上 下
29 / 222
一章 異世界で勇者《最弱職》になりました

みんなで冒険に行きませんか?2

しおりを挟む
「えっと、それじゃ、必要なものが揃ったらここに来て」

「なんだか遠足行く前みたいね~」

「私、とっても楽しみ!」

「わかったわ。なにを持っていこうかしら......!」

 この村から出るって言ったときは、反対されると思ったけど、よかった。

「それじゃ、また後でね」

 そう言って、一度私たちは別れる。


「はあ~、どうしよう」

 あのあと、別れてから私は暇を持て余していた。
 てか、当たり前じゃん!
 この村に来たのだってはじめてなんだから、することなんてあるわけがない。
 それどころか、お金もないからなにも買えないし、本当にやることがない。
 と、仕方ないので、マギアの家に行くことにした。


「マギアー、いる?」

「えっ!なに?て、シズ!?どうして、ここにいるの?」

 マギアに、当然の疑問を投げかけられる。
 まあ、その反応が普通だよね。
 だって、さっき別れて、それぞれの準備をしようという話になったんだから。

「いや、ええとね。その、私、やることないから暇だったんだよね」

「まあ、そういうことなら、私の準備を手伝ってくれる?」

「わかった。それじゃ、私はなにをすればいい?」

「そうね、それじゃ──」

 そうして、あまりにも暇だった私は、マギアの準備の手伝いをすることになった。
しおりを挟む

処理中です...