王女様は聖女様?いいえ、実は女神です(こっそり)~転生王女は可愛いもふもふと愛するドラゴンを守るため最強の仲間と一緒に冒険の旅に出る~

しましまにゃんこ

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第1章 はじまりの準備

17 魔法のプレゼント!

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 ◇◇◇

「よし、じゃあここに畑を作るぞ!」

 ティアラ達は子ども達を連れて、孤児院のすぐ裏手にある庭に移動してきた。長年使われることのなかった庭には雑草が生い茂っており、石や瓦礫も散乱している。

「王子様、ぼく達瓦礫を取り除くお手伝いをしましょうか?」

 男の子たちが一斉に声を上げたが、

「皆ありがとう。でも、ちょっとした実験をしてみたいんだ。いいかな?」

「実験ですか?」

 子ども達の不思議そうな声に、アデルはニヤリと笑って答える。

「魔法を使って畑を作るぞ!見てろよ?」

 言うなり手に魔力を込め、先日と同じようなゴーレムを3体生み出した。

「石や瓦礫を撤去しろ」

 ゴーレム達は命令を聞くなり、無駄のない様子でキビキビと動き出す。瞬く間に整備されていく畑を見て、子ども達は目を丸くした。

「すごい!あれが魔法……」

「ゴーレムすごーい!」

「かっこいい!」

 パチパチと手を叩いて喜ぶ子ども達の反応を見てアデルが胸を張る。

「さすがアデルだな。もう3体も同時に動かしているのか!」

 カミールも驚いた様子で眺めている。

「アデルお兄様凄い!」

 純粋に喜ぶ子ども達を見て、ティアラも嬉しそうだ。畑の周りがある程度綺麗になったところで、今度は固くなった土を耕していく。アデルが土に直接魔力を流し込むと土の表面が盛り上がり、下から柔らかな土が顔を出した。

「うん、いい土だな。後は肥料をたっぷり与えて土に栄養を与えよう」

 次は、畑全体に種と一緒に持ってきた肥料をたっぷりと混ぜ込んでいく。固そうな土が見るからにふかふかの良い土に生まれ変わった。柔らかくなった土に、せっせとゴーレムたちがうねを作っていく。

「こんなもんかな。じゃあ、子ども達、ここに種を植えてみてくれ」

 小さな子ども達が種を手にとり、ひとつひとつ慎重に植えていくのが見ていて微笑ましい。種を全部撒き終えると、

「早く芽がでないかなぁー!」

「ティアラ様達と一緒に食べたいなぁ」

 と、ワクワクした表情で見守っている。

「よし、じゃあ次は水をやろう!」

 カミールが美しい精霊を作り出すと、精霊は右手を優雅に振り、畑全体に柔らかい雨を降らせた。

「わ!わぁーーーーー!精霊さん!精霊さんだっ!」

「えっ!?精霊って、本当にいたんだ……」

 カミールは、大はしゃぎする小さな子ども達と、絶句する大きな子ども達の反応にくすりと笑う。

「実はね、私もつい最近、初めて妖精や聖霊をみたんだよ?」

 子ども達は優雅に水を撒く水の精霊や、忙しく動き回るゴーレム達を、目をキラキラさせながら一生懸命眺めている。パタパタと揺れる尻尾が可愛い。ティアラは触りたくてウズウズしていた。

「さぁ、仕上げはティアラの番だよ?」

「ティアラ、できるか?」

 カミールとアデルに促され今度はティアラが胸を張る。

「今から畑に魔法をかけるよーーー!!!」

 すると、先ほどまでカミールとアデルの魔法にワクワクしていた子供たちが一斉に心配の声を上げる。

「ティアラ様が魔法を使うの?」

「ひめしゃまだいじょぶ?」

(あらら、信用ないなあ)

 ティアラが内心苦笑していると、以前手を握って心配してくれていた、狼獣人の男の子が進み出てきた。

「あの、また、倒れたりしませんか?」

(そうか!前きたときは魔法を使ってすぐに倒れちゃったもんね)

「えっと、カールだったよね?あのときは心配かけてごめんね。あれからきちんと魔法の特訓をしたから、色々な魔法が沢山使えるようになったんだよ」

 そういうと、カールはほっとした表情を浮かべた。

「でも、無理はしないで下さいね?」

 そう言って下がろうとしたが、

「カールだけ姫様に名前呼んで貰ってずるい!」

「俺も!俺も名前で呼んで下さい!」

 と、子供たちが別のことで騒ぎ出した。

「うふふ、ごめんね!大丈夫!カールだけじゃなくて、ちゃんと、皆の名前覚えるよ!」

「絶対ですよ!」

「やくそく!」

 色々な色や形の尻尾が、一斉にブンブン揺れているのが本当に可愛くてティアラは思わずじゃれついてしまう。

「もふもふ!もふもふ!」

 きゃーっと追いかけっこが始まってしまったので、カミールがコホン、とせき払いをすると、ティアラは慌てて魔法を発動した。

「大きくなぁれぇー!」

 ティアラからキラキラと虹色の魔力が溢れ出す。種からぽんっと芽が出たかと思うと、一斉に花が咲き、見る見るうちに色とりどりの美味しそうな野菜がなった。

「わ、わぁー!ティアラ様、凄い!」

「ひめしゃましゅごいしゅごい!」

 子ども達は大興奮している。

 満足そうに胸を張るティアラだったが、

「こっ、これは!」

 驚いたような声にふと振り返ると、そこにはシスター達と一緒に、豪華な白いローブを纏うひとりの青年が立っていた。

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