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序章
案内人
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白い部屋。
暑いわけでもなく寒いわけでもなく、気温を感じることの出来ない変な部屋。
唯一あるのは円形に広がっている壁に沿って置いてある本棚と本。
僕は目を覚ましてから十分程散策してみたがわかったのはこれだけ。
そもそもこの部屋の中には時間という概念があるのかすら疑問だ。
「ここはどこだろぅ」
声を出してもいいのか分からないので声が次第に小さくなってしまった。
ここにいる経緯が分からない以上どうすればいいのかが分からない。
見た感じは図書館のようだから司書さんがいれば状況がわかるんだけど⋯⋯
「やはりここに来る人はみんな揃って同じことを考えるのですね」
「誰?」
周りを見渡しても姿を捉えることが出来ない。
「そんなに怖がらなくても大丈夫よ。今姿を現すわね」
その声はとても綺麗で優しくて、僕を安心させるのには十分だった。
「うーん、この部屋に誰かが来るのは久しぶりね」
声がしたのと同時に部屋の中央部分が白く光り始めた。
その光は徐々に強くなっていき、僕を飲み込む。
そして光が消えたそこに居たのは16歳程の少女だった。
瞳は琥珀のように黄色く輝いており、髪も同じような色をしている。
一見普通の少女に見えるがその少女の背中には羽が、頭には輪っかが乗っていた。
そのすらっとした体型も相まって天使そのものだとわかる。
でもなんでこんな本だけの場所に天使がいるのだろう?
「うふふ、不思議そうな顔をしていますね。それは無理もありません。」
目の前の少女が話始めるが、正直僕はそれどころではなかった。
可愛い、この世にこんなにも可愛い生き物がいるのか!?いや、そもそもこの世とはなんだ?今いるのがこの世だとするとここに来るまでにいた場所はどの世だろう?
ああ、ダメだ、少女の話が全然頭に入ってこない。もしかしてここは夢の世界なのでは?
そうか、その落ちがあったか。なら、ほっぺをつねれば
「あの~、私の話を聞いていますか?可愛いとか天使だ~とかって思ってくれるのは個人の自由なので別に構わないのですが、私が話している最中に全力で自分のほっぺをつねるのはやめてください。ふふっ」
やばい、少女がずっと話をしていたことを忘れていた。僕の思考よ旅に出すぎだ。
ん、待てよ?どうしてさっきから僕の考えていることを彼女は知っているんだ?まさか!?
「ふふふ、あ、別に、あなたが考えていることを喋っていた訳では無いですよ。私はあなたの心の中が見えるだけです。安心してください。ふふふ」
彼女は僕の、赤面した顔を見ながら笑っている。その笑顔を見ているとなんだかおかしくなってしまう。
「あなたは正直で面白い方ですね。あ、申し遅れました。私サリエルって言います」
サリエルという名前って言うことはやっぱり天使?
「そうです。私は天使でありここの司書でもあり、更には案内人でもあります」
「あの~ここは見た感じ図書館みたいなので、司書さんというのは納得出来るのですが、案内人というのはどういうことですか?」
「それはまずこの部屋のことを知ってもらわなければいけないですね。ここの本を起動させるので目をつぶっていてください。天使でない限り生身の状態だと気を失っちゃいますよ?」
その言葉の終わりと同時に本棚に入っていた本が一斉に光りだす。
なんだろうこの温かさは。なんだ暖かい。
意識が飛びかけている中で天使であるサリエルは険しい顔でこちら見つめていた。
暑いわけでもなく寒いわけでもなく、気温を感じることの出来ない変な部屋。
唯一あるのは円形に広がっている壁に沿って置いてある本棚と本。
僕は目を覚ましてから十分程散策してみたがわかったのはこれだけ。
そもそもこの部屋の中には時間という概念があるのかすら疑問だ。
「ここはどこだろぅ」
声を出してもいいのか分からないので声が次第に小さくなってしまった。
ここにいる経緯が分からない以上どうすればいいのかが分からない。
見た感じは図書館のようだから司書さんがいれば状況がわかるんだけど⋯⋯
「やはりここに来る人はみんな揃って同じことを考えるのですね」
「誰?」
周りを見渡しても姿を捉えることが出来ない。
「そんなに怖がらなくても大丈夫よ。今姿を現すわね」
その声はとても綺麗で優しくて、僕を安心させるのには十分だった。
「うーん、この部屋に誰かが来るのは久しぶりね」
声がしたのと同時に部屋の中央部分が白く光り始めた。
その光は徐々に強くなっていき、僕を飲み込む。
そして光が消えたそこに居たのは16歳程の少女だった。
瞳は琥珀のように黄色く輝いており、髪も同じような色をしている。
一見普通の少女に見えるがその少女の背中には羽が、頭には輪っかが乗っていた。
そのすらっとした体型も相まって天使そのものだとわかる。
でもなんでこんな本だけの場所に天使がいるのだろう?
「うふふ、不思議そうな顔をしていますね。それは無理もありません。」
目の前の少女が話始めるが、正直僕はそれどころではなかった。
可愛い、この世にこんなにも可愛い生き物がいるのか!?いや、そもそもこの世とはなんだ?今いるのがこの世だとするとここに来るまでにいた場所はどの世だろう?
ああ、ダメだ、少女の話が全然頭に入ってこない。もしかしてここは夢の世界なのでは?
そうか、その落ちがあったか。なら、ほっぺをつねれば
「あの~、私の話を聞いていますか?可愛いとか天使だ~とかって思ってくれるのは個人の自由なので別に構わないのですが、私が話している最中に全力で自分のほっぺをつねるのはやめてください。ふふっ」
やばい、少女がずっと話をしていたことを忘れていた。僕の思考よ旅に出すぎだ。
ん、待てよ?どうしてさっきから僕の考えていることを彼女は知っているんだ?まさか!?
「ふふふ、あ、別に、あなたが考えていることを喋っていた訳では無いですよ。私はあなたの心の中が見えるだけです。安心してください。ふふふ」
彼女は僕の、赤面した顔を見ながら笑っている。その笑顔を見ているとなんだかおかしくなってしまう。
「あなたは正直で面白い方ですね。あ、申し遅れました。私サリエルって言います」
サリエルという名前って言うことはやっぱり天使?
「そうです。私は天使でありここの司書でもあり、更には案内人でもあります」
「あの~ここは見た感じ図書館みたいなので、司書さんというのは納得出来るのですが、案内人というのはどういうことですか?」
「それはまずこの部屋のことを知ってもらわなければいけないですね。ここの本を起動させるので目をつぶっていてください。天使でない限り生身の状態だと気を失っちゃいますよ?」
その言葉の終わりと同時に本棚に入っていた本が一斉に光りだす。
なんだろうこの温かさは。なんだ暖かい。
意識が飛びかけている中で天使であるサリエルは険しい顔でこちら見つめていた。
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