Groll und Liebe

十六夜ノ月

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Lunchbox

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「殲滅隊がウチの家来た時は昼だったから、もう起きるのが大変だったよ。
今はすっかり慣れたからこうして昼に起きていられるけど、
あの時は3歳だったんだよ?まあ近くの森が暗かったから助かったけどね。」

「俺も、王の娘はとっくに死んだと思っていた。」

「でしょ?…でも何で蒼人君のお父さんは私が生きていると思ってるの?」

「なんか…勘がどうとか…」

「なにそれ」

最近は中庭の日陰で一緒にお弁当を食べるようになった俺たちは
そんな他愛の無い会話をしていた。


クラスメイト達には、すぐにバレてしまったが、
俺たちは付き合う事になった。
俺の隣にいるのが、かつて人間の恐怖の対象であった吸血鬼、
それを統括していた王の娘、だなんて、今でも信じられない。

「吸血鬼と人間…か」

隣でにこにこと笑う神羅の両親を思い出して、俺は静かに呟いた。
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