【モテたい、好感度鑑定の覚醒者】あれ?「ネタ魔法」ってバカにしてたよね??最強と気付いたところでもう遅い。

山形 さい

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第一章

男ヒロイン

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「あんた、ギルだろ? あの、試験満点の」

 その男は、銀色の髪をした俺の人生で一番のイケメンであった。
 何々、この人! クソカッケェよ! そんなやつが、俺になんの用があるのだろうか?
 うーん……。って! 俺って、試験満点なの!?

「もう一回言ってもらって良いですか?」

「だから、あんた試験満点の男だろ?」

「はい?」

 男は、俺の腕を掴み「ファンです! それにしても、すごいっすよね! この学園ではじめての満点を達成するなんて……」

 さて? なんの事だろうか?
 俺が満点だとっ!?
 つまり……最終試験満点だったのか!?

「待て待て、その前にお前誰?」

「すみません! 俺の名前は、アウラです! ぜひ、俺と結婚してください……」

 おい、ボソッとやばいこと言いやがったな!?
 一応、好感度鑑定してみるか……。
 って!! 97だとぅお!! 

(なぁ、男で好感度高いとやっぱりあ~なるよな?)

『そうね。あ~ならないはずがないわ! ギルくん、モテモテね!』

 くそぉ~、俺のモテるはこう言うのじゃないのに~!

「って、寝癖付いてるぞ?」

 アウラの髪には、一本ぴょこっと立っていた髪を手でほぐす。

「せっかくの、イケメンが台無しだぞ?」

「カァアー!」

 アウラの顔は、どんどんと真っ赤になっていく。

 あれ? なんか、まずい気が……。

「別に、嬉しくないし」

(なんか、デレてる……)

『よく、私のアドバイスなしで、好感度上げたわね! すごいわ!』

(マジかよ……俺は、ただイケメンの顔が……って言っただけだぞ?)

『つまり、それが一番効果的だったわけよ』

(げっ! マジすか……)

「な、何、こっち見てるんだよ? 照れるだろ?」

 いやいや、女子にやられたら嬉しいけど男子にやられてもなんも嬉しくねぇーよ!
 てか、気持ち悪いよぉおお!

「いや、ごめんよ……それじゃぁ、俺はこれで」
 
 そうだ、こんなことしている場合じゃない!
 俺は、今からシロのところに行かなければ!

 俺は、じゃぁ! と手を振った後に急いで走る。
 追いつかれないように、全力で走る。

「待ってくださいよぉ!」

 えー! なんで、追いつくんだよ!?
 これでも、結構ガチで走ってるよ?

「ど、どうしたんだよ?」

「どうしたんすかっ! そんなに、本気で走ってさ」

「いや……」

『誰かに、相談するのも一つの対処法かもね!』

(だよなぁ……)

 俺は、一度走るのをやめてはぁはぁと息を整える。
 それに気づき、アウラは歩いてこっちに向かってくる。

「いきなり、止まってどうしたんすか?」

「はぁはぁ……それがさ……」

 俺は、幼馴染とひとりの女子共に嫌われたことそして、その原因の女性を名前を伏せて話した。

「はぁっ!? そんなの、ギルさんなんも悪くないじゃないすか!? だから、女は嫌いなんだよ!! どうすかっ? このまま、俺と結婚とかは……」

 さて? こいつは、女が嫌いなのか?

「いやいや、それはむりだ! 俺は、この学園でハーレムするって決めてるからな!」

 つい、勢い余って言ってしまった……。
 こんな、イケメンに知られたら明日には広まりそうだ。
 き、嫌われたか?

「ほぉ! さすが、ギルさんです! 一生ついていきます! でも、女のどこが良いんですか? あんな、ワガママばかりの人間の?」

(だそうです、鑑さん……)

『えっ!? 私のこと!? 別に、私はワガママでもなんでもない! そこら辺にいる、女と同じにしないでちょうだい』

(わかったわかった)

「そうか? 俺的には、そのワガママが可愛いと思う」

「ギルさんがそう言うなら……そうっすね!」

 ちょうどいい、ここはシロと仲直りするのを手伝ってもらおう。

「なぁ、アウラ」

「なんですか、ギルさん!」

「俺と一緒に手伝って欲しい。もちろん、それなりに何かするからさ」

「そ、それは、デートとかですか?」

 ふへへと、アウラは鼻血を垂らしている。

 げっ! マジかよ……。

「デートじゃなくて、友達として一緒に遊ぼう」

「まぁ、いきなりデートもあれですしね」

 あれ? 変な誤解を招いてしまったか? 
 まぁ、今はそう言っておく方が楽だな。

「ああ。そうだ。その代わりになんかあったら、俺の手助けをして欲しい」

「わかりました! ギルさん!」

「ありがとよ」

 こうして、俺に男ヒロインが出来ました。
 
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