イエローナーシサス

第5話どうして…

次の日、愛華はお弁当を持って屋上に向かった。
愛華 (昨日とこと謝ろう。けど天道くん来ているかなぁ。もう多分来てないかもだよね…。)
そう思いつつも、屋上の扉を開ける
扉を開けると、塔屋に龍一はいつものようにいた
愛華は龍一のところまで行き龍一の正面に行きさっそく頭を下げる。

愛華『昨日はごめんね。私気づかない間に嫌な言い方しちゃったのならほんとにごめんなさい。』

龍一『謝る必要はねーよ。』

愛華『でも…』

龍一『しつけーよ。』

愛華は嫌われてなくてほっとした。
なぜなら、もう自分となんてご飯を食べて貰えなければ許して貰えないなんて思ったからだ
愛華はそんなことを思いつつ龍一のことを見つめていた。

龍一『なんだよ。人の事じっとみて。喧嘩売ってんのか？』

愛華『え！？売ってないよ！えっと、てっきり来ないと思ってたし、許してもらえないかと思ってたから。』

龍一『別に行かない理由も許さない理由もねーだけだ。』

愛華『あの、ご飯一緒に食べてもいいかな…！？』

龍一 『なんだよ今更。食うためにそれ持ってきたんじゃねーのか？』
と、龍一は自分の顔で愛華の弁当を指し示し言う

愛華『そうだけど…。元々無理矢理私がお弁当を食べようとおしかけてきた上に天道くんに嫌な思いさせること言っちゃったみたいだし…。天道くんの隣でご飯食べてもいいのかなって改めて思っちゃったから…。』
と、少し俯いて言う
私は反省しているはずなのに表情はニコニコとした笑顔だ。
自分の気持ちが伝わらなかったらという不安が愛華の中でうずまく。

龍一『は？なんだよそれ。別にあれくらいで飯食えなくなるとかねーだろ。それに俺はお前と食べたいとか食べたくねーぇんだよ。』
と言いながらポリポリと髪の毛をかきながらため息まじりに龍一は言い放つ

そして、龍一は愛華と目と目を合わせじーと見つめがら『で？結局お前はどーしたいんだよ。食いてぇーのか、食いたくねぇーのか』
とさっさと答えを出せよと言った雰囲気で愛華に言った

愛華は食い気味に『一緒に食べたい』という。

龍一は面倒くさそうに『だったら食えばいいだろ。くだらねーこと考えてんじゃねーよ面倒くせぇなぁ』

愛華『うん。』

愛華(龍一は口は悪いし怖い雰囲気あるけどやっぱり噂とは違って優しいなぁ…。)

それから愛華と龍一はいつものようにお互い会話もせずお昼ご飯を食べる。
龍一はご飯を食べ終えいつもと変わらず先に食べ終わり屋上から出ていく。
愛華はゆっくり自分のペースでご飯を食べ進めていくとお弁当箱はやがて空に。
空になったお弁当や箸をを弁当袋にしまいお茶を飲んでゆったりしていた。
空を眺めてボートしているといきなり屋上のドアが『バンッ！！』と大きな音が屋上に響き渡った

開いたドアには『山下 茜』『加川 果歩』『安藤 有咲』『徳永 美香』4人らがいた

茜『ちょっとツラ貸せよ』と下から塔屋にいる愛華を睨みつけながら言う。
茜はやっと獲物を見つけたかのごとく目がギラギラとしていいた

出入り口をがっちり固められていて、逃げることもできず愛華は茜たちの言うことを聞き
茜達の後ろをついて歩く

つられてこられた先は体育館裏である。
たどり着いた時いきなり何も言わずに茜は愛華のお腹を蹴飛ばす
バンっと鈍い音が鳴る
愛華『うっ…』
蹴られた痛みが全身を駆け巡った愛華はそのまま地面に倒れる

 果歩『茜過激～。』

美香『まだ、笑ってら。キモっ。アハハ』

有咲『あんたが悪いんだよ！最近あの天道龍一とつるんでうちらから守ってもらっいやがってさ』と倒れた愛華の頭をバンッっと蹴る
有咲に続き美香・果歩・茜も愛華をバシバシと蹴ったり髪の毛を引っ張ったりと痛めつけた

愛華はいじめという暴力に耐えながら(早く終われと)なんども心の中で唱えた
愛華はジンジンとした痛みの中聞き覚えのある男の声がした

？？『お前らまだそんなことしてんのか？飽きねぇな』

愛華と茜達は声のする方向を見るとそこにはポッケに片手を突っ込んだ龍一がいた。

茜達は龍一のことをみて固まっていた
愛華はジンジンと身体中が痛み体をなかなか起こせず倒れたまま龍一をじーっと地面に倒れたまま眺めた
龍一『何固まってんだよ。もうお終いか？』

黙ってる茜達は龍一が怖く蛇に睨まれたカエルのように固まった
その様子を見た龍一は溜息をつき質問を変えた
龍一『お前らなんでこいつ虐めてんだ？』

茜は、龍一を恐れながらも強気に言葉を放つ
茜『べ、別にあんたに関係ないでしょそんなこと』

龍一は、舌打ちをつき『いいから答えろって言ってんだろうが！』と言いながら体育館の壁を殴りつけた。
殴りつけた壁は鈍い音を出し拳からは血がたれていた
たかだか女の子をビビらせるための行動だけなら何も血が出るくらい壁を殴りつけなくてもいいはず
その異常な行動に茜達は目を見開き口を開け固まった

茜は龍一を恐れながらも龍一の質問に答えようと覚悟を決める
これ以上黙っていれば何をされるかわからないからだ
茜は怖いという感情を抑え龍一の迫力に負けじと強気に振る舞った

茜『決まってるじゃない。こいつがうざくてキモイからだよ。』といいながら地面に倒れた愛華の頭を蹴りそのあと強く踏みつけグリグリとおさえつけた

茜『こんなことされてもヘラヘラ笑ってるこいつの顔見てるとグチャグチャに踏み潰したくなるのよ。』

龍一『それがお前らがいじめてる理由か？』

茜『えぇ。そうよ。もしかして、イジメは良くないからやめろよとか言うつもり？』

龍一『……』

茜『よく人はいじめって良くないって言うけど色んな奴にこんだけ嫌われて不快な人間をいじめて何が悪いのって感じ。あんたもそう思わない？あんたの噂聞いたけど色んなやつ殴ってるらしいじゃない。気に入らないからでしょ？楽しいからでしょ？あんたと私らは一緒じゃない。』

龍一『言いたいことはそれだけか？』

茜『それだけよ。私の言った意味わかったなら私らの邪魔しないでくれる？』

龍一『あーわかった。』
と、いいながら茜の方にグイグイと近づき
茜は先程まで愛華の頭に乗せた足どかし龍一が近づく方向に後ろ向きでさがる
美香、果歩、有咲は、その様子をただ眺めることが出来なかった
助けたいという気持ちはあるみたいだが足がすくんでその場から動けずにいた
茜は、3人が助けに来ないことを怒るとか悲しむとかそんなことを考える余裕などなくいつの間にか壁際に追い詰められた。
茜『な、なにするきよ…』と、さっきとは打って変わって泣きそうな顔をした

龍一『なんだよ。さっきとは全然態度がちげーな。……言っておくが俺が人を殴って俺は楽しいって思ったことはねーよ。』

茜『で、でも気に入らないから殴ってるんでしょ……？』と、弱々しくも食いつこうと震えた声で言う

龍一『あぁ。そうだな。気に入らないから殴ってる。そこはお前の言うとうりだ』

茜『な、なら私らの気持ちわかるでしょ…。はやくどこかに……』

龍一『は？なにいってんだよ。』

茜『え……』


龍一は茜を睨みながら冷たい顔をしながら茜の目をじっと見つめ『気に入らないから殴るのはお前らの中でありなら俺はお前らが気に入らねぇーから殴ってもいいんだろ？』

茜『え…。』
茜は肩や口がカタカタ震える

龍一『俺さっき言ったよな。殴っても楽しいって思わないって。』

茜『な、なら…』

龍一『ちなみに殴ることに悲しいとか同情とかもねー。つまり殴ることになんの感情も抱かねぇーよ。相手が女だろうが今にも死にそうなやつに対してだろうが関係ねぇ』

その言葉や龍一の表情にさすがの状況のやばさに美香、果歩、有咲の3人は足が金縛りのように動かない中、震えた声で龍一を必死にとめた
それは茜のためなのかはたまた自分のためなのか…

果歩『いや…うそでしょ…。やめてよ』

美香『い、いや…』

有咲『た、たすけ……』

龍一は、面倒くさそうなウザったそうな顔をしながら『チッ。人のこといじめてる割にこのざまかよ。ささっとうせろ』というと茜達はへっぴり腰になりながらもその場を走り去った

愛華はズキズキとした体をようやく起こし龍一に『なんで…？助けないって言ってたのに……』

龍一は『単なる気まぐれだ。』
といいその場を去れる
龍一の表情は無表情で何を考えているかわからず愛華は疑問に思っているとキーンコーンカンコーンと昼休みの終わりのチャイムが鳴る
愛華は足を引きずりジンジンする体の痛みにたえながら教室に戻った