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私、異世界で監禁されました!?の番外編
ヘルジオン魔国 出会い(サージェス視点)
自然溢れる大地。そして、そこに建国された魔族の国、ヘルジオン魔国。かの国では現在、多くの者が喪に服していた。
ヘルジオン魔国国王の息子、レドン王子が、賊に襲われた末、亡くなってしまったのだ。優秀だった王子の死に、国は悲しみに包まれ、皆がレドン王子の冥福を祈ったという。
それから五年後。レドン王子の弟であるサージェス王子が、魔王として、即位する運びになった。サージェスの父であり、それまで魔王であったライラックが亡くなった。そのために、急遽、サージェスが魔王として即位することとなったのだ。
「私が魔王など、務まるはずがない。兄上が生きていてくれさえすれば……」
戴冠式を終えた私、サージェスは、初めて自分の仕事部屋として踏み入れる執務室で、仕事に忙殺されていた。本来ならば、臣下との顔合わせや会議などもあるが、今だけはこの仕事に力を入れなくてはならない。
「ご報告致します。会議の準備が整いました」
「ご報告致します。臣下一同揃いました」
「ご報告致します。宰相、パイロ様から謁見の許可を求められております」
書類仕事の合間に、会議と顔合わせを行って、それでもなお書類の山と格闘していると、顔合わせの際に見なかった、新たな宰相からの謁見を求める声があるとのこと。
「……許可する。一刻後に、謁見を行う」
外は、もう日が沈みかけている。しかし、今日のうちに全ての顔合わせを行えるならば、その方が良い。何せ、父である前魔王は優柔不断で、恐ろしい数の不正を蔓延させている。そのため、周りは敵だらけにしか見えないのだ。どいつがどれだけ脅威になるのかを見定めるのは早い方が良い。
「片翼が優秀な者であったら嬉しいのだがな……」
現在、私は三百九十五歳。そろそろ失翼認定されてもおかしくない年齢にまで到達しており、これから後宮を持ち、女達を招かなければならないのだと思うと頭が痛い。次代を残すことは魔王の義務であるから、逆らうつもりはないし、いずれは子を作るつもりではあったが、せめて、最初の子は片翼との子が良いと思い続けて……結局、片翼は見つからなかった。
少しくたびれながらも、表情を作った私は、姿勢を正して謁見の間へと向かう。誰が敵なのか正確に把握できていない今、隙を見せることはできない。
謁見の間に入ると、いつもとは違って、何だか心安らぐ匂いが立ち込める。
「?」
疑問に思いながらも、それを顔に出すことなく、私は玉座に腰掛け、その先でひざまづいている者に目を向けて、思わずその目を大きくする。
「っ、面を上げよ」
「はっ」
そして、顔を上げたその男も、私を見て目を大きく見開く。金髪に赤い瞳、赤い角を持つ彼も、私が片翼だと気づいたのだろう。
「名は、何という?」
「パイロ、パイロ・リードと、申します」
少し震えた、低く心地良い声に、私は聞き惚れそうになるのをどうにか抑えて、その先の言葉を紡ぐ。
「宰相、であったな」
「はっ」
「では、この後、私の執務室に来なさい」
「御意」
お互い、分かっている。例え、目の前の相手が絶対的な味方になるのだとしても、その様子を周りに知られることは危険だと。それなりに頭が回るゆえに、分かってしまう。
「詳しくはそこで話す。以上だ」
これ以上話していると、パイロを抱き締めてしまいたくなる。衝動を抑えられなくなってしまう。片翼との出会いとは、それほどに衝撃的なものなのだ。
私は、そそくさと執務室へと戻ると、書類を処理しながら、パイロが来るのを待ち続ける。こんなにも心が浮き立つのは初めてだと思いながらソワソワと待ち続けるのだった。
ヘルジオン魔国国王の息子、レドン王子が、賊に襲われた末、亡くなってしまったのだ。優秀だった王子の死に、国は悲しみに包まれ、皆がレドン王子の冥福を祈ったという。
それから五年後。レドン王子の弟であるサージェス王子が、魔王として、即位する運びになった。サージェスの父であり、それまで魔王であったライラックが亡くなった。そのために、急遽、サージェスが魔王として即位することとなったのだ。
「私が魔王など、務まるはずがない。兄上が生きていてくれさえすれば……」
戴冠式を終えた私、サージェスは、初めて自分の仕事部屋として踏み入れる執務室で、仕事に忙殺されていた。本来ならば、臣下との顔合わせや会議などもあるが、今だけはこの仕事に力を入れなくてはならない。
「ご報告致します。会議の準備が整いました」
「ご報告致します。臣下一同揃いました」
「ご報告致します。宰相、パイロ様から謁見の許可を求められております」
書類仕事の合間に、会議と顔合わせを行って、それでもなお書類の山と格闘していると、顔合わせの際に見なかった、新たな宰相からの謁見を求める声があるとのこと。
「……許可する。一刻後に、謁見を行う」
外は、もう日が沈みかけている。しかし、今日のうちに全ての顔合わせを行えるならば、その方が良い。何せ、父である前魔王は優柔不断で、恐ろしい数の不正を蔓延させている。そのため、周りは敵だらけにしか見えないのだ。どいつがどれだけ脅威になるのかを見定めるのは早い方が良い。
「片翼が優秀な者であったら嬉しいのだがな……」
現在、私は三百九十五歳。そろそろ失翼認定されてもおかしくない年齢にまで到達しており、これから後宮を持ち、女達を招かなければならないのだと思うと頭が痛い。次代を残すことは魔王の義務であるから、逆らうつもりはないし、いずれは子を作るつもりではあったが、せめて、最初の子は片翼との子が良いと思い続けて……結局、片翼は見つからなかった。
少しくたびれながらも、表情を作った私は、姿勢を正して謁見の間へと向かう。誰が敵なのか正確に把握できていない今、隙を見せることはできない。
謁見の間に入ると、いつもとは違って、何だか心安らぐ匂いが立ち込める。
「?」
疑問に思いながらも、それを顔に出すことなく、私は玉座に腰掛け、その先でひざまづいている者に目を向けて、思わずその目を大きくする。
「っ、面を上げよ」
「はっ」
そして、顔を上げたその男も、私を見て目を大きく見開く。金髪に赤い瞳、赤い角を持つ彼も、私が片翼だと気づいたのだろう。
「名は、何という?」
「パイロ、パイロ・リードと、申します」
少し震えた、低く心地良い声に、私は聞き惚れそうになるのをどうにか抑えて、その先の言葉を紡ぐ。
「宰相、であったな」
「はっ」
「では、この後、私の執務室に来なさい」
「御意」
お互い、分かっている。例え、目の前の相手が絶対的な味方になるのだとしても、その様子を周りに知られることは危険だと。それなりに頭が回るゆえに、分かってしまう。
「詳しくはそこで話す。以上だ」
これ以上話していると、パイロを抱き締めてしまいたくなる。衝動を抑えられなくなってしまう。片翼との出会いとは、それほどに衝撃的なものなのだ。
私は、そそくさと執務室へと戻ると、書類を処理しながら、パイロが来るのを待ち続ける。こんなにも心が浮き立つのは初めてだと思いながらソワソワと待ち続けるのだった。
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