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常識って何だ?
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「物々交換が無くなったら」というフレーズが頭の中を占領してしまった稔は「当たり前のこと」が揺らいでしまった。世間では【常識】と言うが。
稔は頭の中を整理しないと前に進めないと思った。
「え~っと、最初は何だっけ?」
国の借金は僕たちが大人になっても返さなきゃいけない。
借りた覚えのない借金をなぜ払わなきゃいけないの?
借金を返すために重税を課せられて生活が苦しむなんて許せない。
お金は人を幸せにしてくれると思っていたのにお金のために苦しむのは変。
お金の大切さはお金がないと何も出来ない社会だからと言うことはお父さんの教えでわかった。
親から教わったことが当たり前だと思っていた。
学校で習ったことは「お金が出来たおかげで物々交換をしなくなり、お金はいつまでも保存が出来る便利な道具です」と。だから物々交換はしなくてもお金さえあれば何でも交換できると思っていた。
それなのに「物々交換が無くなったら」と言っている。そのコメントを書いた人に聞いてみようと思い「今の社会は物々交換じゃないでしょ?」と書き込んでみた。
しばらくして返事が返ってきた。「お金は物々交換を便利にするために作られたものですよ。物と物を交換するには不便だから信用のあるお金と言うものが交換するモノに変わったんです」
たしかに人間社会では自分が欲しいものは自分が持っているものを手放して他人のものと交換しなければ何も手に入れることが出来ない。お父さんに教わった「お金がないと何も出来ない」ってことは「お金がないと何も得ることができないってことなんだ」稔は納得した。
そして稔は改めて聞いてみた「物々交換が無くなったらなぜお金は無くなるんですか?」と。
「物々交換を便利にするためにお金があるでしょ?物々交換が無くなればお金は必要ないんですよ」「じゃあ、お金のない社会が出来るんですか?」「ええ、そうですよ」
稔は衝撃を受けた。
「そんな、この世からお金が無くなるなんて」そして「お父さんの仕事はどうなるの?」
稔は12年の短い人生でも世の中の常識はわかっているつもり。お父さんが家族を養っていること。お金があるから生きていける安心感。
今までになかったお金のない社会。いや、「お金が存在しない原始的時代に戻ってしまうのか?」稔の頭の中はまた混乱してしまった。
「すみません、僕の頭の中が混乱してよくわからないんです。よくわかるように教えてください。お金のない社会ってどんな社会ですか?」「そうねえ、君は家庭の中でお金のやり取りをしないでしょ?」「はい、しません」「なぜお金のやり取りをしないの?」「それは家族だからです」「家族は何人いるの?」「家族は両親と妹と4人です」「地球が一つの家族だったら?」「あ!」稔は何かに気がついた。
稔は宇宙に興味を持った時期があった。地球は太陽の周りを回る青色の惑星であることも知っていたし、地球は【宇宙船地球号」という名前も好きだった。
稔は続けて質問をした。
「地球の上に住んでいる地球人を一つの家族として考えるんですか?」「そうね、そのように考えたほうがわかりやすいわね」「70億人以上の家族って一度も思ったことがないです」「宇宙空間から見ると地球って小さな惑星よ」「そうですよね」
稔はなんだかワクワクしてきた。それは夏休みの一人旅行を夢見ていたのだ。「一人でも旅行できるじゃないか」と。
「ねえ、旅行だって自由に出来るんでしょ?」「そうよ、運賃も食事も泊まる所もみんなタダだからね、ただし両親のお許しは要るわね(笑)」「わーい!いろんな冒険だってできるんだ」
稔は国の借金のことなんかすっかり忘れていた。
そのとき
「すみません、突然割り込んでしまいました、お二人の会話をしばらく傍観していたんですが、僕も興味があるので参加させてください」「いいですよ、僕は稔と言います、小学6年生で12歳です、よろしくお願いします」「僕はお金を稼ぐことに疲れた23歳のサラリーマン栄治(えいじ)です、よろしくお願いします」「申し遅れましたね、私は60歳の主婦素子(もとこ)です、よろしくね」
稔はなんだか仲間が増えてきたことに不安から解消された。
稔は頭の中を整理しないと前に進めないと思った。
「え~っと、最初は何だっけ?」
国の借金は僕たちが大人になっても返さなきゃいけない。
借りた覚えのない借金をなぜ払わなきゃいけないの?
借金を返すために重税を課せられて生活が苦しむなんて許せない。
お金は人を幸せにしてくれると思っていたのにお金のために苦しむのは変。
お金の大切さはお金がないと何も出来ない社会だからと言うことはお父さんの教えでわかった。
親から教わったことが当たり前だと思っていた。
学校で習ったことは「お金が出来たおかげで物々交換をしなくなり、お金はいつまでも保存が出来る便利な道具です」と。だから物々交換はしなくてもお金さえあれば何でも交換できると思っていた。
それなのに「物々交換が無くなったら」と言っている。そのコメントを書いた人に聞いてみようと思い「今の社会は物々交換じゃないでしょ?」と書き込んでみた。
しばらくして返事が返ってきた。「お金は物々交換を便利にするために作られたものですよ。物と物を交換するには不便だから信用のあるお金と言うものが交換するモノに変わったんです」
たしかに人間社会では自分が欲しいものは自分が持っているものを手放して他人のものと交換しなければ何も手に入れることが出来ない。お父さんに教わった「お金がないと何も出来ない」ってことは「お金がないと何も得ることができないってことなんだ」稔は納得した。
そして稔は改めて聞いてみた「物々交換が無くなったらなぜお金は無くなるんですか?」と。
「物々交換を便利にするためにお金があるでしょ?物々交換が無くなればお金は必要ないんですよ」「じゃあ、お金のない社会が出来るんですか?」「ええ、そうですよ」
稔は衝撃を受けた。
「そんな、この世からお金が無くなるなんて」そして「お父さんの仕事はどうなるの?」
稔は12年の短い人生でも世の中の常識はわかっているつもり。お父さんが家族を養っていること。お金があるから生きていける安心感。
今までになかったお金のない社会。いや、「お金が存在しない原始的時代に戻ってしまうのか?」稔の頭の中はまた混乱してしまった。
「すみません、僕の頭の中が混乱してよくわからないんです。よくわかるように教えてください。お金のない社会ってどんな社会ですか?」「そうねえ、君は家庭の中でお金のやり取りをしないでしょ?」「はい、しません」「なぜお金のやり取りをしないの?」「それは家族だからです」「家族は何人いるの?」「家族は両親と妹と4人です」「地球が一つの家族だったら?」「あ!」稔は何かに気がついた。
稔は宇宙に興味を持った時期があった。地球は太陽の周りを回る青色の惑星であることも知っていたし、地球は【宇宙船地球号」という名前も好きだった。
稔は続けて質問をした。
「地球の上に住んでいる地球人を一つの家族として考えるんですか?」「そうね、そのように考えたほうがわかりやすいわね」「70億人以上の家族って一度も思ったことがないです」「宇宙空間から見ると地球って小さな惑星よ」「そうですよね」
稔はなんだかワクワクしてきた。それは夏休みの一人旅行を夢見ていたのだ。「一人でも旅行できるじゃないか」と。
「ねえ、旅行だって自由に出来るんでしょ?」「そうよ、運賃も食事も泊まる所もみんなタダだからね、ただし両親のお許しは要るわね(笑)」「わーい!いろんな冒険だってできるんだ」
稔は国の借金のことなんかすっかり忘れていた。
そのとき
「すみません、突然割り込んでしまいました、お二人の会話をしばらく傍観していたんですが、僕も興味があるので参加させてください」「いいですよ、僕は稔と言います、小学6年生で12歳です、よろしくお願いします」「僕はお金を稼ぐことに疲れた23歳のサラリーマン栄治(えいじ)です、よろしくお願いします」「申し遅れましたね、私は60歳の主婦素子(もとこ)です、よろしくね」
稔はなんだか仲間が増えてきたことに不安から解消された。
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