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後編
良く晴れ渡った青空のその日、とある二人の結婚式が行われた。
前日が彼らの通っていた学園の卒業式だったこともあり、彼らの学友……いや、彼女の学友達が多く訪れ、祝いの言葉を贈る。
「マーシャル嬢、とても美しいですわ!」
「おめでとうございます!」
新婦であるリィナの姿は、もはや神々しいと評するに相応しいもので、後光が差しているようにも見える。対する新郎であるカークは、この世の終わりかのような表情を浮かべて、とてもではないがこの華やかな結婚式には似つかわしくない状態だった。
しかし、さすがに結婚式ということもあり、空気を呼んだのか、カークが話したのは結婚式の宣誓くらいで、それ以外はひたすらに沈黙を貫いた。
第二王子を貴族に残すための結婚。そう伝え聞いている会場の面々は、なぜ、こんなにも美しい花嫁を得ておきながらそんな表情をするのか理解できなかったが、そもそもがあまり頭の出来が良くないと評判の第二王子。きっと、貴族としての常識では計れない不満があるのだろうと、誰一人としてカークに声をかけることはない。
そしてそれは、会場に招かれていた国王陛下や王太子殿下も同じで、カークのその表情に何か思うところはあるようだったが、それが本人の幸せだと信じているのか、何も言うことはなかった。ただ、彼らはカークという面倒な存在を押し付けてしまうこととなるリィナへ、深く頭を下げ、『おめでとう』と口にするのみだった。
こうして、第二王子だったカークは、公爵家の婿養子としての身分を手にした。しかし、この結婚式以降、カークの姿は表舞台から消えた。
人々は、やはり、あのような男を人前には出せないだろうと噂する。もしくは、公爵家の婿養子としての再教育が芳しくないのだろうとか、そもそも人前に出すこと自体恥ずかしいのだろうとか……しかし、人の噂というものはそう長く続かないもので、いつしかカークの存在は忘れ去られていく。
時折、美しいリィナへ何も知らずに告白する貴族も居たが、その時だけ、第二王子の存在が人々の口に上るだけで、それ以外は全て風化する。そう、第二王子など、元から存在しなかったかのように。
「ふふっ、愛していますよ。カーク様」
ただ一人、リィナだけは、日々、カークへの愛を囁き続けたのだと言う。
前日が彼らの通っていた学園の卒業式だったこともあり、彼らの学友……いや、彼女の学友達が多く訪れ、祝いの言葉を贈る。
「マーシャル嬢、とても美しいですわ!」
「おめでとうございます!」
新婦であるリィナの姿は、もはや神々しいと評するに相応しいもので、後光が差しているようにも見える。対する新郎であるカークは、この世の終わりかのような表情を浮かべて、とてもではないがこの華やかな結婚式には似つかわしくない状態だった。
しかし、さすがに結婚式ということもあり、空気を呼んだのか、カークが話したのは結婚式の宣誓くらいで、それ以外はひたすらに沈黙を貫いた。
第二王子を貴族に残すための結婚。そう伝え聞いている会場の面々は、なぜ、こんなにも美しい花嫁を得ておきながらそんな表情をするのか理解できなかったが、そもそもがあまり頭の出来が良くないと評判の第二王子。きっと、貴族としての常識では計れない不満があるのだろうと、誰一人としてカークに声をかけることはない。
そしてそれは、会場に招かれていた国王陛下や王太子殿下も同じで、カークのその表情に何か思うところはあるようだったが、それが本人の幸せだと信じているのか、何も言うことはなかった。ただ、彼らはカークという面倒な存在を押し付けてしまうこととなるリィナへ、深く頭を下げ、『おめでとう』と口にするのみだった。
こうして、第二王子だったカークは、公爵家の婿養子としての身分を手にした。しかし、この結婚式以降、カークの姿は表舞台から消えた。
人々は、やはり、あのような男を人前には出せないだろうと噂する。もしくは、公爵家の婿養子としての再教育が芳しくないのだろうとか、そもそも人前に出すこと自体恥ずかしいのだろうとか……しかし、人の噂というものはそう長く続かないもので、いつしかカークの存在は忘れ去られていく。
時折、美しいリィナへ何も知らずに告白する貴族も居たが、その時だけ、第二王子の存在が人々の口に上るだけで、それ以外は全て風化する。そう、第二王子など、元から存在しなかったかのように。
「ふふっ、愛していますよ。カーク様」
ただ一人、リィナだけは、日々、カークへの愛を囁き続けたのだと言う。
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