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111.弔いの酒

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 模擬戦が終わりロンとニアの元に戻るといつのまにかメジストとモーリンも来ていた。

「ははは、いつのまにか強くなったの」
 メジストは俺の肩を強く叩いていた。どこか褒められている気がして嬉しかった。

「いつか私とも戦ってみるのはどうだ?」
 モーリンが話した瞬間空気が一瞬で凍った。

「ばあば……? 俺勝てる気しないよ?」

「そんなことないわよ? 私の魔法も目に見えない速さで動けば避けれるわよ」
 何を言っているのだろうか。それはすでに人の領域を超えている。

「流石にそれはあの人しかできませんよ」

「あの人って?」

「ああ、わしらと一緒にパーティーを組んでいたセリナじゃよ。 あやつは聖女なのに自身に回復魔法をかけて戦うとんでもないやつだったからな」
 聖女といえば基本的に後方で魔法をかけているはずだ。それをセリナという人は型破りのことをやっていたらしい。

「私の目にはウォーレンもセリナと似た戦い方ができると思ったんだけどね」

 モーリンの発言に全員俺を見ていた。

「いや、流石に魔力足りませんよ」
 モーリンはさっきの模擬戦のことを言っているのだろう。確かにあの時はローガンの攻撃が当たった瞬間に魔法を発動させていたが……。

「ほほほ、今度が楽しみになってきたのう」
 そう言ってモーリンは冒険者ギルドに戻って行った。

「ウォーよ……頑張れ」
 メジストは何ともいえない顔で俺の肩を優しく叩いてた。モーリンの夫にしかわからない何かがあるのだろうか。

 ロンとニアは模擬戦も行わずCランクのままとなった。理由としてはまだ年齢が若いかららしい。
 確かに年齢が若いのにランクが上がればそれだけ注目を浴びることになるだろう。

 王都では獣人が受け入れられて来ているが、他ではまだまだ差別が残っているのが現状だ。

 その後冒険者ギルドに戻ると俺の昇級祝いが始まった。

「みんなウォーレンちゃんが冒険者ギルド初めてのAランクポーターになったわ!」
 Aランク冒険者なら聞いたことがあるが、Aランクポーターなんて普通に考えたらおかしいのだろう。
 今まで戦うポーターなんて存在はしなかったからな。

「今日はお祝いだから朝まで飲みましょー」
 ローガンの乾杯の合図とともに酒を逃し込むように飲んだ。

 仲間の死を……現実を受け止めるために涙を流すのを耐えて次の一歩を進んだ。それが冒険者という仕事なのだ。

 もちろん次の日はみんな二日酔いになり冒険者ギルドは地獄絵図となっていた。
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