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side未優
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保険医の町田が出ていってからそれほど間を置かず保健室のドアがノックされた。一気に緊張が増しす。挨拶もしていないクラスメイトの誰が挨拶に来たのだろう?
「はい、どうぞ」
ドアをくぐって入ってきたのは、180センチを越す身長で、この学校のモテる男子の5本の指に入る関根くんと僕の片思いの相手である、その相棒の朝比奈くんだった。
ベリーショートで、ツーブロックにしていて目力が強くて強面なのにモテる関根くんと、ショートで襟足をすっきりさせたツーブロックで、二重の切れ長な涼しげな目をもつ朝比奈くんのコンビは、この聖高峰学園での有名人だ。
まさかそんな2人をこんな近くで接するなんてビックリがすぎて、急いで薬を吸引した。
「だ、大丈夫か?橘……」
吸引器を口に咥えたまま朝比奈くんの言葉に返事の代わりに首を縦に振った。
「ご、ごめんなさい。大丈夫です」
「なら良いけど、無理はするなよ?」
「橘、これから1年、保健委員の関根だ。ヨロシクな」
「こちらこそヨロシクお願いします」
立ち上がって関根くんにお辞儀をした。
なるべく2人と目線を合わせないように168センチの僕と180センチを越す身長差を利用して、喉仏を見るようにして会話を続けた。
もう、心臓のドキドキが止まらない。
不自然な態度をしていないか、気になって仕方がない。
間が持たない、どうしたら良いんだろう。
「橘は寮生だろ?よかったら一緒に帰るか?」
「えっ!」
「なんか予定あったか?」
「いや、えっと」
関根くんの誘いに返答に困っていると、何故だか不機嫌な朝比奈くんがいる。どうしたら良いんだろう?
「未優~!やっぱりまだここにいたね。聞いてよ~、僕、体育祭、文化祭委員になっちゃったよ~」
そんな空気を破るように、いきなりの真紀の登場だった。
抱きついてきた真紀の背中を撫でて落ち着くように優しくトントンと叩いた。
「未優~。僕悔しい~」
「それ、俺もなったぞ」
「「えっ」」
朝比奈くんの言葉で僕を真紀の声がハモってしまった。
「あれ、有名人の2人がここで何をしているの?」
「有名人?」
関根くんの眉間が少し寄っている。
「それは俺たちのことか?」
朝比奈くんも真紀の言葉に反応をした。
「もちろんだよ。硬派なモテ男、さわやかなモテ男で学園じゃあ2人とも有名だよ。知らない?」
「朝比奈お前知ってるか?」
「いや、知らないてか興味がない」
「だよな。俺もだ」
「本人たちの中ではそんなものかもしれないね~」
目の前で僕を置いてけぼりするように話が進んで行く状態に、胸がモヤモヤしてくる。自分ではあんなふうに自然に話を出来ないくせに。
「真紀、大変な委員に決まっちゃたんだね」
ずるいけど真紀の意識をこちらに向けるために真紀に声をかけた。
「そうなんだよ。じゃんけんに負けたんだよ~。悔しい!!…ってなんでこの2人が保健室にいるの?」
好奇心がありありと感じられる真紀に僕はなるべく平然を装って口を開いた。
「2人は僕のクラスメイトで、僕と関根くんが保健委員になったらしくて挨拶にわざわざ来てくれたの。朝比奈くんは一緒に来てくれたみたい」
話しながら朝比奈くんの話題になると頬が火照るのがわかった。
どうしよう~。変に思われないかな~。
心の中では忙しなくぐるぐる考えていた。
「そっか未優は保健委員か。未優い合ってるかも。でも、無理はダメだよ」
「森末も体育祭・文化祭委員なんだな、俺もだ、ヨロシクな」
「あれ、僕のこと知ってるの?」
「勿論だよ。それこそ学園成績の1.2を競ってる2人こそが有名人だろ?」
「ほぉ~だって、僕たち有名だって。未優」
「うん、びっくりだね~」
真紀の言葉に僕も頷いた。
それにしても朝比奈くんが僕のことを知ってくれてた。嬉しい。それだけで頬が熱くなる。今日ほど勉強を頑張っていて良かったと思えることはない。でも、欲を言うなら僕も体育祭・文化祭委員になって思い出を作りたかった。同じクラスだから一緒の委員になるのは無理だけどね。
真紀~羨ましいよ。
「じゃあ、そろそろ解散する?」
「そうだな、朝比奈、行くぞ」
「おう。明日は来られそうか?橘?」
「う、うん多分」
「そっか、じゃあまた明日な」
「あっ、朝比奈ちょっと待って、最初はぐーじゃんけんぽん。勝った~!!!じゃあ、またね」
「お、おう」
左手を挙げて手を振って朝比奈くんは関根くんと帰って行った。
「じゃ、僕たちも寮に戻ろうか?未優?……未優?」
「あ、ごめん。えっと真紀クラブは?」
「今日は休みだよ」
「なら、一緒に寮に帰れるね。じゃあ、戸締り頼まれたからするね」
「僕も手伝うよ」
「うん、ありがとう」
2人で戸締りをして寮に向けて昇降口に向かうのに10分もかからなかった。
「はい、どうぞ」
ドアをくぐって入ってきたのは、180センチを越す身長で、この学校のモテる男子の5本の指に入る関根くんと僕の片思いの相手である、その相棒の朝比奈くんだった。
ベリーショートで、ツーブロックにしていて目力が強くて強面なのにモテる関根くんと、ショートで襟足をすっきりさせたツーブロックで、二重の切れ長な涼しげな目をもつ朝比奈くんのコンビは、この聖高峰学園での有名人だ。
まさかそんな2人をこんな近くで接するなんてビックリがすぎて、急いで薬を吸引した。
「だ、大丈夫か?橘……」
吸引器を口に咥えたまま朝比奈くんの言葉に返事の代わりに首を縦に振った。
「ご、ごめんなさい。大丈夫です」
「なら良いけど、無理はするなよ?」
「橘、これから1年、保健委員の関根だ。ヨロシクな」
「こちらこそヨロシクお願いします」
立ち上がって関根くんにお辞儀をした。
なるべく2人と目線を合わせないように168センチの僕と180センチを越す身長差を利用して、喉仏を見るようにして会話を続けた。
もう、心臓のドキドキが止まらない。
不自然な態度をしていないか、気になって仕方がない。
間が持たない、どうしたら良いんだろう。
「橘は寮生だろ?よかったら一緒に帰るか?」
「えっ!」
「なんか予定あったか?」
「いや、えっと」
関根くんの誘いに返答に困っていると、何故だか不機嫌な朝比奈くんがいる。どうしたら良いんだろう?
「未優~!やっぱりまだここにいたね。聞いてよ~、僕、体育祭、文化祭委員になっちゃったよ~」
そんな空気を破るように、いきなりの真紀の登場だった。
抱きついてきた真紀の背中を撫でて落ち着くように優しくトントンと叩いた。
「未優~。僕悔しい~」
「それ、俺もなったぞ」
「「えっ」」
朝比奈くんの言葉で僕を真紀の声がハモってしまった。
「あれ、有名人の2人がここで何をしているの?」
「有名人?」
関根くんの眉間が少し寄っている。
「それは俺たちのことか?」
朝比奈くんも真紀の言葉に反応をした。
「もちろんだよ。硬派なモテ男、さわやかなモテ男で学園じゃあ2人とも有名だよ。知らない?」
「朝比奈お前知ってるか?」
「いや、知らないてか興味がない」
「だよな。俺もだ」
「本人たちの中ではそんなものかもしれないね~」
目の前で僕を置いてけぼりするように話が進んで行く状態に、胸がモヤモヤしてくる。自分ではあんなふうに自然に話を出来ないくせに。
「真紀、大変な委員に決まっちゃたんだね」
ずるいけど真紀の意識をこちらに向けるために真紀に声をかけた。
「そうなんだよ。じゃんけんに負けたんだよ~。悔しい!!…ってなんでこの2人が保健室にいるの?」
好奇心がありありと感じられる真紀に僕はなるべく平然を装って口を開いた。
「2人は僕のクラスメイトで、僕と関根くんが保健委員になったらしくて挨拶にわざわざ来てくれたの。朝比奈くんは一緒に来てくれたみたい」
話しながら朝比奈くんの話題になると頬が火照るのがわかった。
どうしよう~。変に思われないかな~。
心の中では忙しなくぐるぐる考えていた。
「そっか未優は保健委員か。未優い合ってるかも。でも、無理はダメだよ」
「森末も体育祭・文化祭委員なんだな、俺もだ、ヨロシクな」
「あれ、僕のこと知ってるの?」
「勿論だよ。それこそ学園成績の1.2を競ってる2人こそが有名人だろ?」
「ほぉ~だって、僕たち有名だって。未優」
「うん、びっくりだね~」
真紀の言葉に僕も頷いた。
それにしても朝比奈くんが僕のことを知ってくれてた。嬉しい。それだけで頬が熱くなる。今日ほど勉強を頑張っていて良かったと思えることはない。でも、欲を言うなら僕も体育祭・文化祭委員になって思い出を作りたかった。同じクラスだから一緒の委員になるのは無理だけどね。
真紀~羨ましいよ。
「じゃあ、そろそろ解散する?」
「そうだな、朝比奈、行くぞ」
「おう。明日は来られそうか?橘?」
「う、うん多分」
「そっか、じゃあまた明日な」
「あっ、朝比奈ちょっと待って、最初はぐーじゃんけんぽん。勝った~!!!じゃあ、またね」
「お、おう」
左手を挙げて手を振って朝比奈くんは関根くんと帰って行った。
「じゃ、僕たちも寮に戻ろうか?未優?……未優?」
「あ、ごめん。えっと真紀クラブは?」
「今日は休みだよ」
「なら、一緒に寮に帰れるね。じゃあ、戸締り頼まれたからするね」
「僕も手伝うよ」
「うん、ありがとう」
2人で戸締りをして寮に向けて昇降口に向かうのに10分もかからなかった。
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