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邪竜ヴァリトラ騒動
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時間が刻一刻と経過していく中、レンヌはモニターに張り付いていた。そして、三時間が経とうとした頃、事態は動いた。
「艦長、ヴァリトラが動き始めました」
モニターでは、その動きがよく分からなかった。
「アルテミス1、どっちだ?」
「奥へ進んでいます。ですが、進行速度はかなり遅いです」
再生速度の早さから推測して、全ての体力を再生に注いでいたように思える。だから、逃走に回す体力があまり残っていないのだろう。何にしても、あるていど頭部を再生したら逃走すると予想したレンヌの考えは当たっていたことになる。
たぶん、邪竜ヴァリトラはこれほどまでに深い傷を受けた事が無いのだろう。だから、初めての出来事に恐怖心が芽生えたに違いない。レンヌはそう考えたから、ヴァリトラが早く逃走を始めると思ったのだ。
レンヌの考えは当たっていた。
邪竜ヴァリトラは三千年の長きに渡ってこの惑星に君臨してきた。地中にも地上にもヴァリトラの前に立ち塞がるものはいなかった。
いや、現実にはいるのだ。この惑星で最強である竜王は白壁山脈の頂上からほとんど降りることが無い。だから、遭遇していないだけである。戦えば竜王の敵ではない邪竜ヴァリトラだが、見知らぬ相手に恐怖することはない。
今まで傷一つ負ったことがないヴァリトラだからこそ、未知の攻撃で体の前半分を失ったことを認められなかった。しかし、現実に半分しか残っていない体を認識した時、ヴァリトラの心に恐怖心が芽生えた。
ヴァリトラはすぐにでも逃げ出したかったが、逃げる体力が残っていなかった。それに、逃げたくても逃げることが出来なかった。体の半分を失ったことで多くの生命力も失っていた。一刻も早く、傷口の再生を始めなければ助からない状態だった。先ずは、致命傷を再生して、それから傷を再生しながら体力も回復する。そして、体力が回復したら逃げる。ヴァリトラはそう考えた。
しかし、ヴァリトラの心に宿った恐怖心がそれを許さなかった。体力が回復する前に、恐怖に襲われた心が逃走を選択した。
『逃げなければ』
今のヴァリトラを支配するものは恐怖心だけだった。
「どうやら、逃走してから頭部を再生するつもりみたいだな」
「艦長、どうなさいますか?」
「武器の移動方式は?」
「飛行型です」
「追尾できるか?」
「はい、熱感知式追尾装置を搭載しています」
「分かった。念のためドローンで追跡して、武器が完成したら追尾して討伐しろ」
「艦長。死骸は、学術研究用に持ち帰ってもよろしいですか?」
「許可する」
許可はしたものの、レンヌはふと思った。
『しかし、地中奥深くまで掘り進んだ場所から、あんなに巨大なヴァリトラを運び出せるのか?』
『 邪竜ヴァリトラのことが解決するのは、もはや時間の問題だ』
レンヌは、ヴァリトラの事はアルテミス1に任せて、関係者に状況を説明することにした。最初に冒険者ギルドのトリニスタン支部に向かった。
ギルマスの執務室に案内されたレンヌはギルマスのゴランとサブマスのグレイに 邪竜ヴァリトラの経緯を説明した。
「では、ヴァリトラの問題は、ほぼ解決したと思っていいんだな」
「そういうことです、ギルマス」
「これで安心できますね」
グレイはそう言って、小さく息を吐いた。
「完全に解決したら、また連絡します」
「おう、頼んだぞ」
レンヌは、冒険者ギルドを出てすぐに空を飛んだ。
アルテミス1が新開発した『パーソナルアンチグラビティシステム』を搭載したリュックを背負っている。
一見、ただのリュックだが、防御機構を組み込んであるし、武器も収納してある。ただし、そのぶんだけ荷物は入らない。
ルーベンスと通信機で事前に打ち合わせをして、役場の執務室で会うことになっている。
役場の中に着陸する。役場に入って、受付で名乗ると急に馬鹿丁寧な態度になった。
「レンヌ伯爵、どうぞこちらに」と言われて漸く気づいた。
『そういえば、俺って貴族だった』
自覚を持ってないので、完全に忘れていたレンヌであった。
「レンヌ卿、よくいらっしゃいました」
領都の代官を務めるルーベンスは、いつもの笑顔で出迎えてくれる。
「今日は邪竜ヴァリトラの経緯の報告に来ました」
レンヌはすぐに用件を伝えた。
「わざわざ、ご来訪頂きありがとうございます」
レンヌはソファーに案内されて、ルーベンスが自ら淹れてくれたお茶を頂く。
「美味しいお茶ですね」
レンヌはお世辞ではなく、本心でそう思った。茶葉の違いが分かるほど人生経験を積んでいないが、自分の味覚に合うものくらいは分かる。ルーベンスは大層お茶が好きなようで自分で茶葉をブレンドしているようだ。
『そうだ、今度お茶に合うケーキを持ってきてあげよう。エルフの里でも好評だったし、きっと喜んでくれるだろう』
そう思いながら、レンヌは拠点に帰った。
「アルテミス1、明日は王都のアイシス伯爵に会ってヴァリトラの経緯を説明するから、手土産にケーキでも頼む」
「お任せください、艦長。出発予定時間を教えてください。それに合わせて焼き上げます」
レンヌは通信機でアイシスに連絡して面会予約を取った。
「明日の10時頃だ」
「了解しました」
アルテミス1が作ったケーキを持って飛空艇で王都に着いた。アイシス邸の玄関前に着陸する。玄関前まで出迎えてくれたアイシス夫妻と挨拶を交わして屋敷に入った。玄関に入った所で、レンヌはアイシスの妻アイリーンにケーキの紙箱を渡した。レンヌは応接室に案内されてソファーに腰を下ろす。
お茶のカップが並べられ、すぐにレンヌが持ってきたケーキが出された。
「こういうお菓子は見たことが無いわ」
アイリーンは、じっくりとケーキを眺めている。
「これはレンヌが作ったのか?」
と言いながらアイシスがケーキを口に運ぶ。
「俺が作ったんじゃないが、俺のところで作ったのは間違いないよ」
「うん、旨い。こんなに甘い物は初めて食べた」
「う~ん! 美味しいです。私、これ大好きです」
「気に入って貰えて嬉しいよ。また、機会があれば持ってくる」
「是非! お願いします」
「うん、俺からも頼む」
「まあ、そうなの。邪竜ヴァリトラなんて伝説上の生き物かと思っていたわ」
「レンヌ、ヴァリトラを討伐したら魔石を回収するのを忘れるなよ」
「魔石か、今まで回収したこと無かったけど」
「それは、お前が魔物を消滅させるからだ」
『俺だって、別に好きで消滅させてる訳じゃない。切羽詰まって仕方なくやってるんだ』
レンヌは内心で反論したが口には出さなかった。
「そういや、そうだけど。魔石って、そんなに重要なのか?」
「レンヌ卿、魔石の大きい物は国宝になりますのよ」
「国宝! ですか? それじゃあ、邪竜ヴァリトラの魔石も?」
「可能性は高いだろうな」
国宝と聞いて、流石のレンヌも興味を持った。でも、それだと国に献上するように言われるのだろうか。タダで持っていかれたら嫌だなとも思った。しかし、回収していない魔石のことを考えても仕方ないと思考を切り替える。
「そういえば、レンヌ。ミュウレ帝国から使者が来るのを知ってるか?」
「ミュウレ帝国って、どこだっけ?」
「お前なあ、自分の領地が接する国の名前くらい覚えておけよ」
「白壁山脈の西側にある大国ですわ」
レンヌは国土院の調査官から聞いた情報を思い出す。
『ああ、更地になった三割をタダで持っていく国か』
と言っても、もともとミュウレ帝国の国土なので、レンヌの言い分は言いがかりに近い。
「お前が山二つを消し飛ばしたから道が繋がったんだよ」
「そうなると、交易をする事になった場合、商隊がレンヌ卿の領地を通ることになりますのよ」
「距離的に言ってレンヌの領都で一泊することになる」
「なら、商隊や旅行者のための宿が必要になるか」
「そうだよ、レンヌ。分かってるじゃないか」
「それで、ミュウレ帝国の使者はすぐ来るのか?」
「いや、使者が来るのは、まだ当分先になる。来たのは先触れだけだ」
何にしろ、今の話を聞けば遅かれ早かれ交易が開かれるのだろう。そうなる前に領都を移転した方がいいとレンヌは判断した。
「艦長、ヴァリトラが動き始めました」
モニターでは、その動きがよく分からなかった。
「アルテミス1、どっちだ?」
「奥へ進んでいます。ですが、進行速度はかなり遅いです」
再生速度の早さから推測して、全ての体力を再生に注いでいたように思える。だから、逃走に回す体力があまり残っていないのだろう。何にしても、あるていど頭部を再生したら逃走すると予想したレンヌの考えは当たっていたことになる。
たぶん、邪竜ヴァリトラはこれほどまでに深い傷を受けた事が無いのだろう。だから、初めての出来事に恐怖心が芽生えたに違いない。レンヌはそう考えたから、ヴァリトラが早く逃走を始めると思ったのだ。
レンヌの考えは当たっていた。
邪竜ヴァリトラは三千年の長きに渡ってこの惑星に君臨してきた。地中にも地上にもヴァリトラの前に立ち塞がるものはいなかった。
いや、現実にはいるのだ。この惑星で最強である竜王は白壁山脈の頂上からほとんど降りることが無い。だから、遭遇していないだけである。戦えば竜王の敵ではない邪竜ヴァリトラだが、見知らぬ相手に恐怖することはない。
今まで傷一つ負ったことがないヴァリトラだからこそ、未知の攻撃で体の前半分を失ったことを認められなかった。しかし、現実に半分しか残っていない体を認識した時、ヴァリトラの心に恐怖心が芽生えた。
ヴァリトラはすぐにでも逃げ出したかったが、逃げる体力が残っていなかった。それに、逃げたくても逃げることが出来なかった。体の半分を失ったことで多くの生命力も失っていた。一刻も早く、傷口の再生を始めなければ助からない状態だった。先ずは、致命傷を再生して、それから傷を再生しながら体力も回復する。そして、体力が回復したら逃げる。ヴァリトラはそう考えた。
しかし、ヴァリトラの心に宿った恐怖心がそれを許さなかった。体力が回復する前に、恐怖に襲われた心が逃走を選択した。
『逃げなければ』
今のヴァリトラを支配するものは恐怖心だけだった。
「どうやら、逃走してから頭部を再生するつもりみたいだな」
「艦長、どうなさいますか?」
「武器の移動方式は?」
「飛行型です」
「追尾できるか?」
「はい、熱感知式追尾装置を搭載しています」
「分かった。念のためドローンで追跡して、武器が完成したら追尾して討伐しろ」
「艦長。死骸は、学術研究用に持ち帰ってもよろしいですか?」
「許可する」
許可はしたものの、レンヌはふと思った。
『しかし、地中奥深くまで掘り進んだ場所から、あんなに巨大なヴァリトラを運び出せるのか?』
『 邪竜ヴァリトラのことが解決するのは、もはや時間の問題だ』
レンヌは、ヴァリトラの事はアルテミス1に任せて、関係者に状況を説明することにした。最初に冒険者ギルドのトリニスタン支部に向かった。
ギルマスの執務室に案内されたレンヌはギルマスのゴランとサブマスのグレイに 邪竜ヴァリトラの経緯を説明した。
「では、ヴァリトラの問題は、ほぼ解決したと思っていいんだな」
「そういうことです、ギルマス」
「これで安心できますね」
グレイはそう言って、小さく息を吐いた。
「完全に解決したら、また連絡します」
「おう、頼んだぞ」
レンヌは、冒険者ギルドを出てすぐに空を飛んだ。
アルテミス1が新開発した『パーソナルアンチグラビティシステム』を搭載したリュックを背負っている。
一見、ただのリュックだが、防御機構を組み込んであるし、武器も収納してある。ただし、そのぶんだけ荷物は入らない。
ルーベンスと通信機で事前に打ち合わせをして、役場の執務室で会うことになっている。
役場の中に着陸する。役場に入って、受付で名乗ると急に馬鹿丁寧な態度になった。
「レンヌ伯爵、どうぞこちらに」と言われて漸く気づいた。
『そういえば、俺って貴族だった』
自覚を持ってないので、完全に忘れていたレンヌであった。
「レンヌ卿、よくいらっしゃいました」
領都の代官を務めるルーベンスは、いつもの笑顔で出迎えてくれる。
「今日は邪竜ヴァリトラの経緯の報告に来ました」
レンヌはすぐに用件を伝えた。
「わざわざ、ご来訪頂きありがとうございます」
レンヌはソファーに案内されて、ルーベンスが自ら淹れてくれたお茶を頂く。
「美味しいお茶ですね」
レンヌはお世辞ではなく、本心でそう思った。茶葉の違いが分かるほど人生経験を積んでいないが、自分の味覚に合うものくらいは分かる。ルーベンスは大層お茶が好きなようで自分で茶葉をブレンドしているようだ。
『そうだ、今度お茶に合うケーキを持ってきてあげよう。エルフの里でも好評だったし、きっと喜んでくれるだろう』
そう思いながら、レンヌは拠点に帰った。
「アルテミス1、明日は王都のアイシス伯爵に会ってヴァリトラの経緯を説明するから、手土産にケーキでも頼む」
「お任せください、艦長。出発予定時間を教えてください。それに合わせて焼き上げます」
レンヌは通信機でアイシスに連絡して面会予約を取った。
「明日の10時頃だ」
「了解しました」
アルテミス1が作ったケーキを持って飛空艇で王都に着いた。アイシス邸の玄関前に着陸する。玄関前まで出迎えてくれたアイシス夫妻と挨拶を交わして屋敷に入った。玄関に入った所で、レンヌはアイシスの妻アイリーンにケーキの紙箱を渡した。レンヌは応接室に案内されてソファーに腰を下ろす。
お茶のカップが並べられ、すぐにレンヌが持ってきたケーキが出された。
「こういうお菓子は見たことが無いわ」
アイリーンは、じっくりとケーキを眺めている。
「これはレンヌが作ったのか?」
と言いながらアイシスがケーキを口に運ぶ。
「俺が作ったんじゃないが、俺のところで作ったのは間違いないよ」
「うん、旨い。こんなに甘い物は初めて食べた」
「う~ん! 美味しいです。私、これ大好きです」
「気に入って貰えて嬉しいよ。また、機会があれば持ってくる」
「是非! お願いします」
「うん、俺からも頼む」
「まあ、そうなの。邪竜ヴァリトラなんて伝説上の生き物かと思っていたわ」
「レンヌ、ヴァリトラを討伐したら魔石を回収するのを忘れるなよ」
「魔石か、今まで回収したこと無かったけど」
「それは、お前が魔物を消滅させるからだ」
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レンヌは内心で反論したが口には出さなかった。
「そういや、そうだけど。魔石って、そんなに重要なのか?」
「レンヌ卿、魔石の大きい物は国宝になりますのよ」
「国宝! ですか? それじゃあ、邪竜ヴァリトラの魔石も?」
「可能性は高いだろうな」
国宝と聞いて、流石のレンヌも興味を持った。でも、それだと国に献上するように言われるのだろうか。タダで持っていかれたら嫌だなとも思った。しかし、回収していない魔石のことを考えても仕方ないと思考を切り替える。
「そういえば、レンヌ。ミュウレ帝国から使者が来るのを知ってるか?」
「ミュウレ帝国って、どこだっけ?」
「お前なあ、自分の領地が接する国の名前くらい覚えておけよ」
「白壁山脈の西側にある大国ですわ」
レンヌは国土院の調査官から聞いた情報を思い出す。
『ああ、更地になった三割をタダで持っていく国か』
と言っても、もともとミュウレ帝国の国土なので、レンヌの言い分は言いがかりに近い。
「お前が山二つを消し飛ばしたから道が繋がったんだよ」
「そうなると、交易をする事になった場合、商隊がレンヌ卿の領地を通ることになりますのよ」
「距離的に言ってレンヌの領都で一泊することになる」
「なら、商隊や旅行者のための宿が必要になるか」
「そうだよ、レンヌ。分かってるじゃないか」
「それで、ミュウレ帝国の使者はすぐ来るのか?」
「いや、使者が来るのは、まだ当分先になる。来たのは先触れだけだ」
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