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51.記憶と記録(三)
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その後、水森貴一は見合い結婚をし、三人の子どもに恵まれたようだ。秀通(ひでみち)、貴通(たかみち)、美智子。どれだけ「ミチ」に飢えていたのか。狂気すら感じる。
そんなことをしていたら、いつまでたってもミチを忘れられないというのに。
貴録には子どもたちの成長に目を細める父親としての視線が増えてくる。時折、寂しい、という言葉が出てくる以外は普通の日記だ。
私のことが出てくるのは、何年か経ってからだ。
◆◇◆◇◆
街娼をしていたアサに会った。梅毒で鼻が窪んだアサの体は衰弱し、もう長くないだろう。気休めにしかならない薬を調合し、世話人に渡して帰る。
アサに会って、ミチさんを思い出す。
あれから何年経っただろうか。アサもミチさんの行方を知らないと言う。どこかで誰かと幸せになっていてくれたら良いのだが。
久方ぶりにミチさんの絵を眺める。相変わらず美しい。叡心は本当に良い画家だった。
あぁ、ミチさん。
あの白く滑らかな肌にまた吸い付くことができたら。柔らかい肌を抱きしめることができたら。
忘れようとしても忘れられない。
絵を眺めるたび、恋しい気持ちが込み上げてくる。
手放すのではなかったと、いつも後悔している。
そばにいて欲しい。いて欲しかった。
最近よく叡心の絵を見つめている。絵を通して、ミチさんを想う。
今、どこにいるのか。
寂しくはないか。
幸せでやっているか。
苦しいほどに恋しい。いや、恋しい故に苦しいのかもしれない。
秀(ひで)は家のことも子どもたちのことも、しっかりやってくれている。良い妻であり、良い母である。
文句のつけようなどないはずなのに、どうしても、比べてしまう。
坪内逍遥の言う「色」がミチさんなら、「愛」は秀のような女のことだろう。
ミチさんを抱きたい。そう思ったままの私は、色に溺れ、愛を疎かにしているのだろうか。
妻よりも、どこにいるともわからぬ女を想うのは、やはり私が狂っているからなのだろう。
それでもいい。ミチさんに会いたい。
一度想ってしまったら、歯止めが効かない。
毎日毎晩、ミチさんを想って涙を流す。
会いたい。
笑って欲しい。
私を慕って欲しい。
あぁ、どうか、私の妻に。
秀が心配している。昼、何かあったのかと尋ねてきた。寝言でミチさんを呼んだらしく、ミチとは誰かと問われた。以前世話をした人だと答えておいたが、口の軽い使用人からミチさんのことが明らかにならないとも限らない。
困ったことになった。
あれから秀がミチさんについて尋ねてくることはない。しかし、私が娼妓と遊んでいるのではないかと疑ってはいるようだ。夜出歩くことはしばらくやめておこう。
アサが死んだ。
苦しみ、醜くなって、死んだ。
街娼の、娼妓の、末路だ。
ミチさんも、病気を貰えばああなっていたのかもしれない。
叡心が身を投げた船着き場でぼんやり過ごす。
嵐が来るたびに叡心のことを考える。
なぜ、叡心は妻と一緒に死ななかったのか。心中しなかったのか。
叡心は、なぜ、私にミチさんを託したのか。
ミチさんは、叡心と一緒に死にたかっただろう。後を追いたかったはずだ。
二人の仲に割って入ったのは私だが、結局のところ、二人の仲を完全には断てなかった。
叡心は、なぜ、ミチさんを遺したのか。
遺されたミチさんが苦しむとわかっていたはずなのに、なぜ。
なぜなのか。答えはわからない。
叡心の遺作を見ていて気づいたのだが、ミチさんの体は若々しく美しく描かれている。表情も昔と変わらず美しい。
しかし、叡心の手は、皺だらけで、しみも広がり、全体的に薄汚れた印象だ。
叡心は、老いていく自分に恐れたのかもしれない。若く美しい妻を、一緒には連れていけないと思ったのかもしれない。
だから、自分よりは若い私に、ミチさんを託した。そう考えると、腑に落ちる。
それでも、ミチさんの心が私に向くことはなかったが。
会いたい。
ひと目でいいから、ミチさんに会いたい。
色に狂う、ということがこんなにもつらく苦しいものであったとは、知らなかった。
叡心もそうだったのか。
叡心は楽になれたのか。
叡心は、苦しみから解き放たれたのか。
私も、もう、疲れた。
疲れてしまった。
嵐が来る。
終わりにしようと思う。
決して私のものにはならない女を想い、苦しむだけの毎日は、終わりにしよう。
叡心が死んだ日に嵐が来る。
つまりは、そういうことだ。
身辺の整理はしておいた。
秀にも子どもたちにも迷惑をかけるが、仕方がない。十分な金は遺せたはずだ。
不甲斐ない夫を、父を、許してくれとは言わない。理解して欲しいとも言わない。
憎むなら憎んで、生きて欲しい。
生きて幸せになって欲しい。
叡心も、そう思ったのだろう。
そうだろう。
ミチさんに、生きて幸せになって欲しかったんだろう。
すまない。
その役目は、果たせなかった。
私ももうじき、そちらへ行く。
そして、絵を描いてくれ。
その絵を、また、買い取らせてくれ。
私は、叡心の絵を、心から、
◆◇◆◇◆
貴録は、そこで途絶えていた。原本に涙が落ちたのか、滲んで読めなくなっている。
心から……どうしたと言うのだろう。
求めていた? 尊敬していた? 愛していた、は違う気がするから、慕っていた、とか、だろうか。
想像するしかできないけれど、それに近い言葉が入るのだろう。
水森貴一が亡くなったのは、叡心先生が亡くなった日と同じ、だった。
知らなかった。
何の因果だろう。
私は毎年、できる限り、命日に叡心先生の墓参りをしていた。たぶん、水森貴一が亡くなった年も、そうだ。
もし、あのとき、水森貴一と鉢合わせでもしていたら、未来はまた変わったのかもしれない。
けれど、そうはならなかった。
抗いようのない運命、だったのだ。
……疲れた。
このまま眠ってしまいたい。
『生きて、幸せに』
叡心先生の言葉は、心からの願いだったのだろうか。
『生きて幸せになって欲しい』
水森貴一の言葉も、心からの願いだろう。
遺す者への、最期の願い。
二人とも、バカだ。大バカだ。
なんで、「一緒に」幸せになろうとしないのか。
なんで、人生を終わらせてしまうのか。
遺す人を本当に愛しているなら、なんで、一番愚かな手段を選ぶのか。
私は、叡心先生と一緒に幸せになりたかった。先生と、生きて、一緒に幸せになりたかった。
老いていく先生の手を握って、歩きたかった。穏やかな海岸を。活気溢れる町を。
そして、先生を、笑顔で看取りたかった。
あなたと生きて、幸せになりたかったのに。
「バカ」
貴録を閉じて、ティッシュを掴む。
涙が溢れて止まらない。
水森貴一に泣かされたわけじゃない。断じて違う。
これは、先生を想う涙。先生への涙だ。
私は水森貴一を憎んでいる。一生、彼を許すことはない。それでいい。それでいいのだ。
涙を拭いて、冷凍庫から保冷剤を出してガーゼに包んで目に当てる。明日は酷い顔で出社しなければならなくなってしまう。それはマズい。
ふとテーブルの上を見ると、スマートフォンの通知ライトが点滅している。
誰だろう?
「あれ、佐々木先輩?」
休日に佐々木先輩から連絡があるなんて珍しい。何かミスがあっただろうか。それとも、明日の通達事項?
慌ててメッセージを読んで、「へ?」と声が漏れる。我ながら、素っ頓狂な声だった。
だって、仕方がない。だって、佐々木先輩が。
『お疲れ様です。月野さんには先に伝えておきたくて連絡します。結婚する羽目になりました』
結婚!?
佐々木先輩が、結婚ですか!?
とうとう息子さんが彼のことを「お父さん」と呼びましたか!
しかし、結婚する「ことに」ではなく「羽目に」と表現するあたり、佐々木先輩の結婚が意図したものでないことは明らかだ。溜め息をつきながら「私はしなくても良かったのに」と愚痴を吐き出す彼女の姿が思い浮かぶ。
『詳しくは明日の昼にでも話します』
話してくださるなら聞きたいです! 是非!
仕事のできるシングルマザーの心を射止めたのがどんな人物か、興味がある。非常に興味がある。
でも、何はともあれ。
『おめでとうございます。明日、楽しみにしています』
メッセージを送る。
明るいニュースに、嬉しくなる。結婚しても、仕事は辞めないで欲しいなと思いながら、私は目を閉じる。
ご飯もシャワーも何もかも、明日の朝。
今夜はもう、何もしたくないのだ。
そんなことをしていたら、いつまでたってもミチを忘れられないというのに。
貴録には子どもたちの成長に目を細める父親としての視線が増えてくる。時折、寂しい、という言葉が出てくる以外は普通の日記だ。
私のことが出てくるのは、何年か経ってからだ。
◆◇◆◇◆
街娼をしていたアサに会った。梅毒で鼻が窪んだアサの体は衰弱し、もう長くないだろう。気休めにしかならない薬を調合し、世話人に渡して帰る。
アサに会って、ミチさんを思い出す。
あれから何年経っただろうか。アサもミチさんの行方を知らないと言う。どこかで誰かと幸せになっていてくれたら良いのだが。
久方ぶりにミチさんの絵を眺める。相変わらず美しい。叡心は本当に良い画家だった。
あぁ、ミチさん。
あの白く滑らかな肌にまた吸い付くことができたら。柔らかい肌を抱きしめることができたら。
忘れようとしても忘れられない。
絵を眺めるたび、恋しい気持ちが込み上げてくる。
手放すのではなかったと、いつも後悔している。
そばにいて欲しい。いて欲しかった。
最近よく叡心の絵を見つめている。絵を通して、ミチさんを想う。
今、どこにいるのか。
寂しくはないか。
幸せでやっているか。
苦しいほどに恋しい。いや、恋しい故に苦しいのかもしれない。
秀(ひで)は家のことも子どもたちのことも、しっかりやってくれている。良い妻であり、良い母である。
文句のつけようなどないはずなのに、どうしても、比べてしまう。
坪内逍遥の言う「色」がミチさんなら、「愛」は秀のような女のことだろう。
ミチさんを抱きたい。そう思ったままの私は、色に溺れ、愛を疎かにしているのだろうか。
妻よりも、どこにいるともわからぬ女を想うのは、やはり私が狂っているからなのだろう。
それでもいい。ミチさんに会いたい。
一度想ってしまったら、歯止めが効かない。
毎日毎晩、ミチさんを想って涙を流す。
会いたい。
笑って欲しい。
私を慕って欲しい。
あぁ、どうか、私の妻に。
秀が心配している。昼、何かあったのかと尋ねてきた。寝言でミチさんを呼んだらしく、ミチとは誰かと問われた。以前世話をした人だと答えておいたが、口の軽い使用人からミチさんのことが明らかにならないとも限らない。
困ったことになった。
あれから秀がミチさんについて尋ねてくることはない。しかし、私が娼妓と遊んでいるのではないかと疑ってはいるようだ。夜出歩くことはしばらくやめておこう。
アサが死んだ。
苦しみ、醜くなって、死んだ。
街娼の、娼妓の、末路だ。
ミチさんも、病気を貰えばああなっていたのかもしれない。
叡心が身を投げた船着き場でぼんやり過ごす。
嵐が来るたびに叡心のことを考える。
なぜ、叡心は妻と一緒に死ななかったのか。心中しなかったのか。
叡心は、なぜ、私にミチさんを託したのか。
ミチさんは、叡心と一緒に死にたかっただろう。後を追いたかったはずだ。
二人の仲に割って入ったのは私だが、結局のところ、二人の仲を完全には断てなかった。
叡心は、なぜ、ミチさんを遺したのか。
遺されたミチさんが苦しむとわかっていたはずなのに、なぜ。
なぜなのか。答えはわからない。
叡心の遺作を見ていて気づいたのだが、ミチさんの体は若々しく美しく描かれている。表情も昔と変わらず美しい。
しかし、叡心の手は、皺だらけで、しみも広がり、全体的に薄汚れた印象だ。
叡心は、老いていく自分に恐れたのかもしれない。若く美しい妻を、一緒には連れていけないと思ったのかもしれない。
だから、自分よりは若い私に、ミチさんを託した。そう考えると、腑に落ちる。
それでも、ミチさんの心が私に向くことはなかったが。
会いたい。
ひと目でいいから、ミチさんに会いたい。
色に狂う、ということがこんなにもつらく苦しいものであったとは、知らなかった。
叡心もそうだったのか。
叡心は楽になれたのか。
叡心は、苦しみから解き放たれたのか。
私も、もう、疲れた。
疲れてしまった。
嵐が来る。
終わりにしようと思う。
決して私のものにはならない女を想い、苦しむだけの毎日は、終わりにしよう。
叡心が死んだ日に嵐が来る。
つまりは、そういうことだ。
身辺の整理はしておいた。
秀にも子どもたちにも迷惑をかけるが、仕方がない。十分な金は遺せたはずだ。
不甲斐ない夫を、父を、許してくれとは言わない。理解して欲しいとも言わない。
憎むなら憎んで、生きて欲しい。
生きて幸せになって欲しい。
叡心も、そう思ったのだろう。
そうだろう。
ミチさんに、生きて幸せになって欲しかったんだろう。
すまない。
その役目は、果たせなかった。
私ももうじき、そちらへ行く。
そして、絵を描いてくれ。
その絵を、また、買い取らせてくれ。
私は、叡心の絵を、心から、
◆◇◆◇◆
貴録は、そこで途絶えていた。原本に涙が落ちたのか、滲んで読めなくなっている。
心から……どうしたと言うのだろう。
求めていた? 尊敬していた? 愛していた、は違う気がするから、慕っていた、とか、だろうか。
想像するしかできないけれど、それに近い言葉が入るのだろう。
水森貴一が亡くなったのは、叡心先生が亡くなった日と同じ、だった。
知らなかった。
何の因果だろう。
私は毎年、できる限り、命日に叡心先生の墓参りをしていた。たぶん、水森貴一が亡くなった年も、そうだ。
もし、あのとき、水森貴一と鉢合わせでもしていたら、未来はまた変わったのかもしれない。
けれど、そうはならなかった。
抗いようのない運命、だったのだ。
……疲れた。
このまま眠ってしまいたい。
『生きて、幸せに』
叡心先生の言葉は、心からの願いだったのだろうか。
『生きて幸せになって欲しい』
水森貴一の言葉も、心からの願いだろう。
遺す者への、最期の願い。
二人とも、バカだ。大バカだ。
なんで、「一緒に」幸せになろうとしないのか。
なんで、人生を終わらせてしまうのか。
遺す人を本当に愛しているなら、なんで、一番愚かな手段を選ぶのか。
私は、叡心先生と一緒に幸せになりたかった。先生と、生きて、一緒に幸せになりたかった。
老いていく先生の手を握って、歩きたかった。穏やかな海岸を。活気溢れる町を。
そして、先生を、笑顔で看取りたかった。
あなたと生きて、幸せになりたかったのに。
「バカ」
貴録を閉じて、ティッシュを掴む。
涙が溢れて止まらない。
水森貴一に泣かされたわけじゃない。断じて違う。
これは、先生を想う涙。先生への涙だ。
私は水森貴一を憎んでいる。一生、彼を許すことはない。それでいい。それでいいのだ。
涙を拭いて、冷凍庫から保冷剤を出してガーゼに包んで目に当てる。明日は酷い顔で出社しなければならなくなってしまう。それはマズい。
ふとテーブルの上を見ると、スマートフォンの通知ライトが点滅している。
誰だろう?
「あれ、佐々木先輩?」
休日に佐々木先輩から連絡があるなんて珍しい。何かミスがあっただろうか。それとも、明日の通達事項?
慌ててメッセージを読んで、「へ?」と声が漏れる。我ながら、素っ頓狂な声だった。
だって、仕方がない。だって、佐々木先輩が。
『お疲れ様です。月野さんには先に伝えておきたくて連絡します。結婚する羽目になりました』
結婚!?
佐々木先輩が、結婚ですか!?
とうとう息子さんが彼のことを「お父さん」と呼びましたか!
しかし、結婚する「ことに」ではなく「羽目に」と表現するあたり、佐々木先輩の結婚が意図したものでないことは明らかだ。溜め息をつきながら「私はしなくても良かったのに」と愚痴を吐き出す彼女の姿が思い浮かぶ。
『詳しくは明日の昼にでも話します』
話してくださるなら聞きたいです! 是非!
仕事のできるシングルマザーの心を射止めたのがどんな人物か、興味がある。非常に興味がある。
でも、何はともあれ。
『おめでとうございます。明日、楽しみにしています』
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明るいニュースに、嬉しくなる。結婚しても、仕事は辞めないで欲しいなと思いながら、私は目を閉じる。
ご飯もシャワーも何もかも、明日の朝。
今夜はもう、何もしたくないのだ。
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