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第一章 神嫌いの最凶神
第十二話 正義の神
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椅子に腰を下ろしたルカの姿に、近くに居た神達はスーッとそこから引いていく。何が沸点になるか分からない凶暴な神を前にすれば、それは正しい判断だ。しかし……。
「離せっ! 僕は、やつに言ってやらなきゃ気がすまないっ!」
「やめっ、のわぁっ!」
「こんのっ、力だけは強いっ! ぐおっ!」
「怒らせるんじゃねぇっ! 俺達は死にたくねぇんだっ! おぼぉっ!」
約一名、いや、この場合一柱か? ルカに反発する無謀な神、正義の神が、必死になって止めていた他の神々をなぎ倒し、ルカの方へとズンズン進んでいく。その瞬間、傭兵団本部は、恐怖に包まれる。
(((やめろっ、刺激すんなっ!!)))
きっと、正義の神を見た神々の感想は、それで一致していた。しかし、なまじっか正義の神の力が強いばかりに、この場に、彼を止められる者は一人たりとも居ない。この正義の神の羽は、四枚羽。となれば、それと同格か、それ以上の神を呼んでこなければならない。そして、とても、とても不幸なことに、この場にそんな神は居ない。正確に言えば、喧嘩を売られかけているルカ以外には居ない。
「おいっ、お前っ!」
「あ゛?」
止めに入った神々をなぎ倒し、正義の神は、己の正義のために、ルカへと声をかける。
「さっきの態度はなんだっ! 受付の女神を怯えさせて楽しいのかっ!!」
(((お前は、俺達の寿命を縮めて楽しいのかっ!!)))
正義の神に対して、周囲の神々は同じ突っ込みを入れるものの、それを声に出す勇気はない。何せ、ルカを怒らせれば即、この傭兵団本部は壊滅してもおかしくないのだ。
「何が? 僕は、間違ったことは何も言ってないんだけど? また来るって言っておいたのに、用意してなかったあの女神が悪いでしょ?」
ルカの言葉は、正論だ。しかし、それが通じるのであれば、誰も、この正義の神を止めようとはしなかっただろう。
「僕はっ、女神を怯えさせたこと自体が悪だと言っているんだ! 表に出ろ! お前みたいな神は、この正義の神、ジャスが成敗してくれるっ!!」
ビシッとルカに人差し指を向けるジャス。そんな姿を、ルカは狐面の下で胡乱げに眺め……。
『ボキッ』
瞬きの瞬間に、その指は、あらぬ方向へと折れる。ルカが、一瞬でその指を魔力のみで曲げたのだ。
「えっ…………?」
「ねぇ、それは、宣戦布告と取って良いんだよね?」
途端に、正義の神、ジャスにのみ向けられた濃厚な殺気。しかも、神力まで上乗せされ、ルカとジャスが居る空間のみが歪む。そして……。
「ふんっ」
ジャスは、そのまま昏倒し、泡を吹き、白目を剥く。ついでに、その股も濡れており、その姿に、正義の神としての尊厳は欠片もない。
「ねぇ、誰か、コレ、片付けてくれない?」
そんな姿を見下したルカは、汚物見る目でジャスを見て、周囲の神に威圧をかける。
「「「「ひゃいぃぃいっ!!」」」」
その日、そこそこ高位であったはずの正義の神が、見るも無残な姿でごみ捨て場に転がっていたのは、スクープとしてパパラッチの神が大きく取り上げたらしかった。
「離せっ! 僕は、やつに言ってやらなきゃ気がすまないっ!」
「やめっ、のわぁっ!」
「こんのっ、力だけは強いっ! ぐおっ!」
「怒らせるんじゃねぇっ! 俺達は死にたくねぇんだっ! おぼぉっ!」
約一名、いや、この場合一柱か? ルカに反発する無謀な神、正義の神が、必死になって止めていた他の神々をなぎ倒し、ルカの方へとズンズン進んでいく。その瞬間、傭兵団本部は、恐怖に包まれる。
(((やめろっ、刺激すんなっ!!)))
きっと、正義の神を見た神々の感想は、それで一致していた。しかし、なまじっか正義の神の力が強いばかりに、この場に、彼を止められる者は一人たりとも居ない。この正義の神の羽は、四枚羽。となれば、それと同格か、それ以上の神を呼んでこなければならない。そして、とても、とても不幸なことに、この場にそんな神は居ない。正確に言えば、喧嘩を売られかけているルカ以外には居ない。
「おいっ、お前っ!」
「あ゛?」
止めに入った神々をなぎ倒し、正義の神は、己の正義のために、ルカへと声をかける。
「さっきの態度はなんだっ! 受付の女神を怯えさせて楽しいのかっ!!」
(((お前は、俺達の寿命を縮めて楽しいのかっ!!)))
正義の神に対して、周囲の神々は同じ突っ込みを入れるものの、それを声に出す勇気はない。何せ、ルカを怒らせれば即、この傭兵団本部は壊滅してもおかしくないのだ。
「何が? 僕は、間違ったことは何も言ってないんだけど? また来るって言っておいたのに、用意してなかったあの女神が悪いでしょ?」
ルカの言葉は、正論だ。しかし、それが通じるのであれば、誰も、この正義の神を止めようとはしなかっただろう。
「僕はっ、女神を怯えさせたこと自体が悪だと言っているんだ! 表に出ろ! お前みたいな神は、この正義の神、ジャスが成敗してくれるっ!!」
ビシッとルカに人差し指を向けるジャス。そんな姿を、ルカは狐面の下で胡乱げに眺め……。
『ボキッ』
瞬きの瞬間に、その指は、あらぬ方向へと折れる。ルカが、一瞬でその指を魔力のみで曲げたのだ。
「えっ…………?」
「ねぇ、それは、宣戦布告と取って良いんだよね?」
途端に、正義の神、ジャスにのみ向けられた濃厚な殺気。しかも、神力まで上乗せされ、ルカとジャスが居る空間のみが歪む。そして……。
「ふんっ」
ジャスは、そのまま昏倒し、泡を吹き、白目を剥く。ついでに、その股も濡れており、その姿に、正義の神としての尊厳は欠片もない。
「ねぇ、誰か、コレ、片付けてくれない?」
そんな姿を見下したルカは、汚物見る目でジャスを見て、周囲の神に威圧をかける。
「「「「ひゃいぃぃいっ!!」」」」
その日、そこそこ高位であったはずの正義の神が、見るも無残な姿でごみ捨て場に転がっていたのは、スクープとしてパパラッチの神が大きく取り上げたらしかった。
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