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第2章「七不思議と消えたクラスメイト」
第11話《新たな鏡》
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俺は、ようやく平和な日常を取り戻したと思っていた。
放課後に友達と適当に雑談し、家に帰ってゲームをして、夜はぐっすり眠る。
そんな、普通の中学生らしい日々。
オカルト? もう関わらない。あの鏡の事件が終わった時点で、俺は二度とオカルトに足を突っ込まないと決めたんだ。
……のはずだった。
「拓海、また鏡の噂が出てるって知ってた?」
「…………は?」
俺は教室の窓からのんびり外を眺めていたが、その一言で一気に現実に引き戻された。
「ちょっと待て。それはどういう意味だ?」
「そのまんまの意味だよ?」
彩華は、いつも通りのんきな顔で言う。
だけど、俺の頭はすでにフル回転していた。
"鏡の噂が出てる"? でも、あの鏡は俺がぶっ壊したはずだろ!?
「いやいやいや、俺があの鏡をぶっ壊したのは事実だよな? それなのに何で噂が続いてるんだよ!!」
「うーん、それがさぁ……新しい鏡が現れたんだってさ」
「はぁ!?!?」
俺は椅子ごとガタッと立ち上がった。
周りのクラスメイトが「何事?」みたいな視線を向けてくるが、今それどころじゃない。
「おい、それ、どこ情報だよ!? また適当な噂話じゃないのか?」
「ちゃんとした情報筋だよ。オカルト研究会の先輩が言ってた」
「そんな研究会あったのかよ!?!?」
「うん、私も入ろうかなって思ってる!」
「やめろおおおおお!! もうこれ以上、怪異に寄っていくな!!」
「まあまあ、話を戻すと……どうやら、"また鏡が出現した"って話らしいんだよね」
"また"? 出現した?
おかしい。いや、そんなの当然だ。
あの鏡は俺がこの手で砕いたんだ。
それなのに、新しい鏡が"出現"とか、そんなことがあり得るのか?
「それって、どこにあるんだ?」
「旧校舎の倉庫だって」
「……また旧校舎かよ」
俺は頭を抱えた。
あそこにはもう近づきたくない。
鏡の怪異と散々戦って、ようやく平和を取り戻したというのに。
なのに、またしても"新たな鏡"が出てきた?
こんなの、絶対何かおかしい。
「で、行く?」
「行かない!!」
「でも気になるでしょ?」
「気にならないように頑張ってたのにお前が言うから気になってしまったんだよ!!」
「じゃあ決まりだね♪」
「決まってねぇぇぇぇ!!!」
俺の意志は、相変わらず彩華には一切通じないらしい。
こうして俺は、またしても旧校舎へ向かうことになった。
夕方、学校に残る生徒は少ない。
部活がある連中もいるが、旧校舎に近づくような物好きはほとんどいない。
「ほら、着いたよ」
俺は仕方なく彩華の後をついていく形で、旧校舎の廊下へと足を踏み入れた。
空気が重い。
前回来たときも思ったが、ここは他の校舎とは"何かが違う"。
妙に湿っぽく、肌にまとわりつくような気配がある。
そして——
「……ここか」
俺たちの目的地は、旧校舎の倉庫だった。
古い扉には鍵がかかっていない。
ガタガタと音を立てながら、それを開けると——
「……あった」
倉庫の奥に、大きな鏡が立てかけられていた。
いや、嫌な予感しかしない。
「……やっぱり、出てきたんだな」
「そうみたいだねぇ」
彩華は興味津々といった感じで、鏡に近づいていく。
「ちょ、ちょっと待て!! 俺の心の準備が!!」
「遅いよ、ほら、見てみなよ」
「……」
俺は渋々、鏡を覗き込む。
そこに映っていたのは——当然ながら俺たち二人の姿。
だけど……
「……違う」
明らかに、何かがおかしい。
"映るタイミングがズレている"。
まるで、俺たちの動きを少し遅れてなぞっているような、不自然な違和感。
「……やっぱり、これも"同じ鏡"なのか?」
「どうだろ? でも、このズレ方……前のやつよりちょっと遅いかも」
「いや、前よりひどくなってるってことじゃねぇか!!!」
心の底からツッコミたくなったが、それよりも問題なのは——
「……なあ、今……俺、動いたか?」
「ん? 動いてないけど?」
「……」
じゃあ、今鏡の中で動いた"俺"は……
「……これ、"俺たちの動き"を映してるんじゃないかもしれないな」
その時だった。
カタンッ……。
背後の扉が、勝手に閉まる音がした。
俺たちは、息を飲む。
ただの風か? いや、こんなところに風が吹くわけがない。
「……やっぱり、まだ終わってなかったんだな」
「だねぇ」
「"だねぇ"じゃねぇぇぇぇ!!! なんでお前はこんなに冷静なんだよ!!」
俺が叫ぶ中、彩華は楽しげに鏡を観察している。
だが、俺はすでに確信していた。
この鏡は、間違いなく前の怪異と繋がっている。
そして——終わったはずの"あの何か"が、まだ俺たちのことを見ている。
放課後に友達と適当に雑談し、家に帰ってゲームをして、夜はぐっすり眠る。
そんな、普通の中学生らしい日々。
オカルト? もう関わらない。あの鏡の事件が終わった時点で、俺は二度とオカルトに足を突っ込まないと決めたんだ。
……のはずだった。
「拓海、また鏡の噂が出てるって知ってた?」
「…………は?」
俺は教室の窓からのんびり外を眺めていたが、その一言で一気に現実に引き戻された。
「ちょっと待て。それはどういう意味だ?」
「そのまんまの意味だよ?」
彩華は、いつも通りのんきな顔で言う。
だけど、俺の頭はすでにフル回転していた。
"鏡の噂が出てる"? でも、あの鏡は俺がぶっ壊したはずだろ!?
「いやいやいや、俺があの鏡をぶっ壊したのは事実だよな? それなのに何で噂が続いてるんだよ!!」
「うーん、それがさぁ……新しい鏡が現れたんだってさ」
「はぁ!?!?」
俺は椅子ごとガタッと立ち上がった。
周りのクラスメイトが「何事?」みたいな視線を向けてくるが、今それどころじゃない。
「おい、それ、どこ情報だよ!? また適当な噂話じゃないのか?」
「ちゃんとした情報筋だよ。オカルト研究会の先輩が言ってた」
「そんな研究会あったのかよ!?!?」
「うん、私も入ろうかなって思ってる!」
「やめろおおおおお!! もうこれ以上、怪異に寄っていくな!!」
「まあまあ、話を戻すと……どうやら、"また鏡が出現した"って話らしいんだよね」
"また"? 出現した?
おかしい。いや、そんなの当然だ。
あの鏡は俺がこの手で砕いたんだ。
それなのに、新しい鏡が"出現"とか、そんなことがあり得るのか?
「それって、どこにあるんだ?」
「旧校舎の倉庫だって」
「……また旧校舎かよ」
俺は頭を抱えた。
あそこにはもう近づきたくない。
鏡の怪異と散々戦って、ようやく平和を取り戻したというのに。
なのに、またしても"新たな鏡"が出てきた?
こんなの、絶対何かおかしい。
「で、行く?」
「行かない!!」
「でも気になるでしょ?」
「気にならないように頑張ってたのにお前が言うから気になってしまったんだよ!!」
「じゃあ決まりだね♪」
「決まってねぇぇぇぇ!!!」
俺の意志は、相変わらず彩華には一切通じないらしい。
こうして俺は、またしても旧校舎へ向かうことになった。
夕方、学校に残る生徒は少ない。
部活がある連中もいるが、旧校舎に近づくような物好きはほとんどいない。
「ほら、着いたよ」
俺は仕方なく彩華の後をついていく形で、旧校舎の廊下へと足を踏み入れた。
空気が重い。
前回来たときも思ったが、ここは他の校舎とは"何かが違う"。
妙に湿っぽく、肌にまとわりつくような気配がある。
そして——
「……ここか」
俺たちの目的地は、旧校舎の倉庫だった。
古い扉には鍵がかかっていない。
ガタガタと音を立てながら、それを開けると——
「……あった」
倉庫の奥に、大きな鏡が立てかけられていた。
いや、嫌な予感しかしない。
「……やっぱり、出てきたんだな」
「そうみたいだねぇ」
彩華は興味津々といった感じで、鏡に近づいていく。
「ちょ、ちょっと待て!! 俺の心の準備が!!」
「遅いよ、ほら、見てみなよ」
「……」
俺は渋々、鏡を覗き込む。
そこに映っていたのは——当然ながら俺たち二人の姿。
だけど……
「……違う」
明らかに、何かがおかしい。
"映るタイミングがズレている"。
まるで、俺たちの動きを少し遅れてなぞっているような、不自然な違和感。
「……やっぱり、これも"同じ鏡"なのか?」
「どうだろ? でも、このズレ方……前のやつよりちょっと遅いかも」
「いや、前よりひどくなってるってことじゃねぇか!!!」
心の底からツッコミたくなったが、それよりも問題なのは——
「……なあ、今……俺、動いたか?」
「ん? 動いてないけど?」
「……」
じゃあ、今鏡の中で動いた"俺"は……
「……これ、"俺たちの動き"を映してるんじゃないかもしれないな」
その時だった。
カタンッ……。
背後の扉が、勝手に閉まる音がした。
俺たちは、息を飲む。
ただの風か? いや、こんなところに風が吹くわけがない。
「……やっぱり、まだ終わってなかったんだな」
「だねぇ」
「"だねぇ"じゃねぇぇぇぇ!!! なんでお前はこんなに冷静なんだよ!!」
俺が叫ぶ中、彩華は楽しげに鏡を観察している。
だが、俺はすでに確信していた。
この鏡は、間違いなく前の怪異と繋がっている。
そして——終わったはずの"あの何か"が、まだ俺たちのことを見ている。
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