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side 凪 side 未優
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テストのお疲れ様会以来の橘の部屋、散らかっているって言っていたが、全く散らかっていない。こんな感じなら、俺の部屋がやばい。1人部屋なのもあって着ていた服が散らかっている。これは見習って片付けなければ。俺に部屋に来てもらえない。今日は早速片付けよう。
橘は2人部屋なのもあって、1人で使っているけれどいつ人が来ても良いように生活をしていると以前から話していたから、ここまで綺麗なんだろう。
自宅の感覚でいたらダメだな。
「朝比奈くん、何を飲む?」
「リンゴジュース、紅茶、コーヒー、それから、トマトジュースがあるよ」
「じゃあ、紅茶で頼むよ」
「はい、待っててね」
お湯を沸かずためにポットにお水を注ぐ橘の後ろ姿を見ながら元気になったようで嬉しく思っていた。
紅茶を淹れてソファの前のテーブルに橘が出してくれて、橘はそのまま床のラグに座り込んだ。
「砂糖はこのスティックを使ってね。そうだ、さっき話さなかったけどね、真紀に会ったらとても元気だったんだ。会いに行って良かった。それに関根くんが夕飯を運んで来てくれていたよ」
「それは良かった。あいつ、病院にも泊まり込んだくらいだし」
「え、そうだったの?」
「あぁ、牧野に頼み込んだらしい」
「そっか~、そうだったんだ。良かった。関根くんがいてくれて」
「あぁ、あいつなら任せて安心だぞ」
ほっとしたように紅茶を飲んでいる橘口元は、綻んでいるように思えた。
side 未優
目の前のソファに座っている朝比奈くんを直視出来なくてテーブルのしたのラグに座り、食堂では授業のノートの話ばかりしていた僕たちは、部屋に落ち着いてやっと真紀と関根くんの話をしていた。
関根くんが真紀をそこまでお世話をしてくれるのはきっと関根の特別な想いがあるはずだ。それは僕には口を出せないけど、2人なら上手くいってくれるはずだ。
静かに見守りたいと、今は思っている。
それなら朝比奈くんが僕の世話をしてくれるのは?
それは僕の思い込みかもしれないけどもしかしてって思っても良いのかな?
聞いたら朝比奈くんは答えてくれるだろうか?
怖いけど、こんなチャンスはきっとない。聞きたい。
僕は何度も唇を湿らせて朝比奈くんへの言葉を紡いだ。
「朝比奈くん、あのね、えっと……」
「何か言いにくいことか?」
「うん、ごめんね。あのね、なぜ朝比奈くんは僕に良くしてくれるの?」
ドキドキが止まらない。胸が苦しい。言葉にしてから僕は後悔に苛まれていた。
「それは、ごめん。気分を悪くするかもしれないけど、俺がそうしたかったから……。俺が橘を好きだから、好きだから橘役に立ちたかった」
「え、……好き?僕の事?……本当?」
「あぁ、好きになってごめん」
「どうして謝るの?」
「気持ち悪いだろ?」
そう言った朝比奈くんはソファからすくっと立ち上がった。
「待って、気持ち悪くないよ。僕も朝比奈くんが好きなんだから」
「えっ。今なんて?」
僕もテーブルに手をついて立ち上がった。
「僕も好きなんだ朝比奈くんが」
「ほ、本当か?近くに行ってもいいか?」
「うん」
おそるおそる近くに来てくれる朝比奈くんを見上げて、いつもは合わせることが出来ない目をしっかり見ることが出来た。
心臓のドキドキが収まらない。
夢なのではと気分が高揚していた。
橘は2人部屋なのもあって、1人で使っているけれどいつ人が来ても良いように生活をしていると以前から話していたから、ここまで綺麗なんだろう。
自宅の感覚でいたらダメだな。
「朝比奈くん、何を飲む?」
「リンゴジュース、紅茶、コーヒー、それから、トマトジュースがあるよ」
「じゃあ、紅茶で頼むよ」
「はい、待っててね」
お湯を沸かずためにポットにお水を注ぐ橘の後ろ姿を見ながら元気になったようで嬉しく思っていた。
紅茶を淹れてソファの前のテーブルに橘が出してくれて、橘はそのまま床のラグに座り込んだ。
「砂糖はこのスティックを使ってね。そうだ、さっき話さなかったけどね、真紀に会ったらとても元気だったんだ。会いに行って良かった。それに関根くんが夕飯を運んで来てくれていたよ」
「それは良かった。あいつ、病院にも泊まり込んだくらいだし」
「え、そうだったの?」
「あぁ、牧野に頼み込んだらしい」
「そっか~、そうだったんだ。良かった。関根くんがいてくれて」
「あぁ、あいつなら任せて安心だぞ」
ほっとしたように紅茶を飲んでいる橘口元は、綻んでいるように思えた。
side 未優
目の前のソファに座っている朝比奈くんを直視出来なくてテーブルのしたのラグに座り、食堂では授業のノートの話ばかりしていた僕たちは、部屋に落ち着いてやっと真紀と関根くんの話をしていた。
関根くんが真紀をそこまでお世話をしてくれるのはきっと関根の特別な想いがあるはずだ。それは僕には口を出せないけど、2人なら上手くいってくれるはずだ。
静かに見守りたいと、今は思っている。
それなら朝比奈くんが僕の世話をしてくれるのは?
それは僕の思い込みかもしれないけどもしかしてって思っても良いのかな?
聞いたら朝比奈くんは答えてくれるだろうか?
怖いけど、こんなチャンスはきっとない。聞きたい。
僕は何度も唇を湿らせて朝比奈くんへの言葉を紡いだ。
「朝比奈くん、あのね、えっと……」
「何か言いにくいことか?」
「うん、ごめんね。あのね、なぜ朝比奈くんは僕に良くしてくれるの?」
ドキドキが止まらない。胸が苦しい。言葉にしてから僕は後悔に苛まれていた。
「それは、ごめん。気分を悪くするかもしれないけど、俺がそうしたかったから……。俺が橘を好きだから、好きだから橘役に立ちたかった」
「え、……好き?僕の事?……本当?」
「あぁ、好きになってごめん」
「どうして謝るの?」
「気持ち悪いだろ?」
そう言った朝比奈くんはソファからすくっと立ち上がった。
「待って、気持ち悪くないよ。僕も朝比奈くんが好きなんだから」
「えっ。今なんて?」
僕もテーブルに手をついて立ち上がった。
「僕も好きなんだ朝比奈くんが」
「ほ、本当か?近くに行ってもいいか?」
「うん」
おそるおそる近くに来てくれる朝比奈くんを見上げて、いつもは合わせることが出来ない目をしっかり見ることが出来た。
心臓のドキドキが収まらない。
夢なのではと気分が高揚していた。
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