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バラダザ編
第19話 支配された戦士
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堕天使の軍勢を次々と撃破していく4人。
そんな中Z2の装着者である鈴静は病院に入院し、ベッドに横になっていた。
背中の胸椎を骨折し、現在完治するまで身動きが取れなくなっている。
医者からは数ヶ月の入院が必要と言われた。
しばらくは安静にしなければならない。
しかし今もどこかで仲間が戦っていると思うと申し訳なさを感じる。
(僕の退院した頃には戦いは終わっているのかな。それでいいんだ。Zシリーズに乗ることだけが生きがいになっていたら他の仕事に支障が出る。平和が1番なんだよ。本当に)
姿勢を固定された状態、食事を取ることはできず点滴で賄っている。
首を動かし窓に映る街中を見つめていると、開いていないはずだがなんとカラスがすり抜けて病室に入って来た。
(こいつ!? もしかして堕天使か!?)
ナースコールを鳴らそうとするが金縛りを受けているのか、腕が動かない。
『お前が、抵抗者の1人』
幼い声と共に鈴静の腹に降り立つカラス、その目は赤く彼を見下すように見つめている。
その正体は超級堕天使バラダザ。
彼女は本来の姿を表し、その小さな体で鈴静の体に抱きつく。
「僕を殺しに来たのか?」
「殺したのは、お前以外。お前には、戦士に成る、素質、あり」
片言で坦々と病院内の人間が死亡したことを告げられ、思わず遺体のある廊下を想像してしまう。
恐怖が鈴静の心を支配し、逃げたい衝動に駆られた。
「ここにいる人間、平等じゃない。だから、殺させた」
「………」
「何も言えない。恐怖、絶望、でも大丈夫。すぐに堕天使にする」
バラダゼの誘惑に彼の心臓がバクバクと鳴り響く。
このままでは堕天使の仲間入りだ。
そんなの、そんなの絶対に嫌だ。
「誰か………助け………」
人に助けを求めるまもなく彼女の堕天使の力が体に侵食していき、黒き装甲に身が覆われる。
その姿はまるでバラダザを守るために戦う黒騎士の様で、血管が青く発光しているが如く大量の魔力が装甲に映し出される。
変身が完了すると発光が止まり、骨折していたはずの体が次第に動き出す。
「心地、どう?」
彼女の無表情な言葉に、顔をそちらへ向ける。
「心地ですか? まだこの体に馴染めていないのでなんとも。しかし人間を滅ぼすには十分な戦闘力は発揮できるでしょう」
鈴静の感情はそこにはなく、堕天使の騎士として生まれ変わった。
それは今の彼にとって幸せか、それとも不幸か。
バラダゼをお姫様抱っこし、黒き翼を羽ばたかせる。
そして窓を念力で破り、その場から飛び出すのだった。
一方その頃ヒサ達は堕天使との戦闘を続け、終盤に差し掛かっていた。
オリジンザーガは破壊エネルギーを拳に重ね、続けて上空から突進して来るプテラノドン・ダークエンジェルのベルトを狙い、躱し際に殴る。
「ギョレレレレレレレ!?」
あまりの激痛に叫びながら爆散する堕天使、その姿を確認するまもなく背後からローカスト・ダークエンジェル2人によるダブルドロップキックが迫る。
すると銃声が鳴り響き、悲鳴を上げながら爆死した。
撃ち抜いたのは〈サイクロプスハント〉を持つZ3だった。
「助かった。ありがとう」
「いえ。それよりあなたは何者なんですか? 六問さんの変身した姿にそっくりですが」
如鬼の質問に六問は息を漏らしながら戦闘体勢を崩すことなく堕天使達に睨みを効かせる。
「俺はもう1人のザーガ、六問くんより前から戦っている。言うならば………そう、最初の戦士と言ったところかな」
「オリジン………ザーガ?」
彼女の疑問的な声に反応したAIがオリジンザーガのスキャンを開始する。
データがZトレーラーのコンピューターに送信され、モニターに映し出す。
情報を確認すると、幕昰の中で衝撃が走った。
なぜなら彼のDNAや骨組みなどから六問日叉本人と認識したのだ。
「六問のやろう。なにか隠してたとは思っていたが、まさかだったか」
「つまり、今まで一緒に戦ってきた六問さんは………」
「それを今から問いただす。光炎さん、俺は現場に向かう。真実を知るためになぁ」
そう言って急ぎ足でZトレーラーを出ると、対堕天使用マグナムを構えながら六問達の元へ急いだ。
一方でヒサはマシンガンで堕天使のベルトを一点集中して撃破を重ねていた。
ゴアドと背を合わせ銃撃を繰り返し、弾切れになった銃を吸収する。
「ゴアドさん。相手は自分の弱点をあまり理解していない様子です。ここで畳み掛けましょう!」
「あぁ! 俺達は堕天使に屈しない。行くぞザーガ! 敵にしたことを後悔させてやろうぜ!」
気合いを入れ駆け出す彼ら、その前に突如として飛来したのは少女の堕天使をお姫様抱っこした黒騎士だった。
「ずいぶんと戦力が落ちている様ですね。同じ堕天使として恥ずかしく思います」
「あのバラダザ様が下界している? それにしても見かけない堕天使だなぁ」
ローカスト・ダークエンジェルの1人が超級堕天使と黒騎士を視認すると、兜の視界からギロりと見つめられる。
「私はバラダザ様から直々に作られた堕天使、名をブラックナイト・ダークエンジェル。人間を滅ぼすために全力を尽くしましょう」
彼女をゆっくりと地面に降ろすと、左手に禍々しいオーラを纏った黒き盾、右手に白き刃を持った剣を召喚する。
その姿を見たオリジンザーガはあまりの威圧感に強敵だと判断し変身を行う。
装甲が黒くなり、破壊エネルギーの粒子に包まれた。
その姿はヒサの憎しみの戦士とは違い、完全に力を自分の物にした。
まさに真の英雄だった。
その名は〈オリジンザーガ・ザ・ヒーロー〉
「あいつの相手は俺がやる。みんなは残りを頼んだよ」
そう言って走り出したと思えば目に止まらぬスピードで黒騎士の背後を捉え、拳を破壊エネルギーに乗せて叩き込む。
その威力はかなり大きく、15階建てマンションの壁に激突した。
「ふん、その程度ですか古代の戦士」
あれほどの威力を持つパンチを受けても平気そうに羽ばたいて戻ってくる。
六問にとってそれは想定内、こうして強力な堕天使との戦いが幕を開けた。
元々仲間だった存在だとは知らずに。
そんな中Z2の装着者である鈴静は病院に入院し、ベッドに横になっていた。
背中の胸椎を骨折し、現在完治するまで身動きが取れなくなっている。
医者からは数ヶ月の入院が必要と言われた。
しばらくは安静にしなければならない。
しかし今もどこかで仲間が戦っていると思うと申し訳なさを感じる。
(僕の退院した頃には戦いは終わっているのかな。それでいいんだ。Zシリーズに乗ることだけが生きがいになっていたら他の仕事に支障が出る。平和が1番なんだよ。本当に)
姿勢を固定された状態、食事を取ることはできず点滴で賄っている。
首を動かし窓に映る街中を見つめていると、開いていないはずだがなんとカラスがすり抜けて病室に入って来た。
(こいつ!? もしかして堕天使か!?)
ナースコールを鳴らそうとするが金縛りを受けているのか、腕が動かない。
『お前が、抵抗者の1人』
幼い声と共に鈴静の腹に降り立つカラス、その目は赤く彼を見下すように見つめている。
その正体は超級堕天使バラダザ。
彼女は本来の姿を表し、その小さな体で鈴静の体に抱きつく。
「僕を殺しに来たのか?」
「殺したのは、お前以外。お前には、戦士に成る、素質、あり」
片言で坦々と病院内の人間が死亡したことを告げられ、思わず遺体のある廊下を想像してしまう。
恐怖が鈴静の心を支配し、逃げたい衝動に駆られた。
「ここにいる人間、平等じゃない。だから、殺させた」
「………」
「何も言えない。恐怖、絶望、でも大丈夫。すぐに堕天使にする」
バラダゼの誘惑に彼の心臓がバクバクと鳴り響く。
このままでは堕天使の仲間入りだ。
そんなの、そんなの絶対に嫌だ。
「誰か………助け………」
人に助けを求めるまもなく彼女の堕天使の力が体に侵食していき、黒き装甲に身が覆われる。
その姿はまるでバラダザを守るために戦う黒騎士の様で、血管が青く発光しているが如く大量の魔力が装甲に映し出される。
変身が完了すると発光が止まり、骨折していたはずの体が次第に動き出す。
「心地、どう?」
彼女の無表情な言葉に、顔をそちらへ向ける。
「心地ですか? まだこの体に馴染めていないのでなんとも。しかし人間を滅ぼすには十分な戦闘力は発揮できるでしょう」
鈴静の感情はそこにはなく、堕天使の騎士として生まれ変わった。
それは今の彼にとって幸せか、それとも不幸か。
バラダゼをお姫様抱っこし、黒き翼を羽ばたかせる。
そして窓を念力で破り、その場から飛び出すのだった。
一方その頃ヒサ達は堕天使との戦闘を続け、終盤に差し掛かっていた。
オリジンザーガは破壊エネルギーを拳に重ね、続けて上空から突進して来るプテラノドン・ダークエンジェルのベルトを狙い、躱し際に殴る。
「ギョレレレレレレレ!?」
あまりの激痛に叫びながら爆散する堕天使、その姿を確認するまもなく背後からローカスト・ダークエンジェル2人によるダブルドロップキックが迫る。
すると銃声が鳴り響き、悲鳴を上げながら爆死した。
撃ち抜いたのは〈サイクロプスハント〉を持つZ3だった。
「助かった。ありがとう」
「いえ。それよりあなたは何者なんですか? 六問さんの変身した姿にそっくりですが」
如鬼の質問に六問は息を漏らしながら戦闘体勢を崩すことなく堕天使達に睨みを効かせる。
「俺はもう1人のザーガ、六問くんより前から戦っている。言うならば………そう、最初の戦士と言ったところかな」
「オリジン………ザーガ?」
彼女の疑問的な声に反応したAIがオリジンザーガのスキャンを開始する。
データがZトレーラーのコンピューターに送信され、モニターに映し出す。
情報を確認すると、幕昰の中で衝撃が走った。
なぜなら彼のDNAや骨組みなどから六問日叉本人と認識したのだ。
「六問のやろう。なにか隠してたとは思っていたが、まさかだったか」
「つまり、今まで一緒に戦ってきた六問さんは………」
「それを今から問いただす。光炎さん、俺は現場に向かう。真実を知るためになぁ」
そう言って急ぎ足でZトレーラーを出ると、対堕天使用マグナムを構えながら六問達の元へ急いだ。
一方でヒサはマシンガンで堕天使のベルトを一点集中して撃破を重ねていた。
ゴアドと背を合わせ銃撃を繰り返し、弾切れになった銃を吸収する。
「ゴアドさん。相手は自分の弱点をあまり理解していない様子です。ここで畳み掛けましょう!」
「あぁ! 俺達は堕天使に屈しない。行くぞザーガ! 敵にしたことを後悔させてやろうぜ!」
気合いを入れ駆け出す彼ら、その前に突如として飛来したのは少女の堕天使をお姫様抱っこした黒騎士だった。
「ずいぶんと戦力が落ちている様ですね。同じ堕天使として恥ずかしく思います」
「あのバラダザ様が下界している? それにしても見かけない堕天使だなぁ」
ローカスト・ダークエンジェルの1人が超級堕天使と黒騎士を視認すると、兜の視界からギロりと見つめられる。
「私はバラダザ様から直々に作られた堕天使、名をブラックナイト・ダークエンジェル。人間を滅ぼすために全力を尽くしましょう」
彼女をゆっくりと地面に降ろすと、左手に禍々しいオーラを纏った黒き盾、右手に白き刃を持った剣を召喚する。
その姿を見たオリジンザーガはあまりの威圧感に強敵だと判断し変身を行う。
装甲が黒くなり、破壊エネルギーの粒子に包まれた。
その姿はヒサの憎しみの戦士とは違い、完全に力を自分の物にした。
まさに真の英雄だった。
その名は〈オリジンザーガ・ザ・ヒーロー〉
「あいつの相手は俺がやる。みんなは残りを頼んだよ」
そう言って走り出したと思えば目に止まらぬスピードで黒騎士の背後を捉え、拳を破壊エネルギーに乗せて叩き込む。
その威力はかなり大きく、15階建てマンションの壁に激突した。
「ふん、その程度ですか古代の戦士」
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