学園で妾探しする婚約者には愛想がつきました。領地の問題は私が解決して、理解ある辺境伯様に溺愛されます。

津田ミト

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婚約者エドワード・ウィンスロップ

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私が研究室に通うようになって間もないころだった。

馴れない研究に疲れ身体を引きずるようにして帰宅していた時、私は偶然にもエドワードの裏切りを目撃してしまった。

私の目に飛び込んできたのは、学園の裏手で婚約者のエドワードが女子生徒とイチャつく姿だった。

私は彼の近くに行き、彼らの話に聞き耳を立てた。

そして、女子生徒に向かって、「結婚後は君を愛人にしてを囲うつもりだ」と言う声が聞こえた。

私は彼の言葉に耳を疑った。

ラングレー領は水不足時の支援と引き換えにウィンスロップ領に鉱物を格安で提供している。

両家のつながりのために、私とエドワードは婚約していた。
つまりエドワードとの婚約は、政略的なものであり、彼が私を愛しているわけではないとは分かっていたが、ここまで酷いとは思ってもいなかった。

それに、ウィンスロップ領はうちが格安で鉱物を提供しているため、最近羽振りが良いが、領自体に特別な産業があるわけではない。

妾を養う財力なんてどこにあるんだろうか。

「えどぅわーどさまー、すてきー。」女子生徒が、エドワードを褒め称える声をあげた。

「え~!?」

私はエドワードの行動よりも、女子生徒の返答に驚き、思わず声をあげてしまった。
いやいや、この男のどこが「すてきー。」なのか。理解に苦しむ。

とたんにエドワードと女子生徒が振り向き、私に気がつく。

エドワードは私に見つかっても悪びれる様子もなく、むしろ私を非難した。

「頭でっかち女じゃないか。見てたのか?のぞきとは卑しいな。まぁ事情を説明する手間がはぶけた。そういうことだ。結婚後は我々に仕えると良い。我がウィンスロップ領の援助がないと立ちいかない貧しい領の出身だ。文句は言えまい。」

エドワードが私のことを見下して笑う。

色々とおかしい理論だが、 今は領地のために婚約に異を唱えることはできない。

「ほらみろ、何も言えない」とでもいうように、エドワードは私を一瞥すると、女子生徒の肩を抱いて去っていった。

それにしても、魔法学園で妾探しをしているとは…このクソ男め。私の気持ちは婚約破棄一択だ。

やはり穏便に婚約破棄するためにも、領地の問題を解決させねばならない。

私は、改めて研究を完成させると誓ったのだった。
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