真夜中に羽虫が耳元ぶぶぶぶぶ

雨澤 稼穀

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真夜中に羽虫が耳元ぶぶぶぶぶ

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 ぐっすりと、眠りんこしていたはずだった……。
 ぶぶぶぶぶ……ぶぶぶぶぶ……。
 目を瞑っていると余計に気になるものだ。
 完全に締め切っていても何故か、部屋中羽虫が飛んでいる。
 それは確認済みだ!
 あちこち総索しているのだが、何処から入って来るのか? 未だに特定出来ていないのが現状だ。
 水回りも家庭ゴミもちゃんと管理しているのにだ!
 窓際とか壁にぶぶぶぶぶしているだけで、これといった被害は無かったこの半年間は……春先になってから急に数が増えたのは気になるものだが……。
 真夜中ぶぶぶぶぶがめっちゃ気になる……だが、目を開けたくないから無視していた。
 ヤツは何の前触れもなく、何のお断りもなくわたしの右耳にお邪魔しますのひと声もなく入って来た!
 耳元でぶぶぶぶぶしていたのに……今、わたしの右耳の中でぶぶぶぶぶしてやがるのだ……たまに休んではぶぶぶぶぶ……また休んではぶぶぶぶぶしてやがる。
 わたしは決して目を開けないぞと、強い決心で挑んでいる。
 その内きっと出てゆくと、出ていってくれると信じて。
 頑なに目を閉じていれば、右耳で羽虫がぶぶぶぶぶしていても自然とグッドスリープ、眠れることに気付いてしまった。
 朝、目を醒ますとヤツはいなくなっていた。
 壁に数匹張り付いているヤツの中に、しれっといるのかも知れないが、わたしに個体識別する術もないし分かる筈ないのだ。
 この眼にヤツをうつしたこともなければ、羽虫の個体識別するだけの鑑定眼をわたしは有していないからだ。
 ヤツらは夜毎夜毎、何故かわたしの右耳の辺りでぶぶぶぶぶ……ぶぶぶぶぶしてやがる。
 それでもわたしは、決して目を開けないのである。
 いちよ耳掃除してみたのだが、羽虫が出て来ることはなかった
 しっかりと出ていっていたようだと、追記しておこう。
 ぺこり!
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