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私、異世界で監禁されました!?の番外編
ヘルジオン魔国 ケンカ(サージェス視点)
パイロと出会ってから五年。私は、少しずつ国の膿を出しながら、パイロとともに国の舵取りをしてきた。それは、私一人では到底なし得なかったことだ。
ベッドの中、けだるい体で、パイロのたくましい肉体に抱きついた私は、案外寝起きの悪いパイロの寝顔を存分に堪能する。
(こんな幸せがあるとは、思ってもみなかった)
王になると決まった時は、そのプレッシャーに押し潰されそうだった。誰が敵で誰が味方なのかも分からず、常に緊張し続けた私は、きっと、すぐに限界を迎えたことだろう。
(パイロが居る。それだけで、私は……)
パイロの優しく心安らぐ香りを胸いっぱいに吸い込むと、パイロは小さく声を出す。
「ん……ジェス……?」
「パイロ? 起きたのか?」
寝ぼけているのか、赤い瞳をショボショボとさせるパイロ。その姿は何とも愛らしく、私は朝から幸せな気分になる。
「もう、少し……眠い」
「ふふっ、こういうところを見ると可愛いのにな」
ちなみに、夜は猛獣としか言い様がない。
(私が、女であれば良かったのに……)
一応、性転換の魔法は存在する。しかし、立場上、私もパイロも、それを使うわけにはいかなかった。そもそも、私とパイロの関係を周りに知らせていない。万が一、私の弱味としてパイロが人質に取られれば、私は相手の言いなりにならざるを得ないからだ。
(もう少し。もう少し、体制が整い、安全性が確保されれば、私はパイロとの関係に一歩踏み込める)
その時は、やはり私が女性化するべきだろうと思いながら、まだ何年も先になりそうなそれを思って苦笑する。
「パイロ。今日は議会があるだろう? そろそろ起きなければ」
「ん、んん……ジェス……サージェス様?」
「おはよう、パイロ」
「おはよう、ございます」
まだ眠そうにしながら、目をさするパイロ。私は、その柔らかそうな金髪を手ですいて、寝癖を整えてやる。
「あぁ、今日も寝癖がすごいな」
「……はっ! ね、寝癖は自分で直します」
しばらくぼんやりとしていたパイロは、私が寝癖を直していることに気づいて、慌てて頭を押さえる。
「恥ずかしがらずとも良いのに」
「い、いいえ、その……大丈夫ですのでっ」
赤くなるパイロが面白くてからかうと、懸命になって私から距離を取ろうとする。
「なら、寒いから抱き締めてくれ」
「っ!? あぁもうっ! 議会さえなければっ」
「? 『議会さえなければ』何なんだ?」
「……お願いします。煽らないでください」
そんな会話をしつつ、私達は別々に部屋を出る。私とパイロの関係を知るのは、一部の侍女のみ。パイロが朝まで私の部屋に居たなどという噂を立てられるわけにはいかなかったため、少し寂しいが、こうするしかない。
議会に謁見に執務。時には、領地を廻って視察をすることもある私は、今日も忙しくなりそうだと思いながら、パイロと過ごす時間を思って、精力的に仕事に取り組んだ。
その日の夜。いつものようにパイロが訪れて、人目がないことを確認して抱きつくと、パイロから『話がある』と言われる。
「嫌だ。どうせ、後宮のことだろう?」
「仰る通りで」
最近のパイロは、ことあるごとに私に女を娶るよう告げてくる。
パイロ曰く、正妃が居ない上、子供も居ない私は、不安定なのだそうだ。野心家から見れば、私さえ排除すれば、自分が魔王になれるかもしれないと思っていると。子供が居れば、それはある程度抑制できると。
「私にはパイロが居る。誰も娶るつもりはない」
「しかし」
「くどいっ。子供を作らないわけではない。ただ、それはパイロとの子が良いんだ」
さっさと政情を落ち着かせれば、パイロと一緒に居られるようになる。私が女性化して、パイロの子を産むことができる。
「それはいけません。サージェス様が女性化など、何かあったらどうするのですかっ! その場合は、私が女性化しますっ!」
「ダメだ。私が女性化するっ」
妊娠中に何かあったら、という心配は理解できる。しかし、それは私とて同じだ。パイロに何かあったら、私は生きていけない。
「いえ、そんな話ではありませんでしたね。どうか、女性を娶り、子をなしてください」
「嫌だ」
パイロは頭を下げてまで願ってくるものの、それだけは聞けない。すると、パイロの瞳が妖しく光る。
「……では、私にも考えがあります」
そう言い残して、パイロは私の部屋から去って行く。胸に残るのは、言い知れない不安だった。
ベッドの中、けだるい体で、パイロのたくましい肉体に抱きついた私は、案外寝起きの悪いパイロの寝顔を存分に堪能する。
(こんな幸せがあるとは、思ってもみなかった)
王になると決まった時は、そのプレッシャーに押し潰されそうだった。誰が敵で誰が味方なのかも分からず、常に緊張し続けた私は、きっと、すぐに限界を迎えたことだろう。
(パイロが居る。それだけで、私は……)
パイロの優しく心安らぐ香りを胸いっぱいに吸い込むと、パイロは小さく声を出す。
「ん……ジェス……?」
「パイロ? 起きたのか?」
寝ぼけているのか、赤い瞳をショボショボとさせるパイロ。その姿は何とも愛らしく、私は朝から幸せな気分になる。
「もう、少し……眠い」
「ふふっ、こういうところを見ると可愛いのにな」
ちなみに、夜は猛獣としか言い様がない。
(私が、女であれば良かったのに……)
一応、性転換の魔法は存在する。しかし、立場上、私もパイロも、それを使うわけにはいかなかった。そもそも、私とパイロの関係を周りに知らせていない。万が一、私の弱味としてパイロが人質に取られれば、私は相手の言いなりにならざるを得ないからだ。
(もう少し。もう少し、体制が整い、安全性が確保されれば、私はパイロとの関係に一歩踏み込める)
その時は、やはり私が女性化するべきだろうと思いながら、まだ何年も先になりそうなそれを思って苦笑する。
「パイロ。今日は議会があるだろう? そろそろ起きなければ」
「ん、んん……ジェス……サージェス様?」
「おはよう、パイロ」
「おはよう、ございます」
まだ眠そうにしながら、目をさするパイロ。私は、その柔らかそうな金髪を手ですいて、寝癖を整えてやる。
「あぁ、今日も寝癖がすごいな」
「……はっ! ね、寝癖は自分で直します」
しばらくぼんやりとしていたパイロは、私が寝癖を直していることに気づいて、慌てて頭を押さえる。
「恥ずかしがらずとも良いのに」
「い、いいえ、その……大丈夫ですのでっ」
赤くなるパイロが面白くてからかうと、懸命になって私から距離を取ろうとする。
「なら、寒いから抱き締めてくれ」
「っ!? あぁもうっ! 議会さえなければっ」
「? 『議会さえなければ』何なんだ?」
「……お願いします。煽らないでください」
そんな会話をしつつ、私達は別々に部屋を出る。私とパイロの関係を知るのは、一部の侍女のみ。パイロが朝まで私の部屋に居たなどという噂を立てられるわけにはいかなかったため、少し寂しいが、こうするしかない。
議会に謁見に執務。時には、領地を廻って視察をすることもある私は、今日も忙しくなりそうだと思いながら、パイロと過ごす時間を思って、精力的に仕事に取り組んだ。
その日の夜。いつものようにパイロが訪れて、人目がないことを確認して抱きつくと、パイロから『話がある』と言われる。
「嫌だ。どうせ、後宮のことだろう?」
「仰る通りで」
最近のパイロは、ことあるごとに私に女を娶るよう告げてくる。
パイロ曰く、正妃が居ない上、子供も居ない私は、不安定なのだそうだ。野心家から見れば、私さえ排除すれば、自分が魔王になれるかもしれないと思っていると。子供が居れば、それはある程度抑制できると。
「私にはパイロが居る。誰も娶るつもりはない」
「しかし」
「くどいっ。子供を作らないわけではない。ただ、それはパイロとの子が良いんだ」
さっさと政情を落ち着かせれば、パイロと一緒に居られるようになる。私が女性化して、パイロの子を産むことができる。
「それはいけません。サージェス様が女性化など、何かあったらどうするのですかっ! その場合は、私が女性化しますっ!」
「ダメだ。私が女性化するっ」
妊娠中に何かあったら、という心配は理解できる。しかし、それは私とて同じだ。パイロに何かあったら、私は生きていけない。
「いえ、そんな話ではありませんでしたね。どうか、女性を娶り、子をなしてください」
「嫌だ」
パイロは頭を下げてまで願ってくるものの、それだけは聞けない。すると、パイロの瞳が妖しく光る。
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