ゲームを始めたはずの私は、なぜか異世界で勇者《最弱職》になりました

一章 異世界で勇者《最弱職》になりました

中央都市へ行くわよ！34

「さて、例の話をします」

　うさちゃんが深刻そうな顔つきで、そう語りだす。

　あのあと、私たちもマギアを追いかけるように少し急ぎながら走っていった。
　そして、夜ごはんを食べ始めて割とすぐのときに、私は例の問題の話をもちかけた。
　で、そこで話し合った結果、そういった話は夜ごはんを食べ終わってから！ということで、若干一名賛成してなかったのがいた気もしなくはないけど、満場一致でそういうことに決まった。
　理由としては、せっかくのうさちゃんが作ってくれた夜ごはんが台無しになるからということ。
　ちなみに、夜ごはんとして私が作ったスープは、うさちゃんが作ったメインの料理たちとレベルも、ジャンルも違っていたために、全然合ったいなかった。
　マギアは、

「うさちゃんが合わせなさいよ！せっかくシズが作ってくれてるんだから！」

　と、激怒していたが、なんとか私がその怒りをおさめさせた。
　落ち着きを取り戻したマギアは、「シズがそう言うなら......」と、どこか渋々といった様子で、そう言った。

　そして、今は夜ごはんも食べ終わり、例の問題についての話が始まったところだった。

「みんなの中で、幽霊が平気な人はいる？」

　うさちゃんは慎重に、言葉を選びながらそう言った。