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第1話【チュートリアルから初見殺し】
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俺、坂田糀(さかた こうじ)は今年、成人式を終えたばかりの社会人である。
別にイケメンだとかでもなく、至って一般的な顔立ち……だと思う。
そして、ゲームオタクの部類に入る。
そんな俺はある都市伝説のあるVRゲームに注目していた。
VRゲームとは仮想世界へ入る体感型のゲームの事である。
そして、そのゲームは人生が終わると言われている都市伝説を持つ程、鮮明で実体験に近いんだと言う。
ノベルなどであるデスゲームとかではないらしいが、それがどう言う理由なのかは前々から興味があった。
そして、初のボーナスで俺はそのゲームーーH.E.A.V.E.N.と専用のVRキットを手に入れる。
パッケージからしてジャンルは恐らく、ファンタジー物なんだろう。
ただ、最近のファンシーな物ではなく、昔の中世をモチーフにした様な騎士や魔法使いの描かれたイカしたデザインになっている。
ーーこれは期待出来そうだ。
俺はそう思いつつ、H.E.A.V.E.N.を手にワクワクしながら家に帰った。
「ただいま」
「お帰りなさい、糀」
玄関の戸を開けると母さんが台所からやって来る。
俺は両親と暮らしている。昔はゲームで引きこもったりもしたが現在では社会人となり、寧ろ、此処まで育ててくれた両親に感謝している位だ。
「もうすぐ、ご飯が出来るよーーと言っても、またスーパーの惣菜だけどね」
「でも、母さんが作った物だろ?……俺は気にしないよ」
俺はそう言って玄関に座って靴を脱ぐ。
今の話の通り、母さんは近くのスーパーマーケットでパートとして働いている。
父さんは俺と同じくサラリーマンをしている。
お互い、収入はそこそこだが、それでも家族円満に暮らしている。
「ご飯出来たら呼んで。俺、ちょっとゲームしているからさ」
「またゲームかい?昔みたく、引きこもったりしないでおくれよ」
「解っているって。今は仕事もあるしね。
だから、ちょっとやったら、すぐやめるよ」
俺は母さんにそう告げると自室へと向かい、私服に着替えてH.E.A.V.E.N.と言うゲームを開始する。
キャラクターはどうするかな?
とりあえず、ネカマプレイとかは苦手だし、性別は男を選択するとしてキャラデザインは定番でイケメンに作るか……。
俺はある程度、項目を選択すると最後の項目を見る。
《このゲームはよりリアルを追求する為に五感を刺激します。
初期設定ではゲームオーバー時のショック緩和の為に最低の1から始める事をオススメします。
また、感度はオプション選択後、自由に設定する事が可能です。
少しでも不快感を感じたら、ゲームを中断して下さい》
成る程。つまり、このゲームで死ぬとそれを五感で感じるのか。
これが人生が終わるって意味なのかな?
俺はそう思いつつ、説明通り、感度を1にしてゲームを開始する。
その瞬間、風や土の匂いなどが広がった。
これが最先端のVRゲームか……技術が凄いな。
俺はそう思いながら、周囲を見渡す。
《此方はチュートリアルです》
《まずは実際に歩いて見ましょう》
《その場で足踏みをして下さい》
俺はそのメッセージに従い、その場で足踏みをするとゲーム内で前進した。
《下がる時は逆方向に足踏みして下さい》
《続いて、モンスターとの戦闘です》
そうメッセージが説明すると可愛いウサギが現れる。
《ナイフを所持しています》
《まずはそのナイフでモンスターを倒しましょう》
俺はそのメッセージの通り、ウサギのモンスターを攻撃してーーゾッとした。
ウサギのモンスターは悲鳴を上げ、血を噴き出して、あっけなく倒れた。
そして、その感触や血の臭いは五感を通して、まるで本当に殺したかの様に伝わって来る。
もし、これが自分の身に起こったらと思うと本当にショック死してしまいそうだ。
《次に被弾した際の痛覚を確認しましょう》
そんなメッセージが現れ、俺の二回りは大きいオーガが現れる。
俺は背筋が凍る思いをし、少しでも逃げようと下がろうとする。
ーーが、身体が動かない!
俺はそのオーガの棍棒を喰らい、ゲーム内の腕が折れた。
「ぎゃあああぁぁぁーーっっ!!」
仮想空間とは思えない痛みに絶叫を上げ、俺は思わず、その場にしゃがみ込む。
次の瞬間、オーガの棍棒が俺の頭を捉え、俺は抵抗も出来ずに頭を潰されて死ぬ。
文字通り、頭蓋骨がかち割れる様な痛覚に襲われ、俺は意識を失った。
「ーーじ!糀!」
「ん?」
目を覚ますと両親が心配そうに俺を見下ろしていた。
「大丈夫かい、糀?」
「……母さん」
「帰って来て早々、悲鳴が聞こえたから慌てて駆け付けたが、お前、何をやってたんだ?」
「え?えっと、ゲーム?」
俺は父さんにそう呟いて、ゲーム中に折れた腕を確認する。
当然、仮想空間で起きた事は現実ではないから、現実の俺の腕は無傷だ。
「全く。親を心配させるんじゃないぞ?」
「うん。ごめん、父さん」
俺は父さんに謝るとVRゲームを見る。
ーーこれはかなり、危険なゲームだ。
マトモな精神だと本当にショック死する可能性もある。
正直、予想していたよりも、かなり危険な代物だ。
もしかすると人生が終わるとはショック死による死亡の事かも知れないな。
これをプレイし続けるか、それともやめるか、悩む所である。
俺は上体を起こして両親に笑った。
「心配掛けて、ごめん。もう大丈夫だから」
「本当かい?強がりじゃないのかい?」
「本当に平気だってば。ちょっとゲームで驚いただけだから」
俺はそう言うと立ち上がって両親の前で元気なのをアピールする。
そんな俺を見て、両親も安心したのか、部屋から出て行く。
ーーさて、この危険なゲームは本当にどうしよう?
別にイケメンだとかでもなく、至って一般的な顔立ち……だと思う。
そして、ゲームオタクの部類に入る。
そんな俺はある都市伝説のあるVRゲームに注目していた。
VRゲームとは仮想世界へ入る体感型のゲームの事である。
そして、そのゲームは人生が終わると言われている都市伝説を持つ程、鮮明で実体験に近いんだと言う。
ノベルなどであるデスゲームとかではないらしいが、それがどう言う理由なのかは前々から興味があった。
そして、初のボーナスで俺はそのゲームーーH.E.A.V.E.N.と専用のVRキットを手に入れる。
パッケージからしてジャンルは恐らく、ファンタジー物なんだろう。
ただ、最近のファンシーな物ではなく、昔の中世をモチーフにした様な騎士や魔法使いの描かれたイカしたデザインになっている。
ーーこれは期待出来そうだ。
俺はそう思いつつ、H.E.A.V.E.N.を手にワクワクしながら家に帰った。
「ただいま」
「お帰りなさい、糀」
玄関の戸を開けると母さんが台所からやって来る。
俺は両親と暮らしている。昔はゲームで引きこもったりもしたが現在では社会人となり、寧ろ、此処まで育ててくれた両親に感謝している位だ。
「もうすぐ、ご飯が出来るよーーと言っても、またスーパーの惣菜だけどね」
「でも、母さんが作った物だろ?……俺は気にしないよ」
俺はそう言って玄関に座って靴を脱ぐ。
今の話の通り、母さんは近くのスーパーマーケットでパートとして働いている。
父さんは俺と同じくサラリーマンをしている。
お互い、収入はそこそこだが、それでも家族円満に暮らしている。
「ご飯出来たら呼んで。俺、ちょっとゲームしているからさ」
「またゲームかい?昔みたく、引きこもったりしないでおくれよ」
「解っているって。今は仕事もあるしね。
だから、ちょっとやったら、すぐやめるよ」
俺は母さんにそう告げると自室へと向かい、私服に着替えてH.E.A.V.E.N.と言うゲームを開始する。
キャラクターはどうするかな?
とりあえず、ネカマプレイとかは苦手だし、性別は男を選択するとしてキャラデザインは定番でイケメンに作るか……。
俺はある程度、項目を選択すると最後の項目を見る。
《このゲームはよりリアルを追求する為に五感を刺激します。
初期設定ではゲームオーバー時のショック緩和の為に最低の1から始める事をオススメします。
また、感度はオプション選択後、自由に設定する事が可能です。
少しでも不快感を感じたら、ゲームを中断して下さい》
成る程。つまり、このゲームで死ぬとそれを五感で感じるのか。
これが人生が終わるって意味なのかな?
俺はそう思いつつ、説明通り、感度を1にしてゲームを開始する。
その瞬間、風や土の匂いなどが広がった。
これが最先端のVRゲームか……技術が凄いな。
俺はそう思いながら、周囲を見渡す。
《此方はチュートリアルです》
《まずは実際に歩いて見ましょう》
《その場で足踏みをして下さい》
俺はそのメッセージに従い、その場で足踏みをするとゲーム内で前進した。
《下がる時は逆方向に足踏みして下さい》
《続いて、モンスターとの戦闘です》
そうメッセージが説明すると可愛いウサギが現れる。
《ナイフを所持しています》
《まずはそのナイフでモンスターを倒しましょう》
俺はそのメッセージの通り、ウサギのモンスターを攻撃してーーゾッとした。
ウサギのモンスターは悲鳴を上げ、血を噴き出して、あっけなく倒れた。
そして、その感触や血の臭いは五感を通して、まるで本当に殺したかの様に伝わって来る。
もし、これが自分の身に起こったらと思うと本当にショック死してしまいそうだ。
《次に被弾した際の痛覚を確認しましょう》
そんなメッセージが現れ、俺の二回りは大きいオーガが現れる。
俺は背筋が凍る思いをし、少しでも逃げようと下がろうとする。
ーーが、身体が動かない!
俺はそのオーガの棍棒を喰らい、ゲーム内の腕が折れた。
「ぎゃあああぁぁぁーーっっ!!」
仮想空間とは思えない痛みに絶叫を上げ、俺は思わず、その場にしゃがみ込む。
次の瞬間、オーガの棍棒が俺の頭を捉え、俺は抵抗も出来ずに頭を潰されて死ぬ。
文字通り、頭蓋骨がかち割れる様な痛覚に襲われ、俺は意識を失った。
「ーーじ!糀!」
「ん?」
目を覚ますと両親が心配そうに俺を見下ろしていた。
「大丈夫かい、糀?」
「……母さん」
「帰って来て早々、悲鳴が聞こえたから慌てて駆け付けたが、お前、何をやってたんだ?」
「え?えっと、ゲーム?」
俺は父さんにそう呟いて、ゲーム中に折れた腕を確認する。
当然、仮想空間で起きた事は現実ではないから、現実の俺の腕は無傷だ。
「全く。親を心配させるんじゃないぞ?」
「うん。ごめん、父さん」
俺は父さんに謝るとVRゲームを見る。
ーーこれはかなり、危険なゲームだ。
マトモな精神だと本当にショック死する可能性もある。
正直、予想していたよりも、かなり危険な代物だ。
もしかすると人生が終わるとはショック死による死亡の事かも知れないな。
これをプレイし続けるか、それともやめるか、悩む所である。
俺は上体を起こして両親に笑った。
「心配掛けて、ごめん。もう大丈夫だから」
「本当かい?強がりじゃないのかい?」
「本当に平気だってば。ちょっとゲームで驚いただけだから」
俺はそう言うと立ち上がって両親の前で元気なのをアピールする。
そんな俺を見て、両親も安心したのか、部屋から出て行く。
ーーさて、この危険なゲームは本当にどうしよう?
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