あの日の思ひ出

森ちゃん

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2.「時間旅行」

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199X年、8月6日。
ひぐらしの鳴き声で目が覚める。
あたりは夕焼けで、全てのものが橙色に染っている。
僕は寝ぼけた頭のまま、辺りを見回した。
どうやら近所の神社の階段の下段の方にいるようだ。寝てしまっていたらしい。
そして近くに少女がいることに気づいた。
少女はこちらをじっと見ている。
どこかで見たことがある気がする。
そう考えながら僕は気づいた。
手が小さい。いや、それどころか腕も体も。
一気に目が覚めた僕は立ち上がった。
そして違和感を感じる。視点が低い。まるで子供のように……
僕は、やっと気づいた。今僕は子供の体だ。
なぜ?どうして?何が起こった?
そんな事を考えていた時、少女は言った。
「なにしてるの?おまつり、はじまるよ!」
そう言って、彼女は階段を駆け上がって行った。
よく見ると周りには浴衣を着た人達が歩いていた。
僕は歩いていたおじいさんに息を切らしながら言った。
「おじいさん、今は、何年ですか?、、」
おじいさんは怪訝そうな顔をしたが
「199X年、8月6日じゃよ。」
と笑顔で教えてくれた。
どうやら僕は、子供の頃にタイムスリップしてしまった様だった。
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