近未来判事「タクヤ」

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事件簿004 『小間物屋』その11

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およしの話を最後まで聞き終えると、大岡越前守は腕組みをして目をつぶった。
数分後、少し笑みを浮かべながら目を開けると、およしに聞いた。

「およしさん、幽霊と暮らしてみる気はないか?」

「え?!幽霊と?」

「そうじゃ、幽霊じゃ。ただし、働き者で足もある幽霊だがな。」

いたずら小僧のように笑っている大岡様の顔を見て、聡明なおよしはすぐに気付いた。

「朝になっても消えない幽霊でしたら。」

さて、話はお白州に戻って、大岡様が小四郎に話を続ける。

「このおよし、おぬしが箱根で助けた若狭屋の女房じゃ。いや、正確には未亡人じゃな。」

「えっ?!若狭屋さんお亡くなりに・・・。」

「残念ながら、そういうことだ。」

「まだお若いのに、ご愁傷様です・・・。」

「それが運命なら仕方あるまい。問題は残る者たちだ。本来なら子供に店を継がせるところだが、若狭屋には子がおらん。しかし年に3万両の商いと30人の奉公人を、このおよしが独りで支えるのは無理じゃ。おぬしにその気があれば若狭屋小四郎として生き返ってみないか?およしもそれを望んでおるが。」

あまりにも唐突な展開に小四郎は気絶してしまった。

しばらくして小四郎が目を覚ますと、目の前に恥ずかし気に微笑むおよしの顔があった。
どうやら夢ではなかったらしい。
小四郎は飛び起きると、大岡様の前でひざまずき、何度も頭を下げた。

「このたびの大岡様のご恩、小四郎、とても背負いきれるものではございません!」

「何を言っておる。おぬしは今から若狭屋の主人じゃ。もう荷物を背負うことなどあるまい!」

---

わ~お!
これにて一件落着!!!よっ!名裁き!!
大岡越前サイコー!!

「・・・では、タクヤ判事のご意見を。」
急に現実に呼び戻されたボクは咄嗟に言葉を発した。
「まさかの9回裏逆転サヨナラホームラン!!」

3秒ほどでタクヤ語の解釈を終えた書記官サエが宣言する。

「それでは、A美の訴えは却下、B太、C子ともにお咎めなしで異存ないですね!」

え?ええええぇぇぇっっ?!
浮気してトンズラしたのにお咎めなしって
ありえないでしょー!!!
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