Groll und Liebe

十六夜ノ月

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Schmerzhaft

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「極度の渇きは、理性すら飛ばす。
そんな事、とっくに分かってたのに…。
それでも、きっといつか、人間の血を飲まなければいけない日が来ることは、
…分かってた。
ならさっさと死んでしまおうって思ってたの。
でも、ママを殺した人間がどうしても許せなかった。
…せめて、恨みを晴らしてから、ママを殺した人間を殺してから、
ママとパパのところに行こうって、…そう決めてたの。」


神羅は涙を精一杯堪えて、全て話してくれた。


「…そうか。」

俺は一呼吸置いて言った。


「…辛かったんだな。」

神羅をぎゅっと抱き締める。
神羅は驚いた様に目を見開いたが、しばらくすると

「…うん。」

と言って、俺の胸に顔を埋めた。
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