12歳の少年が世界を変える!

マー坊

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もう一つの世界

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稔も栄治も幸夫の提案に感動してしばらくコメントを書くのを忘れていたが、栄治が「これって日本だけでいいの?」と疑問を書いた。「私も聞いてみたかったことなんだけどね、循環って資源に限ったことではないですよね。空気や水も世界中で循環してるから汚染されないように世界中が循環型システムを取り入れないとね」と素子が意見を書いた。

しばらくして幸夫がコメントした。
「世界中が大規模リサイクルセンターを作ったらどうなるのか、温暖化も海洋汚染も大気汚染も貧困も飢餓も格差も無くなるんじゃないか、もしかして世界平和が実現するんじゃないか、そこまでイメージしたことがあるんです」「それはチョット考え過ぎじゃないですか?(笑)」すぐ突っ込みを入れたのは栄治だった。

「私は60年生きてきて実家の農業の手伝いをしていると幸夫さんのイメージがわかるような気がするんですよ」素子がそうコメントすると稔も「僕は12歳だから社会経験がないけど大規模リサイクルセンターとお金のない世界が出来るような気がします」と書いた。

それでも栄治は「宗教や文化や風習が違う外国の人に賛同を得るのは難しいんじゃないですか?」と疑問を持ちかけた。「とりあえず日本だけ世界のお手本を作ったらどうでしょう?」と追加コメントした。

幸夫はいままでのいきさつを書いた。
「世界中に広げる前に日本だけ作ったらどうだろうって、多くの人と意見交換してみたんです」「どんな意見が多かったですか?」「日本はすでに循環型社会になってると言う人がいたり、企業の利益を優先するいまのシステムには向かないと言う意見も多かったです」

「やっぱりね、世界同時が良いんでしょうか?」「そうなんですよね、いまのようにグローバル化で世界中がつながっていると一部だけシステムを変えるより一緒に変えたほうが良いみたいです」「それで世界平和も実現できると言うことですね?」「そうなんですよ」

「世界中に提案したらどんな反響が起きると思いますか?」という幸夫の質問に「経済大国でもお金を出したがらないし、戦争や紛争が絶えない国はお金に余裕がないから提案は賛同するだろうけど行動までは無理だろうって思います」と栄治は答えた。

「無理と思えることを出来ると思えるように知恵を出し合うのはどうですか?」「いままで幸夫さんの提案を聞いているだけで希望が持てるようになりましたね」「僕も出来ることを考えてみます」栄治も稔も前向きな気持ちになったようです。

みんなは現実を変えることは難しいと知っているし、戦争も紛争も貧困も格差も自分たちが考えてもどうにもならないことも知ってる。
稔はしばらくインターネットで検索してみた。世界が平和になるために何をすれば良いのか?。国連の活動、日本の平和活動、稔にとっては難しすぎた。

「僕には難しすぎてどうすれば良いのかよくわからないんですけど、いくら良いことでも世界を変えるのは難しいです、だから僕が考えた方法ですけど書きますね、もう一つの世界を作ったらどうだろうってことです」稔は精一杯考えてコメントしてみた。

これには誰もがビックリです。
「まさかもう一つの地球が要るって事なの?」一つの地球に二つの世界をイメージすることは出来なかった。
「もう少しわかりやすく書いてもらえるかしら」と素子がコメントした。

「お金の要る世界が大人の世界だとしたらお金のない世界は子供の世界と考えてみたんです」「ほう、良いじゃないの」「おもしろそうだね」栄治も幸夫も興味を持った。「子供の世界はどんな世界なんだろう?」素子も興味を持って質問してみた。

「大人の人も子供の頃を思い出してもらいたいんだけど、僕たち子供は友達同士でお金のやり取りをしないで勉強したり遊んだりしています、空き地で遊ぶのも山や小川で遊ぶのもお金は要りません」みんなは子供の頃を思い出して「そうだよね」と懐かしんでいます。

子供ならではの発想だけど、大人は仕事をするけど子供は仕事をしない。そういう視点から子供は見ていないようです。

「どんなことをすれば子供のような世界が作れるんだろう?」と栄治が聞いてみた。「インターネットでいろいろ検索して興味のある活動があったんです、『国境なき医師団』とか『国際NGО』とか『ユニセフ』とかです、ほかにもいっぱいあるんですけどね、これらが自由に活動できる世界を作ったら良いのにな~って」

「いま現在やっているよ」と水を差すようにコメントをはさんだ。「それなのに世界はますます悪くなっているのが変だと思ったんです」「たしかに」これには誰もが納得です。「それを自由に活動できれば良いってことなのね?」「そうなんです、そこまではひらめいたんですけど・・・」

稔のひらめきにはみんなが驚いたが未知なる世界のイメージがすぐに湧いてこなかった。
「チョット考える時間が必要ですね(笑)。なにか思いついたらいつでも書き込むのはどうでしょう?」幸夫は思考の限界を感じて提案した。

2,3日だれも書き込みはなかった。
そして4日後
「こんにちは、お邪魔してよろしいでしょうか?美佐枝と申します、26歳会社員です」新しい人が参加しました。


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