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カレーライス
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街から帰り家路に着いた。
ティアナは婚約者達とドアの前で一旦離れ
予め許可を貰っておいた調理場に向う
「皆さん、失礼するわ」
ザワザワ ザワザワ
「お嬢様、本日は旦那さまから伺っております。言われていた食材はもう用意しております。私達もお嬢様の手助けをする次第です」
「ありがとう、宜しく頼むわダリル料理長」
ティアナはマジックバックから出来たての圧力鍋を取り出して、魔導コンロにのせておく
「お嬢様、こちらの鍋は初めて拝見しました!!こちらはどのような鍋なのですか?」
「これは、圧力鍋といって、蓋で密閉にすることで熱が高くなって料理を早く作れるのよ。煮込みなどにもむいているわ」
「そ、それは凄いですね!!お嬢様がお作りに?」
「ええ、そうよ、欲しい?」
「はい!!!是非!!頂けるのなら」
料理人たちの目がキラキラ輝いているわね…
…
「分かったわ、後でまた届けさせるわね」
ティアナは人参、玉ねぎ、じゃがいもを
切る。その後に鳥肉に似ている肉を一口サイズに切る。
まずは、圧力鍋に油を注いで、自分の畑で追加で作って乾燥させておいたローレルの葉を
肉と炒める。色が変わったら、そこに野菜も入れて軽く炒めてから水を入れて蓋をして強火で加熱。圧がかかったら弱火で3分。
火を止めて、30分放置!
「さて、30分放置の間に付け合わせも作りましょ。厚切りにしておいてくれた?」
「はい、こちらです」
豚肉もどきを厚切りに切っておいてもらっていた。
それをフォークてプスプス刺して、筋を軽く切り込みを入れておく。
「お嬢様、それはどうしてなさるのですか?」
「こうすることで、厚切りでも中まで火が通りやすくなるし、筋を軽く切り込みを入れておく事で縮まなくなるのよ」
「なるほど、勉強になります」
それに、塩コショウ、小麦粉、卵液、
パン粉の順につけていき、まだ小さくて許可がおりなかったので、料理長達に油で揚げていってもらう。
そう!これはトンカツ!!
揚げてもらっている間に、きゅうりを取り出して切っていく。少し厚めに。
それに塩少々、砂糖、少々を揉んでいく。
よし!これで少し置いておく。
ん、炊飯器もどきの魔導具はいい感じかしら?ん、あと数分ね。
そうこうしているうちに、30分たった。
圧も下がっているから蓋を開けて、
弱火にかけてコトコト。
あとは、作っておいたカレールー!!!これを入れて混ぜながらコトコトコトコト。
ん、とろみがついた!!!いい匂い~完成!!!
米も炊けたわ!
「お嬢様とてもそそられる匂いがしますね、こちらは全て揚げ終わりました」
「ありがとう!!貴方達の分もあるからよそっておくわね、もし良ければ食べてみて」
ティアナは、深めのカレー皿のようなお皿に
ご飯、トンカツ、カレーをかけて、きゅうりの浅漬けをつけあわせに、料理人たちの分をセットしておいてあげた!
「あ、ありがとうございます!!」
「とても楽しみです!!!」
「うまそう…」
「ふふっ、じゃぁ、これと同じお皿を取り出すから同じようにセットしてもらってもいい?後は使用人を寄越すから食堂まで運んで貰って」ニコッ
「はい!!!承知致しました!」
ティアナは、着替えをするために部屋に戻り、ビアンカに整えて貰った。
「ありがとう、お兄様達をお迎えするからもう下にいくわ」
サイフォンとビアンカを後ろに連れ、
ティアナはロビーでお兄様達を出迎えにいく。
「ティア!!!!久しぶり!!会いたかったよ、今日はティアの手料理をたべられるなんてすごい楽しみだよ」
「ふふっ、ラサムお兄様私もお会いしたかったですわ、今日はお口に合うといいのですが」ニコッ
「大丈夫だ、焦げていてもティアの物なら全てたべるよ」
「あら、マサお兄様ったら焦げてなどおりませんのよ。しかしマサお兄様ずいぶん体格がかわりましたのね、すごい筋肉だわ」
マサーロは見るからに騎士という体つきに変わっていた。
んー、かっこいい!
「そうか?」頭をポンポンとされてみんなと
食堂に移動する。
もう作った物が並べられていて、お父様、お母様、婚約者の5人が席に着いていた。
「ティアナ待ちくたびれたよ、とても食をそそる匂いがするからな」
「ふふっ、お父様、お兄様をお迎えにいっていたのですわ」
「そうか、そうか、では主催のティアナから一言聞いてから頂こう」
「はい、本日はお忙しい中皆様、ありがとうございます。私の拙い料理ではありますがお口に合うと嬉しいですわ。では召し上がれ」
「なんだ、これ美味しいな!!初めて食べる味だ。」
「このサクサクの肉がこのスープにとても合って食が進むな」
あら、ラサムお兄様が…
「なんで……、なんで…これって…」
ラサムお兄様がスプーンを持ったまま
涙をポロポロとこぼしている。
「ラサムお兄様どうなさったの??お口にあいませんでした?」
「ううん、美味しい…とても懐かしい味なんだ。」
「懐かしいとは、お兄様この料理を食べたことがあるのですか?驚かせたかったのに残念ですわね。これはカツカレーというものですの」
「ねぇ、ティア君は…」
「あら、このピクルスも美味しいわね、とてもカレー?に合うわね」
「お母様、気に入って頂けて嬉しいですわ」
みんなカレーを食べ終わるのを確認して
今度は作っておいたデザートを持ってきて貰った。
「こちらは、柑橘系のシャーベットというのものです。口の中がさっぱりしますよ」ニコッ
このシャーベット蓮が大好物だったのよね~
熱を出すと良く作ってあげたっけ。
ガタン
「!!!!!!」ラサムお兄様が椅子から落ちた。
「もう、ラサムさっきからうるさいわよ、どうしたというの?」お母様相変わらずの直球である…
「ちょっとすみません、ティアを借ります」
「え、ちょっと」
ラサムお兄様に手を引っ張られ、ティアナの自室に入る。
な、、何事!!!!
「ハァハァハァ、ラサムお兄様、食後にこんなに走るなんて…息が切れたではないですか!!」
「……ねぇ咲良」
「はい?なんですの?」
ん?今咲良って言ったような…
「あのカツカレーの味、あのきゅうりの浅漬、あのシャーベット、全部おれが好きだった咲良の料理だ」
「あの…ラサムお兄様なぜその名前を?好きだったとは食べたことがあるのですか?」
ティアナは頭が真っ白になってしまった。
「俺は前世の記憶があるんだ。前世の名前は、冬木 蓮」
ガタン
ティアナは腰がぬけてしまった。
「え、うそ、なんで?」ティアナの目からも大量の涙がポロポロと流れていく。
咲良は、ずっと蓮のことが好きだった。
優しいけど、不器用な幼なじみ。
ラサムがティアナをギュッと抱きしめる
「やっぱり咲良なんだね、ずっと会いたかった。ずっと好きだったんだ」
うううっ……
「れん~うっうっうっ、蓮に会いたかった。ずっと好きだったの。うっうっ。」
「まさかこんなに身近にいたなんてね、神様の贈り物かな?妹でも結婚できる世界で良かったな」クスリ
「蓮、今度は…ずっと側にいてくれる?もう先に死んだりしない?」
「ああ、もうあんなクソな酒乱の親父はいないから大丈夫だよ」
チュッ
蓮は咲良の唇にキスを落とす。
「創世神様…ありがとうございます」
「ティア?何か言った?」
「ううん、何も」ニコッ
これは、絶対創世神様の導きだろうとティアナは確信していた。
まさか、蓮がラサムお兄様だったなんて。
「ねぇ、ティアこれからお父様達に報告に行かない?」
「ええ、でもシオンに前世の事は秘密という話になっているの」
「なら先にシオン君の所に行こうか?」
「ええそうね」
ティアナとラサムは手をギュッと繋いで
シオンの元に行った。
ティアナは婚約者達とドアの前で一旦離れ
予め許可を貰っておいた調理場に向う
「皆さん、失礼するわ」
ザワザワ ザワザワ
「お嬢様、本日は旦那さまから伺っております。言われていた食材はもう用意しております。私達もお嬢様の手助けをする次第です」
「ありがとう、宜しく頼むわダリル料理長」
ティアナはマジックバックから出来たての圧力鍋を取り出して、魔導コンロにのせておく
「お嬢様、こちらの鍋は初めて拝見しました!!こちらはどのような鍋なのですか?」
「これは、圧力鍋といって、蓋で密閉にすることで熱が高くなって料理を早く作れるのよ。煮込みなどにもむいているわ」
「そ、それは凄いですね!!お嬢様がお作りに?」
「ええ、そうよ、欲しい?」
「はい!!!是非!!頂けるのなら」
料理人たちの目がキラキラ輝いているわね…
…
「分かったわ、後でまた届けさせるわね」
ティアナは人参、玉ねぎ、じゃがいもを
切る。その後に鳥肉に似ている肉を一口サイズに切る。
まずは、圧力鍋に油を注いで、自分の畑で追加で作って乾燥させておいたローレルの葉を
肉と炒める。色が変わったら、そこに野菜も入れて軽く炒めてから水を入れて蓋をして強火で加熱。圧がかかったら弱火で3分。
火を止めて、30分放置!
「さて、30分放置の間に付け合わせも作りましょ。厚切りにしておいてくれた?」
「はい、こちらです」
豚肉もどきを厚切りに切っておいてもらっていた。
それをフォークてプスプス刺して、筋を軽く切り込みを入れておく。
「お嬢様、それはどうしてなさるのですか?」
「こうすることで、厚切りでも中まで火が通りやすくなるし、筋を軽く切り込みを入れておく事で縮まなくなるのよ」
「なるほど、勉強になります」
それに、塩コショウ、小麦粉、卵液、
パン粉の順につけていき、まだ小さくて許可がおりなかったので、料理長達に油で揚げていってもらう。
そう!これはトンカツ!!
揚げてもらっている間に、きゅうりを取り出して切っていく。少し厚めに。
それに塩少々、砂糖、少々を揉んでいく。
よし!これで少し置いておく。
ん、炊飯器もどきの魔導具はいい感じかしら?ん、あと数分ね。
そうこうしているうちに、30分たった。
圧も下がっているから蓋を開けて、
弱火にかけてコトコト。
あとは、作っておいたカレールー!!!これを入れて混ぜながらコトコトコトコト。
ん、とろみがついた!!!いい匂い~完成!!!
米も炊けたわ!
「お嬢様とてもそそられる匂いがしますね、こちらは全て揚げ終わりました」
「ありがとう!!貴方達の分もあるからよそっておくわね、もし良ければ食べてみて」
ティアナは、深めのカレー皿のようなお皿に
ご飯、トンカツ、カレーをかけて、きゅうりの浅漬けをつけあわせに、料理人たちの分をセットしておいてあげた!
「あ、ありがとうございます!!」
「とても楽しみです!!!」
「うまそう…」
「ふふっ、じゃぁ、これと同じお皿を取り出すから同じようにセットしてもらってもいい?後は使用人を寄越すから食堂まで運んで貰って」ニコッ
「はい!!!承知致しました!」
ティアナは、着替えをするために部屋に戻り、ビアンカに整えて貰った。
「ありがとう、お兄様達をお迎えするからもう下にいくわ」
サイフォンとビアンカを後ろに連れ、
ティアナはロビーでお兄様達を出迎えにいく。
「ティア!!!!久しぶり!!会いたかったよ、今日はティアの手料理をたべられるなんてすごい楽しみだよ」
「ふふっ、ラサムお兄様私もお会いしたかったですわ、今日はお口に合うといいのですが」ニコッ
「大丈夫だ、焦げていてもティアの物なら全てたべるよ」
「あら、マサお兄様ったら焦げてなどおりませんのよ。しかしマサお兄様ずいぶん体格がかわりましたのね、すごい筋肉だわ」
マサーロは見るからに騎士という体つきに変わっていた。
んー、かっこいい!
「そうか?」頭をポンポンとされてみんなと
食堂に移動する。
もう作った物が並べられていて、お父様、お母様、婚約者の5人が席に着いていた。
「ティアナ待ちくたびれたよ、とても食をそそる匂いがするからな」
「ふふっ、お父様、お兄様をお迎えにいっていたのですわ」
「そうか、そうか、では主催のティアナから一言聞いてから頂こう」
「はい、本日はお忙しい中皆様、ありがとうございます。私の拙い料理ではありますがお口に合うと嬉しいですわ。では召し上がれ」
「なんだ、これ美味しいな!!初めて食べる味だ。」
「このサクサクの肉がこのスープにとても合って食が進むな」
あら、ラサムお兄様が…
「なんで……、なんで…これって…」
ラサムお兄様がスプーンを持ったまま
涙をポロポロとこぼしている。
「ラサムお兄様どうなさったの??お口にあいませんでした?」
「ううん、美味しい…とても懐かしい味なんだ。」
「懐かしいとは、お兄様この料理を食べたことがあるのですか?驚かせたかったのに残念ですわね。これはカツカレーというものですの」
「ねぇ、ティア君は…」
「あら、このピクルスも美味しいわね、とてもカレー?に合うわね」
「お母様、気に入って頂けて嬉しいですわ」
みんなカレーを食べ終わるのを確認して
今度は作っておいたデザートを持ってきて貰った。
「こちらは、柑橘系のシャーベットというのものです。口の中がさっぱりしますよ」ニコッ
このシャーベット蓮が大好物だったのよね~
熱を出すと良く作ってあげたっけ。
ガタン
「!!!!!!」ラサムお兄様が椅子から落ちた。
「もう、ラサムさっきからうるさいわよ、どうしたというの?」お母様相変わらずの直球である…
「ちょっとすみません、ティアを借ります」
「え、ちょっと」
ラサムお兄様に手を引っ張られ、ティアナの自室に入る。
な、、何事!!!!
「ハァハァハァ、ラサムお兄様、食後にこんなに走るなんて…息が切れたではないですか!!」
「……ねぇ咲良」
「はい?なんですの?」
ん?今咲良って言ったような…
「あのカツカレーの味、あのきゅうりの浅漬、あのシャーベット、全部おれが好きだった咲良の料理だ」
「あの…ラサムお兄様なぜその名前を?好きだったとは食べたことがあるのですか?」
ティアナは頭が真っ白になってしまった。
「俺は前世の記憶があるんだ。前世の名前は、冬木 蓮」
ガタン
ティアナは腰がぬけてしまった。
「え、うそ、なんで?」ティアナの目からも大量の涙がポロポロと流れていく。
咲良は、ずっと蓮のことが好きだった。
優しいけど、不器用な幼なじみ。
ラサムがティアナをギュッと抱きしめる
「やっぱり咲良なんだね、ずっと会いたかった。ずっと好きだったんだ」
うううっ……
「れん~うっうっうっ、蓮に会いたかった。ずっと好きだったの。うっうっ。」
「まさかこんなに身近にいたなんてね、神様の贈り物かな?妹でも結婚できる世界で良かったな」クスリ
「蓮、今度は…ずっと側にいてくれる?もう先に死んだりしない?」
「ああ、もうあんなクソな酒乱の親父はいないから大丈夫だよ」
チュッ
蓮は咲良の唇にキスを落とす。
「創世神様…ありがとうございます」
「ティア?何か言った?」
「ううん、何も」ニコッ
これは、絶対創世神様の導きだろうとティアナは確信していた。
まさか、蓮がラサムお兄様だったなんて。
「ねぇ、ティアこれからお父様達に報告に行かない?」
「ええ、でもシオンに前世の事は秘密という話になっているの」
「なら先にシオン君の所に行こうか?」
「ええそうね」
ティアナとラサムは手をギュッと繋いで
シオンの元に行った。
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