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第1章
第10話
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そうして、6人全員との手合わせが終わった。
「お前の信頼のおける部下とはこんなものか。みんな隙だらけだな」
結局手合わせは俺の勝ちということで終わった。アルゼオのもとに戻って見れば、最初に元気に迎え入れてくれた部下たちは、今やみんな地面に転がっている。悪くはなかったがとにかく隙があるのが問題だ。だから俺みたいなのにも負けてしまう。
「彼らは戦場で強くなるんだ。魔法を使って武器を強化したり身体能力を飛躍的に上げている」
「そうなのか。確かにそれならこのくらいでもいいか」
「いや、これからはもう少し鍛練の内容を変えてみよう。隙があるのは前から俺も思っていた」
そう言って部下たちのところに行くと、緑色の光を放った。
「なにをしてるんだ」
「回復魔法だ。見るのは初めてか」
「ああ、俺のところには魔法がないからな」
魔法があることは聞いていたが、実際に魔法を見るのは初めてだった。そもそもアルゼオの家から出たのも今日が初めてだし。
「すまない。もう少し手加減するべきだった」
「いいえ!神子様の動きはとてもかっこよかったです!」
「その通りです!ぜひこれからもいらしてくださいよ!」
傷も癒え、すっかり元気になった6人の獣人は口々に感想を言い出した。一気に喋るものだから聞き取れるわけもなく、苦笑いをして止まるのを待つしかなかった。
「神子様!先程の手合わせの時のような表情も素敵でしたが、今のように笑っておられるのももっと素敵ですよ!」
「え、あぁ」
素敵と言われるほど笑っている自覚がなかった。
「そうだ、今晩はうちの騎士団の寮に泊まって行きませんか?ね、いいでしょ団長!」
小柄の虎の獣人は思ったより弟系というか、無邪気な感じでアルゼオや俺に話しかける。
「構わん。アオハはどうしたい」
「俺もそれでいい」
「では、今日は皆で泊まるといい」
アルゼオが許可したことで、部下たちはあれよあれよと喜び、準備のために駆けていった。その場に残った俺とアルゼオは顔を見合わせ、後を追うために歩く。
「ここに来るときは門を通るまで、とかなんとか言っていたのにもういいのか」
「ここにはお前の味方しかいない。それに俺が昔使っていた部屋が残っているはずだ」
大丈夫だ、と言いながら頭をわしわしと撫でてくる。
「やめろ、触るな」
「…すまない」
明らかにしゅん、としてしまったのを見て、なんだか俺のほうが悪いように思えてくる。
この1ヶ月で確かにお互いについて知っていることは増えた。しかし朝と夜の食を共にして言葉を交わしても、俺たちは友人や師弟の関係になったわけではない。頭を撫でる手つきが、記憶の隅に追いやっていたあの人を思い出させ、胸に違和感を覚える。
「お前の信頼のおける部下とはこんなものか。みんな隙だらけだな」
結局手合わせは俺の勝ちということで終わった。アルゼオのもとに戻って見れば、最初に元気に迎え入れてくれた部下たちは、今やみんな地面に転がっている。悪くはなかったがとにかく隙があるのが問題だ。だから俺みたいなのにも負けてしまう。
「彼らは戦場で強くなるんだ。魔法を使って武器を強化したり身体能力を飛躍的に上げている」
「そうなのか。確かにそれならこのくらいでもいいか」
「いや、これからはもう少し鍛練の内容を変えてみよう。隙があるのは前から俺も思っていた」
そう言って部下たちのところに行くと、緑色の光を放った。
「なにをしてるんだ」
「回復魔法だ。見るのは初めてか」
「ああ、俺のところには魔法がないからな」
魔法があることは聞いていたが、実際に魔法を見るのは初めてだった。そもそもアルゼオの家から出たのも今日が初めてだし。
「すまない。もう少し手加減するべきだった」
「いいえ!神子様の動きはとてもかっこよかったです!」
「その通りです!ぜひこれからもいらしてくださいよ!」
傷も癒え、すっかり元気になった6人の獣人は口々に感想を言い出した。一気に喋るものだから聞き取れるわけもなく、苦笑いをして止まるのを待つしかなかった。
「神子様!先程の手合わせの時のような表情も素敵でしたが、今のように笑っておられるのももっと素敵ですよ!」
「え、あぁ」
素敵と言われるほど笑っている自覚がなかった。
「そうだ、今晩はうちの騎士団の寮に泊まって行きませんか?ね、いいでしょ団長!」
小柄の虎の獣人は思ったより弟系というか、無邪気な感じでアルゼオや俺に話しかける。
「構わん。アオハはどうしたい」
「俺もそれでいい」
「では、今日は皆で泊まるといい」
アルゼオが許可したことで、部下たちはあれよあれよと喜び、準備のために駆けていった。その場に残った俺とアルゼオは顔を見合わせ、後を追うために歩く。
「ここに来るときは門を通るまで、とかなんとか言っていたのにもういいのか」
「ここにはお前の味方しかいない。それに俺が昔使っていた部屋が残っているはずだ」
大丈夫だ、と言いながら頭をわしわしと撫でてくる。
「やめろ、触るな」
「…すまない」
明らかにしゅん、としてしまったのを見て、なんだか俺のほうが悪いように思えてくる。
この1ヶ月で確かにお互いについて知っていることは増えた。しかし朝と夜の食を共にして言葉を交わしても、俺たちは友人や師弟の関係になったわけではない。頭を撫でる手つきが、記憶の隅に追いやっていたあの人を思い出させ、胸に違和感を覚える。
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