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一章 異世界で勇者《最弱職》になりました

みんなで冒険に行きませんか?6

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「はあ~、ほんとに暇ね」

「そうですね。モンスターの一匹出てきませんからね~」

「わ、私としては、戦えないから、モンスターが出てこなければ、それでいいよ」

 あれから歩くこと数分、村を出る前までのやる気はどこへやらという感じで、なぜか暇を持て余していた。
 いや、ただ歩いてるだけで、やること一つないからね。

「そもそも、モンスターなんかがそこら辺をうじゃうじゃしてたら、普通にやばいでしょ」

「それもそうね」

「前のパーティーと一緒に、ここまでクエストで来たときはもう少しモンスターがいたと思うんですけどね」

「そうなの?」

「はい。私は後衛職なので、あまりちゃんと戦ってませんでしたが、私の記憶としては、このあたりだとモンスターが多く出ましたね」

「お、お姉ちゃん!私のトラウマだから!」

 えっと、今、昆虫って言った?昆虫型って言った?

「ちょ、ちょっと待って!ま、マリア、もう一度言ってくれる?」

「えっと、このあたりだと、モンスターが多く出ました」

「それ、本当?」

 聞き間違えだと信じたかったけど、全然聞き間違えじゃなかった。
 昆虫って、虫ってことだよね?

「へぇ、昆虫型モンスターが出るのね。ちょっとワクワクしてきたわ」

 いや、出る前も思ったけど、なんでそうも私を裏切るの!
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