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888字でミステリ
# サーティーン・バディ
しおりを挟む卒業式で答辞を読むミキ先輩が、突然壇上から逃げ出した。
急に下痢だなんて、そんなのどう考えてもおかしい!
「これは事件だよ、アサ」
「うん、探ってみよう、リク」
新聞部のアサと写真部のリク。
私達、中学校ではちょっと知られた探偵コンビ。
運動部顧問のパワハラも暴いた事がある。
私達がその記事を書いた時、先輩は生徒会長として新聞部と写真部を守ってくれた。
毅然と大人に意見した先輩は、生徒達からは勿論、教員達からも一目置かれていた。
こんなふうに学校を去るような人じゃない。
「聞き込みによると、先輩は式の前に校長室でお茶を飲んだみたいだよ。
怪しい物はそれしか口にしていない」
「とすると犯人は校長?」
「お茶を淹れた人物も可能性があるね」
調べてみるとお茶を淹れたのは事務員の狭山さん。
お茶は校長先生から頼まれて淹れたらしい。
私達は早速、校長先生と狭山さんについて聞き込みをし、張り込んだ。
下剤の物的証拠が掴めないかとゴミ箱や給湯室、焼却炉も探ってみた。
それでわかったことは、二人が不倫関係にあるという事だった。
「この写真完璧アウトだね」
「とするとこれは二人の共謀?」
「アサ、先輩はもしかして、この事知ってたんじゃないかな」
「あり得るよ、リク!」
私達は調べた情報を持って先輩を訪ねた。
先輩は写真を見ると、当日読むはずだった答辞の原稿を見せてくれた。
そこには、校長先生と狭山さんが共謀して学校のお金を使い込んでいるという告発が書かれていた。
曲がった事が許せない先輩には見過ごせなかったんだろう。
でもやり方がストレートすぎる。
「後は私達に任せて貰えますか?」
「二人共、何する気なの?」
「先輩の仇は私達が取ります」
私達は徹夜して新聞を作り、朝一番で校舎に張り出した。
事件のあらましと不倫写真、読まれなかった先輩の答辞を全文掲載した。
当然、学校中大騒ぎ!
その結果、校長先生と狭山さんは揃って学校にはいられなくなった。
ざまあみろ。
真新しい高校の制服を着たミキ先輩。
その顔は晴れやかだ。
「二人が無茶しないか心配したよ。でもありがとう」
「ずるい大人達には、絶対負けたくありませんから!」
「私達、最強バディなんで!」
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