣士とかの方が似合いそうだぞ」
盛り上がった筋肉に焼けた肌、右頬には深い傷あと。どう見ても歴戦の戦士とか言われたほうがしっくりくる。
バハルの軽口に人魚を警戒していた人間たちがざわめいていた。
「ふむ。子供から聞いた通り、話が通じる人魚らしい」
「ちゃんと伝わったようでなによりだよ」
昨日の夜に出会った子供にバハルは一つ頼みごとをした。
人魚がタラッタの知り合いで海岸にいると魔法師たちに伝えて欲しい、と。駄賃に鱗を一枚渡しておいた。人魚の鱗はおそらく希少価値が高いだろうから報酬として十分だろうし、魔法師たちを信用させるにも役立つだろうと考えたのもある。
実際にこうして現れたのだからバハルの考えは上手くいったのだ。
「私たちは君を捕らえるつもりだが」
「ああ、いいよ。ただしタラッタ……海賊の女性の功績にしてくれ」
「……人魚を献上したことにしろ、ということか」
生きた若い人魚などそうそうお目にかかれるものではないレア物だ。しかもこの国は国王の病気という問題を抱えている。海賊の命一つ見逃すくらいはしてもらえるだろう。
「分かった。……君の言う海賊の者は先に送り出している。ひとまず城に連れて行くことにはなるだろうが、身の安全の保証はしよう」
「あんたにそんな権限があると信じていいのか?」
「もちろんだ。私の名前はローガン。このマチリーク王国で陛下の一番の臣下だ」
まっすぐバハルを見つめる瞳に嘘はなさそうだった。話していても変な人物ではなさそうだと感じたので、ひとまずは信用することにした。
「人魚のバハルだ」
「バハル、君の身も安全に城まで運ぼう。貴重な人魚であるからな」
「それはありがたい。が、俺はけっこう大きいぞ?」
砂浜に乗り上げるとローガン以外の人間が後退った。体長が二メートル半ほどある人魚に驚いたようだ。それに陸地とはいえまだ海に面している。バハルが本気になれば危ないことも理解しているのだろう。
「ふむ。たしかに大きいな。文献によると人魚は人と同じくらいの大きさと書いてあったが……。む、腕にも鱗があるのか。爪は長い。ほぉ、瞳孔が不思議な色合いをしているな」
「ちょ、ちょっと近い!」
瞳を覗き込まれて思わず仰け反って声を荒げる。このローガンという魔法師は人魚に対する恐怖より好奇心のほうが勝っているようだ。
周りの人間でさえ引いている。
「む、すまん。人魚に対する好奇心が……こう押さえられなくてな」
「手をワキワキさせるのやめてくれ。あと触れるのも禁止で」
「……仕方ない。貴重な人魚の機嫌を損ねるわけにはいくまい」
ローガンがそれはそれは深いため息をついてみせた。未練がましくまた手をワキワキさせている。
バハルは関わったことをちょっと後悔し始めていた。
「君、村に行って大きな荷台を借りてきてくれ」
「は、はい!」
「荷台が到着したら人魚を乗せられるように改良する。木材などを集めるように」
「はい!」
ローガンの指示に従って人魚を輸送するための準備が始まった。いつまでも砂浜にいると疲れるし肌も乾くのでいったん海の中へと戻る。
逃げるとでも思ったのか背中に鋭い視線が飛んできてブルリと体を震わせた。
途中海魔に出会うこともあったがツノダシほど好戦的なものはおらず、実に順調な旅路であった。
「陸が見えてきたわ!」
タラッタが船上から大きな声で言う。いったん止まって海面から顔を出すと広い海岸とその奥に森が見えた。
人魚になってから初めての陸地である。
「無事に着いたようでよかった」
「ええ、送り届けてくれてありがとう」
「じゃあ、今度こそさよならだ。元気でな」
「待って!」
ここまでくれば危険はほとんどないだろう。見たところ海岸は岩場が多く人の姿は確認できないが、この辺りで帰るのが安全だ。そう思って別れを告げたのだがタラッタが制止をかけた。
どうしたのかと彼女の方を見ると、少し思案した後に口を開く。
「この辺りはよく知ってるの。少し離れた場所に農村が一つあってね。今回のお礼になにか作物の種でももらってくるわ」
「え? でも……」
「一時間ほどで往復できる距離なの。あんたはしばらく離れていて……そうね、夕方にあの一際大きな岩場にお礼を置いておくわ。あんたは深夜か早朝にでも回収する。どう?」
とても魅力的な提案ではある。深夜から早朝にかけてなら暗くて危険な海岸に人はいないだろう。
せっかく陸まで来たのだ。それくらいの駄賃はあっていいかもしれない。
「分かった。じゃあお言葉に甘えて……」
「良かった。わたしもなにかお礼しないと気がすまなくてね。じゃあ、そういうことでよろしくね」
「ああ」
タラッタはニコニコと笑みを浮かべて陸へと向かっていく。バハルは手を振って見送り、海の中へ潜る。
陸が近いためか故郷の海よりずっと水深が浅いし海魔はほとんどいない。
タラッタとの約束の時間まで暇つぶしがてら探索をすることにした。
「ちょっと腹が減ったし魚でも獲って食べるか」
バハルが魚に近づくとゆったり泳いでいた魚たちが蜘蛛の子を散らすように逃げていく。この辺りには人魚がいないようだし、大型の魚も見かけない。大きな体のバハルを怖がっているのだ。
「まあ、食べようとしてるし逃げるのは正解なんだけど」
さっと素早く何匹か魚を捕まえて食べる。人魚は内臓や鱗など気にしなくていいので丸ごとおいしくいただいた。
腹が満たされたところでバハルはゆっくりと泳ぐ。
「海魔もほとんどいないし、住んでいる海域にはたくさんいる増殖クラゲもほとんどいないな……。この辺りはあまり生育に向かないのか」
必死にゆらゆらと泳ぐ増殖クラゲをツンツンとつつきながら観察する。体も小さなものばかりでこれでは腹は満たせそうにない。
「他にはなにかいるかなぁ~」
好奇心を胸にバハルは辺りの探索に出かけた。
特に目ぼしい発見はなく昼寝をして時間を潰したのち、夜になったのをたしかめて再び海面に浮上した。
「うん、大丈夫そうだな」
深海の中でも見通せる瞳は海の外でも有効らしく、真っ暗な夜でも陸地がくっきりと確認できた。海に潜って約束した岩場まで近づくと頭を半分出して辺りを伺う。
「…………」
波の音に紛れてかすかにじゃりっと砂を踏みしめる音が耳に届いた。ジッと動かずに様子を見ていると人間の男の子が岩場で手に小さな袋を持って座り込んでいる。
あからさまに怪しくバハルはどうしようかと悩む。
「……おーい」
真夜中に危険な岩場に子供一人。異世界とはいえ異常なことには変わりないだろう。なにかあればすぐに逃げる心構えだけして、恐る恐る子供に声をかける。
それほど大きな声ではなかったが子供にはちゃんと届いたらしく、バッと顔をあげこちらに視線を向けた。
「すげぇ……、ほんとに人魚だ!」
「……その言い方だと俺が来るのを知っていたのか?」
「うん。頬にそばかすのあるねぇちゃんに頼まれてさ。ほら、これ」
「タラッタに?」
警戒しつつも岩場に近づいて子供から小さな袋を受け取る。防水加工がされた袋の中には植物の種が入っていた。
タラッタとの約束ではこの岩場に置いておくという話だった。それがなぜ子供が持っているのか。
「なぁ、どうして頼まれた?」
「あ、いや。ねぇちゃんさ、なんか村に視察に来てた魔法師の人たちに捕まって……。俺は村人で駄賃を貰って頼みごとを引き受けたんだ。これを渡してくれって」
「捕まった!?」
「うん。あれ、きっととても偉い魔法師だよ。いい服着てたし。あ、でも乱暴ではなかったよ。話し合って捕まったみたいだし。今晩は村に滞在するみたいだよ」
「そうなのか……」
魔法師とはタラッタの海賊団に人魚探しを頼んだ国の関係者だろう。さっそく見つかって捕らえられている状況にバハルは頭を抱えた。
「なぁ、捕まったらどうなるとか分かるか?」
「うーん。そういえばねぇちゃんのこと海賊って呼んでたな。海賊だとよくて投獄じゃないか?」
「……悪くて?」
「死刑かな。うちの国は海に面して海賊の被害もあるからさ。処罰は厳しいよ。俺はねぇちゃんが悪いやつに見えなかったし、駄賃もらえたから協力することにしたけど」
海賊の恐ろしさをまだあまり理解できない子供だからこそ引き受けたようだった。
それにしても捕まりながらもバハルになんとしてでも礼を渡そうというのは律儀というか、なんというか……。まあ、約束した岩場になにもなかったらバハルはモヤモヤしてしばらく滞在しただろうから、これはさっさと海へ帰れという意味合いもあるのだろう。
「はぁー。運があるのかないのか……」
「約束のものは渡したし、こっそり抜け出してきたから帰るよ」
「あ、待て」
「なに? 兄ちゃんのことは黙ってるよ。それも駄賃に含まれるからさ」
「そうなのか。じゃあ、俺からの頼みも聞いてくれるか?」
立ち去ろうとした子供を引き留めてバハルはニヤリと笑った。
◇
「これは驚いた。本当に人魚がいるとは」
すっかりと日が昇った時間帯、バハルの前の砂浜には何名かの人間が立っていた。その中で一際上等な衣服に身を包んだ四十代半ばの男が渋い声で驚いた様子を見せる。
「俺も驚いたよ。魔法師って聞いたから細くてひょろっとした優男をイメージしてたんだけど。ゴリゴリのマッチョとか。おっさん、魔法使いより剣士とかの方が似合いそうだぞ」
盛り上がった筋肉に焼けた肌、右頬には深い傷あと。どう見ても歴戦の戦士とか言われたほうがしっくりくる。
バハルの軽口に人魚を警戒していた人間たちがざわめいていた。
「ふむ。子供から聞いた通り、話が通じる人魚らしい」
「ちゃんと伝わったようでなによりだよ」
昨日の夜に出会った子供にバハルは一つ頼みごとをした。
人魚がタラッタの知り合いで海岸にいると魔法師たちに伝えて欲しい、と。駄賃に鱗を一枚渡しておいた。人魚の鱗はおそらく希少価値が高いだろうから報酬として十分だろうし、魔法師たちを信用させるにも役立つだろうと考えたのもある。
実際にこうして現れたのだからバハルの考えは上手くいったのだ。
「私たちは君を捕らえるつもりだが」
「ああ、いいよ。ただしタラッタ……海賊の女性の功績にしてくれ」
「……人魚を献上したことにしろ、ということか」
生きた若い人魚などそうそうお目にかかれるものではないレア物だ。しかもこの国は国王の病気という問題を抱えている。海賊の命一つ見逃すくらいはしてもらえるだろう。
「分かった。……君の言う海賊の者は先に送り出している。ひとまず城に連れて行くことにはなるだろうが、身の安全の保証はしよう」
「あんたにそんな権限があると信じていいのか?」
「もちろんだ。私の名前はローガン。このマチリーク王国で陛下の一番の臣下だ」
まっすぐバハルを見つめる瞳に嘘はなさそうだった。話していても変な人物ではなさそうだと感じたので、ひとまずは信用することにした。
「人魚のバハルだ」
「バハル、君の身も安全に城まで運ぼう。貴重な人魚であるからな」
「それはありがたい。が、俺はけっこう大きいぞ?」
砂浜に乗り上げるとローガン以外の人間が後退った。体長が二メートル半ほどある人魚に驚いたようだ。それに陸地とはいえまだ海に面している。バハルが本気になれば危ないことも理解しているのだろう。
「ふむ。たしかに大きいな。文献によると人魚は人と同じくらいの大きさと書いてあったが……。む、腕にも鱗があるのか。爪は長い。ほぉ、瞳孔が不思議な色合いをしているな」
「ちょ、ちょっと近い!」
瞳を覗き込まれて思わず仰け反って声を荒げる。このローガンという魔法師は人魚に対する恐怖より好奇心のほうが勝っているようだ。
周りの人間でさえ引いている。
「む、すまん。人魚に対する好奇心が……こう押さえられなくてな」
「手をワキワキさせるのやめてくれ。あと触れるのも禁止で」
「……仕方ない。貴重な人魚の機嫌を損ねるわけにはいくまい」
ローガンがそれはそれは深いため息をついてみせた。未練がましくまた手をワキワキさせている。
バハルは関わったことをちょっと後悔し始めていた。
「君、村に行って大きな荷台を借りてきてくれ」
「は、はい!」
「荷台が到着したら人魚を乗せられるように改良する。木材などを集めるように」
「はい!」
ローガンの指示に従って人魚を輸送するための準備が始まった。いつまでも砂浜にいると疲れるし肌も乾くのでいったん海の中へと戻る。
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