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経済圏
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大規模事業計画が始まって二ヶ月が経過しても、レンヌの忙しさは変わらない。
レンヌは中央タワーの指令室で、アルテミス1が製作した大陸図を見ていた。この惑星の70%は海洋で、残りの30%が大陸だ。東西に長い大陸は西方地域、西中央地域、東中央地域、東方地域の四つに分かれていた。
南北に長く連なる白壁山脈を境にして東側が東方地域である。北部にあるメース王国、中央部にロワール王国、南部にはリール王国が位置している。
その三ヶ国がひとつの経済圏を構築すると正式に発表した。きっかけは三ヶ国の国営銀行が発行した兌換銀行券である。
兌換銀行券とは、この券を銀行に持ってくれば何時でも金貨と交換する事を国が保証したものである。
偽物が出ることを懸念した各国は、偽造した者は無期の鉱山奴隷とした。しかも恩赦無しという厳しさである。一生、鉱山で重労働をするのである。
三ヶ国で現在流通しているのは金属貨幣である。所謂、金貨とか銀貨等の通貨の事だ。
金や銀等の希少金属を実際に流通させる現在の制度では、とうぜん現物が必要になる。現物が無ければ貨幣を発行する事ができないのだ。
貨幣の流通不足が起きれば経済が停滞する。それは国としては許容できないものだ。
自国に山岳地帯が少ないリール王国は、鉱山も少ないので西隣のタルマニア王国から希少金属を買っていた。とうぜん、購入費用がかかる分だけ、貨幣発行の経費負担も大きくなる。
リール王国の宰相フロスから相談を受けたレンヌは、兌換銀貨券の話をした。この兌換銀行券の話はすぐに、他の二国の宰相と共有された。
そこで、レンヌは三国共通の兌換銀行券の発行を提案した。国毎に違う通貨を発行すれば両替の手間と手数料が発生する。その無駄を省きたかったのだ。
リール王国のフロスを中心に、三国は兌換銀行券の計画を進めた。もちろん、兌換銀行券の印刷はレンヌに頼るしかない。
レンヌは印刷局を各国の国営銀行の側に設置して国に印刷機の管理をさせた。
各国の印刷機にコンピューターを搭載してグリーンウッドにあるメインコンピューターにリンクさせた。それは、通し番号の間違いを無くすためだった。 更に、三ヶ国の希少金属を共有して保管することによって、三国の兌換銀行券の信用力を高めた。
三ヶ国の国民の所得は急増し、生活水準も上がる。レンヌが興した事業により、三ヶ国では人手不足が起こった。
そこで、レンヌは三ヶ国の王家と相談して、国家以外の『奴隷所有禁止』を制定してもらった。更に、レンヌと三ヶ国の資金を使って、全ての奴隷を買い取った。当然ながら犯罪奴隷は、軽微な者だけを対象にした。
三ヶ国で五万人を超える奴隷が解放されて、グリーンウッドの領民に登録された。 グリーンウッドの領民は無料の住居が与えられ、学問や仕事の斡旋を受けられる。この政策は人手不足の解消に役立ったが、それでもまだ人手は不足していた。
国民所得の増加と生活水準の上昇により、生活そのものにユトリが生まれた。 人々は明るい将来を期待して前向きな日々を過ごした。その結果、三ヶ国では妊婦が爆発的に増加した。
この惑星の出産時における赤ちゃんの死亡率の高さを聞いたレンヌは、メディカルセンターに産婦人科を併設して赤ちゃん用の医療ポッドを増産した。
一年もしない内に、ベビーラッシュが起こると誰もが予想した。だが、これがこの惑星における『第一次ベビーブーム』の到来、となることをレンヌはまだ知らない。
三ヶ国中で、人々が幸福感に浸っていた頃、二人の男が激怒していた。エイベル侯爵とロワール王国の王太子オスカーである。いつもの秘密部屋で会っていた二人はメース王国の西部辺境伯爵が起こす予定だった反乱について話していた。
「金貨十万枚が無駄金になりました」
エイベルは嘆き、そして吐き出すように言った言葉に対してオスカーは言った。
「そんなに渡していたのか?」
「一刻も早く反乱を起こさせようと言われるままに金を渡した結果です」
「俺の為に考えてくれた計画の結末なので、侯爵には済まないと思っている」
「いえ、王太子殿下のせいでは有りません。これと言うのも全ては、あのレンヌのせいです」
「しかし、これで王太子としての、俺の評価が上がる事も無くなった」
「全く口惜しいことです」
「金のことよりも王太子のお役に立てなかった。その事の方が悔しくてなりません」
外孫のオスカーが国王になれば、エイベルが手にする利権の収益は莫大なものになる。
エイベル侯爵はメース王国の西部辺境伯爵に反乱を起こさせて、それを利用してオスカーに反乱鎮圧の功績を上げさせようと画策したのだ。
そのために、西部辺境伯爵に貴族の取り込みと傭兵の雇用資金として金貨十万枚を秘密裏に渡していた。
ところが、レンヌが行った大規模事業計画により、メース王国では空前絶後の好景気となった。その結果、この大規模事業計画を推進したマリー女王は、国民から絶大な支持を受ける。これほど国民からの支持を受けた女王に対して、反乱を起こしても国民の理解を得られない。
西部辺境伯爵は「時期悪し」と一言呟いて、反乱計画を諦めたが金は返さなかった。
エイベルは返金を求めて何度も使者を送ったが全て門前払いにされた。やましい金の事だけに表立って返金請求もできず、エイベル侯爵は泣き寝入りするしか無かった。
王太子が帰った後、いつものエイベル侯爵家の秘密の部屋では、ガラスのグラスが割れる音が響いた。今まで、悪の限りを尽くして財産を作ったエイベルでも、流石に金貨十万枚の損切りはかなりの痛手になった。
レンヌと三ヶ国の宰相が主体となっている為に、流石のエイベル侯爵も利権絡む事が出来なかった。
結局、反乱計画はメース王国の西部辺境伯爵だけが大儲けし、エイベル侯爵が大損して終わった。
「俺のせいで結婚式が延期になって済まない」
レンヌは中央タワーの最上階にある居宅でアニエスとイネスに謝罪した。
「いいのですよ。レンヌ様のせいでは有りません」
「その通りです、レンヌ殿。人々の幸せの為に行った事ですから謝らないでください」
「そう言って貰えると心のつかえが取れる」とレンヌは二人に感謝した。
「ところで、レンヌ様にお願いがあります」
アニエスが切り出し、イネスが言葉を繋ぐ。
「これはアニエスとも話し合ったことなのですが、レンヌ殿には側室を娶って頂きたいのです」
レンヌは驚きのあまり、含んだコーヒーを飲み込めずに口から溢した。
「レンヌ様」
「レンヌ殿」
二人は慌てて、濡れた服を布で拭く。
「二人との結婚式も挙げてないのに、側室を貰えと言われても返事のしようがない」
「レンヌ様に、お伝えしなくてはいけない事があります」
「改まって、どうした。アニエス」
「私たちエルフ族は長命種と言われる種族なのです」
「それは知っている。最長老のネメシス様は千歳を超えていると聞いているからな」
「私もイネスも寿命が長い分だけ、子供が出来にくいのです」
「これはエルフ族特有のものなので、私とアニエスだけで例外になる事は無いでしょう」
「ですから、私たちからのお願いです。人族の女性を側室に迎えて子供を作ってください」
アニエスとイネスが二人揃って頭を下げた。
「二人とも頭を上げてくれ。確かに、俺は子供が大好きだ。だけど、全く授からない訳では無いのだろう?」
「ええ、それは有りません。妊娠しにくいだけです。そうでなければエルフ族は滅んでしまいますから」
「ただ、三百歳を超えると妊娠の確率が極端に下がるのです」
「二人とも三百歳を超えているの?」
「いえ、まだです」
「ならば、焦る必要は無い。万が一、出来なくても俺にはステラやアンジュたちがいるから」
「そうですよ、お二方。艦長が父親代わり、私が母親代わりです」
アルテミス1が二人を慰めようとしている。
「ありがとう、アルテミス1。そして、レンヌ」
アニエスが元気よく言い、イネスが笑顔を作って言う。
「成るように成れ! だわ」
レンヌは中央タワーの指令室で、アルテミス1が製作した大陸図を見ていた。この惑星の70%は海洋で、残りの30%が大陸だ。東西に長い大陸は西方地域、西中央地域、東中央地域、東方地域の四つに分かれていた。
南北に長く連なる白壁山脈を境にして東側が東方地域である。北部にあるメース王国、中央部にロワール王国、南部にはリール王国が位置している。
その三ヶ国がひとつの経済圏を構築すると正式に発表した。きっかけは三ヶ国の国営銀行が発行した兌換銀行券である。
兌換銀行券とは、この券を銀行に持ってくれば何時でも金貨と交換する事を国が保証したものである。
偽物が出ることを懸念した各国は、偽造した者は無期の鉱山奴隷とした。しかも恩赦無しという厳しさである。一生、鉱山で重労働をするのである。
三ヶ国で現在流通しているのは金属貨幣である。所謂、金貨とか銀貨等の通貨の事だ。
金や銀等の希少金属を実際に流通させる現在の制度では、とうぜん現物が必要になる。現物が無ければ貨幣を発行する事ができないのだ。
貨幣の流通不足が起きれば経済が停滞する。それは国としては許容できないものだ。
自国に山岳地帯が少ないリール王国は、鉱山も少ないので西隣のタルマニア王国から希少金属を買っていた。とうぜん、購入費用がかかる分だけ、貨幣発行の経費負担も大きくなる。
リール王国の宰相フロスから相談を受けたレンヌは、兌換銀貨券の話をした。この兌換銀行券の話はすぐに、他の二国の宰相と共有された。
そこで、レンヌは三国共通の兌換銀行券の発行を提案した。国毎に違う通貨を発行すれば両替の手間と手数料が発生する。その無駄を省きたかったのだ。
リール王国のフロスを中心に、三国は兌換銀行券の計画を進めた。もちろん、兌換銀行券の印刷はレンヌに頼るしかない。
レンヌは印刷局を各国の国営銀行の側に設置して国に印刷機の管理をさせた。
各国の印刷機にコンピューターを搭載してグリーンウッドにあるメインコンピューターにリンクさせた。それは、通し番号の間違いを無くすためだった。 更に、三ヶ国の希少金属を共有して保管することによって、三国の兌換銀行券の信用力を高めた。
三ヶ国の国民の所得は急増し、生活水準も上がる。レンヌが興した事業により、三ヶ国では人手不足が起こった。
そこで、レンヌは三ヶ国の王家と相談して、国家以外の『奴隷所有禁止』を制定してもらった。更に、レンヌと三ヶ国の資金を使って、全ての奴隷を買い取った。当然ながら犯罪奴隷は、軽微な者だけを対象にした。
三ヶ国で五万人を超える奴隷が解放されて、グリーンウッドの領民に登録された。 グリーンウッドの領民は無料の住居が与えられ、学問や仕事の斡旋を受けられる。この政策は人手不足の解消に役立ったが、それでもまだ人手は不足していた。
国民所得の増加と生活水準の上昇により、生活そのものにユトリが生まれた。 人々は明るい将来を期待して前向きな日々を過ごした。その結果、三ヶ国では妊婦が爆発的に増加した。
この惑星の出産時における赤ちゃんの死亡率の高さを聞いたレンヌは、メディカルセンターに産婦人科を併設して赤ちゃん用の医療ポッドを増産した。
一年もしない内に、ベビーラッシュが起こると誰もが予想した。だが、これがこの惑星における『第一次ベビーブーム』の到来、となることをレンヌはまだ知らない。
三ヶ国中で、人々が幸福感に浸っていた頃、二人の男が激怒していた。エイベル侯爵とロワール王国の王太子オスカーである。いつもの秘密部屋で会っていた二人はメース王国の西部辺境伯爵が起こす予定だった反乱について話していた。
「金貨十万枚が無駄金になりました」
エイベルは嘆き、そして吐き出すように言った言葉に対してオスカーは言った。
「そんなに渡していたのか?」
「一刻も早く反乱を起こさせようと言われるままに金を渡した結果です」
「俺の為に考えてくれた計画の結末なので、侯爵には済まないと思っている」
「いえ、王太子殿下のせいでは有りません。これと言うのも全ては、あのレンヌのせいです」
「しかし、これで王太子としての、俺の評価が上がる事も無くなった」
「全く口惜しいことです」
「金のことよりも王太子のお役に立てなかった。その事の方が悔しくてなりません」
外孫のオスカーが国王になれば、エイベルが手にする利権の収益は莫大なものになる。
エイベル侯爵はメース王国の西部辺境伯爵に反乱を起こさせて、それを利用してオスカーに反乱鎮圧の功績を上げさせようと画策したのだ。
そのために、西部辺境伯爵に貴族の取り込みと傭兵の雇用資金として金貨十万枚を秘密裏に渡していた。
ところが、レンヌが行った大規模事業計画により、メース王国では空前絶後の好景気となった。その結果、この大規模事業計画を推進したマリー女王は、国民から絶大な支持を受ける。これほど国民からの支持を受けた女王に対して、反乱を起こしても国民の理解を得られない。
西部辺境伯爵は「時期悪し」と一言呟いて、反乱計画を諦めたが金は返さなかった。
エイベルは返金を求めて何度も使者を送ったが全て門前払いにされた。やましい金の事だけに表立って返金請求もできず、エイベル侯爵は泣き寝入りするしか無かった。
王太子が帰った後、いつものエイベル侯爵家の秘密の部屋では、ガラスのグラスが割れる音が響いた。今まで、悪の限りを尽くして財産を作ったエイベルでも、流石に金貨十万枚の損切りはかなりの痛手になった。
レンヌと三ヶ国の宰相が主体となっている為に、流石のエイベル侯爵も利権絡む事が出来なかった。
結局、反乱計画はメース王国の西部辺境伯爵だけが大儲けし、エイベル侯爵が大損して終わった。
「俺のせいで結婚式が延期になって済まない」
レンヌは中央タワーの最上階にある居宅でアニエスとイネスに謝罪した。
「いいのですよ。レンヌ様のせいでは有りません」
「その通りです、レンヌ殿。人々の幸せの為に行った事ですから謝らないでください」
「そう言って貰えると心のつかえが取れる」とレンヌは二人に感謝した。
「ところで、レンヌ様にお願いがあります」
アニエスが切り出し、イネスが言葉を繋ぐ。
「これはアニエスとも話し合ったことなのですが、レンヌ殿には側室を娶って頂きたいのです」
レンヌは驚きのあまり、含んだコーヒーを飲み込めずに口から溢した。
「レンヌ様」
「レンヌ殿」
二人は慌てて、濡れた服を布で拭く。
「二人との結婚式も挙げてないのに、側室を貰えと言われても返事のしようがない」
「レンヌ様に、お伝えしなくてはいけない事があります」
「改まって、どうした。アニエス」
「私たちエルフ族は長命種と言われる種族なのです」
「それは知っている。最長老のネメシス様は千歳を超えていると聞いているからな」
「私もイネスも寿命が長い分だけ、子供が出来にくいのです」
「これはエルフ族特有のものなので、私とアニエスだけで例外になる事は無いでしょう」
「ですから、私たちからのお願いです。人族の女性を側室に迎えて子供を作ってください」
アニエスとイネスが二人揃って頭を下げた。
「二人とも頭を上げてくれ。確かに、俺は子供が大好きだ。だけど、全く授からない訳では無いのだろう?」
「ええ、それは有りません。妊娠しにくいだけです。そうでなければエルフ族は滅んでしまいますから」
「ただ、三百歳を超えると妊娠の確率が極端に下がるのです」
「二人とも三百歳を超えているの?」
「いえ、まだです」
「ならば、焦る必要は無い。万が一、出来なくても俺にはステラやアンジュたちがいるから」
「そうですよ、お二方。艦長が父親代わり、私が母親代わりです」
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