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第三十八話 さえぎられた神の力
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私、マユは、どんどん高く飛んでいった。神様をどんなに呼んでも、返事は一切ない。だけど、違和感を感じていた。
ここまで天使として活動している間、いつ、いかなる時も、身体に柔らかく、暖かなベールに覆われているような、優しい感覚がずっとあった。それが今は、全然感じられないのだ。
「もしかして、神様の力が、全然届かなくなってる……? 何かにさえぎられてるの?」
私はそれ以上高く飛ぶのを止める。すると、下から自分を呼ぶ声が聞こえてきた。
「マユちーーーーーーん!」
「待ってーーー、マユちゃーーん!」
レミナとアヤセちゃんだ。
「もう、マユちんってば、宇宙にまで行っちゃう気?」
「ここまで来ると、さすがに空気が薄いわね……」
ハアハアと息を切らしている二人に、私は疑問に思っていることを話してみた。
「ねえ、私、神様の力を感じなくなってるんだけど……二人はどう?」
二人とも、ハッとした顔つきになって、自分の身体を見回した。
「ホントだ! なんかこう、着てるものが一枚足りない感じ!」
「そうね、前はもっと、包み込まれてるような感じがあったよね……何かの方法で、神様からの力が遮断されてるのかも」
「やっぱり、そう思うよね……だけど、こんな場所で頭を抱えていても、しょうがないし、下に戻ろうか」
そう言って、足下を見た私達は、あっけにとられた。
地上にある私の家、レミナの家、アヤセちゃんの家の上空に、赤いモヤが薄くかかっているのだ。そしてそのモヤは三つの家の、ちょうど中心にある小学校に向かって、筋を描いている。
その線が交わる場所には……鹿の角のような輪郭が見えていた。
「「「フルフルだ……!!」」」
三人の声が、思わずハモった。
目を凝らしてよく見ると、辺り一帯から薄衣のようなオーラが出ていて、シュルシュルと、フルフルのいる場所に吸い込まれていく。
あれは、前に川越くんがフルフルに吸い込まれていたモノと同じ。心に隠している、ウソの部分だ。やましい、後ろめたい感情。大ボラ吹きじゃなくても、人間だったら、ちょっとしたウソくらい、ついたことはあるはず。一人一人は大したことがなくても、街中に住んでいる人達のウソを全部集めたら……すごい量になりそう。現に、フルフルは、今まで見たこともないくらいに巨大化していた。三階建ての校舎よりも背が高くなっている……
「どうしよう……今、封印できるのかな?」
アヤセちゃんが不安げに言った。
まだ天使の姿でいられるし、空も飛べる。だけど神様の加護がないのに、戦えるの? 封印はできる? わからない。
私は握っていた太鼓判ハンマーの柄をグッと握りしめた。すると、ハンマーの叩く部分にフッと力が湧いた。今までのように、神様の力が宿る感じじゃない。自分の身体から、生きる力が流れ込んでいるようだ。他の二人も、アイテムに自分の力がこもるのを、感じ取っているように見える。
「これなら、戦えなくはなさそう。でも、今までよりも、きっと苦戦すると思う。だけど、私は戦いたい。大事な人を放っておけない。二人はどうする? 無理はしなくていいよ、本当の気持ちを言って欲しい」
私はレミナとアヤセちゃんの目を見た。一人で戦うことになってもいいと覚悟を決めながら。
返ってきた答えは……
「私も一緒に行く」
「あたしも。こう見えて、あたし、人生で一番怒ってるんだから!」
二人の力強い言葉に、胸が暖かくなって、さっきより力が沸いてきた。
不安も一杯だけど、今はやるしかない!
ここまで天使として活動している間、いつ、いかなる時も、身体に柔らかく、暖かなベールに覆われているような、優しい感覚がずっとあった。それが今は、全然感じられないのだ。
「もしかして、神様の力が、全然届かなくなってる……? 何かにさえぎられてるの?」
私はそれ以上高く飛ぶのを止める。すると、下から自分を呼ぶ声が聞こえてきた。
「マユちーーーーーーん!」
「待ってーーー、マユちゃーーん!」
レミナとアヤセちゃんだ。
「もう、マユちんってば、宇宙にまで行っちゃう気?」
「ここまで来ると、さすがに空気が薄いわね……」
ハアハアと息を切らしている二人に、私は疑問に思っていることを話してみた。
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二人とも、ハッとした顔つきになって、自分の身体を見回した。
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「そうね、前はもっと、包み込まれてるような感じがあったよね……何かの方法で、神様からの力が遮断されてるのかも」
「やっぱり、そう思うよね……だけど、こんな場所で頭を抱えていても、しょうがないし、下に戻ろうか」
そう言って、足下を見た私達は、あっけにとられた。
地上にある私の家、レミナの家、アヤセちゃんの家の上空に、赤いモヤが薄くかかっているのだ。そしてそのモヤは三つの家の、ちょうど中心にある小学校に向かって、筋を描いている。
その線が交わる場所には……鹿の角のような輪郭が見えていた。
「「「フルフルだ……!!」」」
三人の声が、思わずハモった。
目を凝らしてよく見ると、辺り一帯から薄衣のようなオーラが出ていて、シュルシュルと、フルフルのいる場所に吸い込まれていく。
あれは、前に川越くんがフルフルに吸い込まれていたモノと同じ。心に隠している、ウソの部分だ。やましい、後ろめたい感情。大ボラ吹きじゃなくても、人間だったら、ちょっとしたウソくらい、ついたことはあるはず。一人一人は大したことがなくても、街中に住んでいる人達のウソを全部集めたら……すごい量になりそう。現に、フルフルは、今まで見たこともないくらいに巨大化していた。三階建ての校舎よりも背が高くなっている……
「どうしよう……今、封印できるのかな?」
アヤセちゃんが不安げに言った。
まだ天使の姿でいられるし、空も飛べる。だけど神様の加護がないのに、戦えるの? 封印はできる? わからない。
私は握っていた太鼓判ハンマーの柄をグッと握りしめた。すると、ハンマーの叩く部分にフッと力が湧いた。今までのように、神様の力が宿る感じじゃない。自分の身体から、生きる力が流れ込んでいるようだ。他の二人も、アイテムに自分の力がこもるのを、感じ取っているように見える。
「これなら、戦えなくはなさそう。でも、今までよりも、きっと苦戦すると思う。だけど、私は戦いたい。大事な人を放っておけない。二人はどうする? 無理はしなくていいよ、本当の気持ちを言って欲しい」
私はレミナとアヤセちゃんの目を見た。一人で戦うことになってもいいと覚悟を決めながら。
返ってきた答えは……
「私も一緒に行く」
「あたしも。こう見えて、あたし、人生で一番怒ってるんだから!」
二人の力強い言葉に、胸が暖かくなって、さっきより力が沸いてきた。
不安も一杯だけど、今はやるしかない!
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