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サクラプクロウ
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なんだろね? なんだろな?
さくらの咲かない年はない。
なのに、今年は咲いてない。
なんでだろ? なんだろな?
さくらの咲かない年はないのにな……?
「ねえ? ぷんぷく ぷんぷく」
「なんだい? ふんふく ふんふく」
「なにかいつもと違わないか……?」
「何がだい……別にいつもとかわらないよ? サクラが咲いてない事意外はね?」
「なんだろな? なんだろな? 何かが何時もと違う気がすんだよな……?」
「いつもなら? もうとっくのとっくに咲き誇ってる筈なんだぜ?」
「ああ……いつもならな?」
「なんだいなんだいその思わせ振りな態度? 何かあったのかよ…?」
「あれを、みてみなよ?」
「あれって何をさ……?」
「ほらあそこだよ?」
「あっ? てんぐ巣病か?」
「かなり重度のな?」
くんくん……くんくん……。
「根の状態もかなり悪いみたいだね?」
「サクラの声を聞いてみろよ」
「最後にひと花咲かせて散りたいそうだけど……」
「叶えてやろうぜ! サクラプクロウが咲かせればいけるよ!」
「このサクラにサクラプクロウが咲かせられるだけの力が残ってるかな?」
「最後にひと花咲かせたい気持ちはビンビン伝わって来てるからいけるって!」
「そうだね! やってみよっか!」
「うん!」
アカシアの尻尾ピンと立てて。
ぷんぷくとふんふくはゆっくりゆっくり弱り果てたサクラの木のまわりをまわりはじめました。
「地の龍さんとんとんとん」
「天の龍に伝えてよ」
「はなやぎのこころ伝えてよ!」
「天へと召されしサクラの木、最後にひと花さかせてよ!」
「サクラプクロウ咲かせてよ!」
とんとん! とんとん! とんとんとん!
とんとん! とんとん! とん! とととん!
ゴゴゴゴゴゥ……。
ピカピカピカピカピカピカァッ!
ズビビビビ! ビィ~ン!
シュボッ!
てんぐ巣病の細かな枝が、パラパラパラパラくだけ落ち。
サクラの枝の中腹に大きな蕾がひとつぷっくり現れました。
蕾はいっきに色好き、ぱっとひらきますと、翼を広げたサクラプクロウが姿を現しました。
バサバサ! バサバサ!
ほう! ほほ! ほう!
「おっ! 来た!」
「さくやこのはな! さくさくや!」
ほうほう! ほう!
「さくやこのはな! さくさくら!」
ほほう! ほほう! ほほほほう!
「さけよさけさけ! さきほこれ!」
バサバサ! バサバサ!
「ぷっくりぷくぷく! ぷくぷくり!」
バサバサ、 バサバサ!
ほほほほう!
「さくやこのはな! さくさくら!」
つぼみがつぼみが、ぷっくりぷっくりふくらんで!
ほんのりほんのりサクラ色。
つばみがつぼみが、ぷくぷくぽんぽんふくらんで!
風のやつらが、仄かな仄かなあまいかほりに誘われて春の息吹きを起こして廻る。
春の息吹きの祝福が舞い散り舞い舞いいたします。
ぷくぷくぽんぽん! ぷくぽんぽん!
ふくらむふくらみつぼみがつぼみが、わんさかわんさか騒ぎだす。
「咲くや咲くや! 咲くや咲け! ぷんぷく蕾、咲くや咲け」
ぱっ! ぱっ! ぱっぱぁ! ぱっぱぁ! ぱぁ!
ぱぱぱぱぁ! ぱっぱぁ! ぱっぱぁ! ぱぁ!
「ねえ! ぷんぷく! ぷんぷく!」
「何だい! ふんふく! ふんふく!」
「サクラの木の、最後の灯火綺麗だね!」
「そうだね! サクラプクロウもご機嫌そうだしね! サクラの木もきっと嬉しいんだよ」
「春の息吹きたちも祝福してくれてるしね!」
ほう、ほ~う! ほうほう! ほうほう!
ほうほう! ほ~う!
優しい風がことほぎて、春の息吹きたちの祝福がたおやかに舞い舞いしておりました。
さくらの咲かない年はない。
なのに、今年は咲いてない。
なんでだろ? なんだろな?
さくらの咲かない年はないのにな……?
「ねえ? ぷんぷく ぷんぷく」
「なんだい? ふんふく ふんふく」
「なにかいつもと違わないか……?」
「何がだい……別にいつもとかわらないよ? サクラが咲いてない事意外はね?」
「なんだろな? なんだろな? 何かが何時もと違う気がすんだよな……?」
「いつもなら? もうとっくのとっくに咲き誇ってる筈なんだぜ?」
「ああ……いつもならな?」
「なんだいなんだいその思わせ振りな態度? 何かあったのかよ…?」
「あれを、みてみなよ?」
「あれって何をさ……?」
「ほらあそこだよ?」
「あっ? てんぐ巣病か?」
「かなり重度のな?」
くんくん……くんくん……。
「根の状態もかなり悪いみたいだね?」
「サクラの声を聞いてみろよ」
「最後にひと花咲かせて散りたいそうだけど……」
「叶えてやろうぜ! サクラプクロウが咲かせればいけるよ!」
「このサクラにサクラプクロウが咲かせられるだけの力が残ってるかな?」
「最後にひと花咲かせたい気持ちはビンビン伝わって来てるからいけるって!」
「そうだね! やってみよっか!」
「うん!」
アカシアの尻尾ピンと立てて。
ぷんぷくとふんふくはゆっくりゆっくり弱り果てたサクラの木のまわりをまわりはじめました。
「地の龍さんとんとんとん」
「天の龍に伝えてよ」
「はなやぎのこころ伝えてよ!」
「天へと召されしサクラの木、最後にひと花さかせてよ!」
「サクラプクロウ咲かせてよ!」
とんとん! とんとん! とんとんとん!
とんとん! とんとん! とん! とととん!
ゴゴゴゴゴゥ……。
ピカピカピカピカピカピカァッ!
ズビビビビ! ビィ~ン!
シュボッ!
てんぐ巣病の細かな枝が、パラパラパラパラくだけ落ち。
サクラの枝の中腹に大きな蕾がひとつぷっくり現れました。
蕾はいっきに色好き、ぱっとひらきますと、翼を広げたサクラプクロウが姿を現しました。
バサバサ! バサバサ!
ほう! ほほ! ほう!
「おっ! 来た!」
「さくやこのはな! さくさくや!」
ほうほう! ほう!
「さくやこのはな! さくさくら!」
ほほう! ほほう! ほほほほう!
「さけよさけさけ! さきほこれ!」
バサバサ! バサバサ!
「ぷっくりぷくぷく! ぷくぷくり!」
バサバサ、 バサバサ!
ほほほほう!
「さくやこのはな! さくさくら!」
つぼみがつぼみが、ぷっくりぷっくりふくらんで!
ほんのりほんのりサクラ色。
つばみがつぼみが、ぷくぷくぽんぽんふくらんで!
風のやつらが、仄かな仄かなあまいかほりに誘われて春の息吹きを起こして廻る。
春の息吹きの祝福が舞い散り舞い舞いいたします。
ぷくぷくぽんぽん! ぷくぽんぽん!
ふくらむふくらみつぼみがつぼみが、わんさかわんさか騒ぎだす。
「咲くや咲くや! 咲くや咲け! ぷんぷく蕾、咲くや咲け」
ぱっ! ぱっ! ぱっぱぁ! ぱっぱぁ! ぱぁ!
ぱぱぱぱぁ! ぱっぱぁ! ぱっぱぁ! ぱぁ!
「ねえ! ぷんぷく! ぷんぷく!」
「何だい! ふんふく! ふんふく!」
「サクラの木の、最後の灯火綺麗だね!」
「そうだね! サクラプクロウもご機嫌そうだしね! サクラの木もきっと嬉しいんだよ」
「春の息吹きたちも祝福してくれてるしね!」
ほう、ほ~う! ほうほう! ほうほう!
ほうほう! ほ~う!
優しい風がことほぎて、春の息吹きたちの祝福がたおやかに舞い舞いしておりました。
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