ちょいクズ社畜の異世界ハーレム建国記

油揚メテオ

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第四章 竜騎士編

第98話 押しかけヴァンダレイ

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 家に帰ってきてから数日が経った。
 やっぱり我が家はいい。
 周囲に敵がいない感じがして安心できる。
 王都のようにいつ何時誰かにディスられるかもしれないという恐怖はないのだ。

 そんなわけでここ数日は思い切り自堕落に過ごした。
 最近の日課である裁縫スキル上げ以外は、引きこもって俺の女を抱きまくっている。
 いつもと変わらない気がするので、何がそんなわけでなのかはよくわからないが。
 とにかく王都でストレスを溜めたので、長期間の休養を要するのだ。
 しばらくしたらまた戦争に呼ばれるかもしれないので、それまではゆっくりしようと思う。
 魔族は3ヶ月に1回くらいのペースで攻めてくるらしいので、あと2ヶ月くらいしかゆっくりできないが。
 せめて3年は休みたかった。
 貴族にはリフレッシュ休暇とかないのだろうか。
 そんなの一度もとったこと無いけど。


 今日はお昼頃にメグが家に遊びに来た。
 俺はルーナ製のソファーに寝転んで、テーブルでお茶を飲んでいるメグの相手をしていた。

「コウさま、おはなしがあります」

 そう切り出して、メグはいつになく真剣な表情をする。
 何か大切な話だろうか。
 そこはかとなく嫌な予感がするが。

「いったい、いつになったらわたしを抱いてくれるんですか!」

 メグはそんな事を言いながら、テーブルをぱんと叩く。

 ふむ。
 なんか知らないけど怒っているようだ。
 いや、抱けと言われれば喜んで抱くけどさ。
 かなりロリコン臭はするものの、メグは美少女だ。
 食指は卑猥なまでに動きまくる。
 ただなー。
 そういうことは二人っきりの時に言って欲しかった!

 メグの向かいに座ったルーナは、なぜか無表情で俺とメグのやり取りを見守っている。
 無言でお茶請けのクッキーをポリポリ齧っているのが、ちょっと怖い。
 少しでも俺が回答を間違えたら、物凄く面倒くさい事になりそうだ。

 というか、なぜメグはルーナの前でそんな事を言うのか。
 もはや空気が読めないってレベルじゃない気がしてきた。
 どんだけ爆弾投げれば気が済むんだ。
 ボンバーマンなんだろうか。

「俺にはルーナがいるんだから、メグを抱けるわけないだろう?」

 そんな白々しいことを言ってみた。
 我ながら歯が浮きそうになるが、ルーナは満足そうにうんうん頷いている。

「むー! でも、わたしを飼ってくれていたおじさんは奥さんがいても、わたしにいたずらしてましたよ?」

 出た。
 メグの過去話によく出てくる変態おじさんだ。
 ホントいつかぶん殴ってやりたい。

「メグ、コウをそのおじさんと一緒にしてはダメだ。コウは私を愛しているから、メグにそんなことするわけないだろう? なぜなら、コウは私を愛しているから」

 なぜ2回言ったし。
 ルーナはなんというか余裕の正妻スマイルでメグを窘めている。
 他の女にも手を出しまくっている身としては、ちょっと胸が痛くなる。
 いや、別に浮気をしているってわけではないんですけどね。

「でも、コウさまチューはしてくれました!」

 ああ、ばか!
 だからなんですぐに爆弾を投げるんだっての!
 いや、俺がソファーに寝転んでいたのが悪いか。
 メグと話す時には、常にそばにいていつでも口を塞げるようにしておかないとダメだった。
 そう思って、立ち上がろうと――。
 する前に、ルーナがガタッと席を立ってツカツカと歩いてきた。

「……おい、メグとキスしたのか?」

 ルーナが顔をずいっと寄せて来た。
 近い近い。

「い、いや? したような、してないような」

「えー! ちゃんとしてくれましたよ! ちゅばちゅばって」

「おい! ちゅばちゅばなんてしてねえだろ! ちゅっくらいだったはずだ」

 メグは何を言っているんだ。
 たしか、戦争に行く日にちょっとしちゃった気がするが、物凄く軽くだった気がする。
 紛らわしい擬音はやめてもらいたい。

「ちゅっはしたのか」

 ルーナがギロリと睨んでくる。
 しまった。

「い、いや、まあそれくらいは挨拶と言うか……」

 ルーナの目にうるうると涙が溜まっていく。
 ああ、やばい。

「……なんですぐに他の女とキスするの? もうこの辺に住んでる全員とキスしてるじゃないか!」

 全員? 失礼な。
 全員となんてしていない。
 俺がしたのは、セレナとフィリスとカンナさんとミレイとメグと……。
 あ、あれ。

「ピートとカー坊とはしてない!」

 胸を張って言ってみた。

「だからなんだ?」

「……なんだろう?」

 本当になんだろう。

「ううっ、なんですぐに浮気するの? もしも私がピートとキスをしたらどうする?」

「ピートを抹殺する」

 想像する前に、言葉が勝手に出ていた。
 あのモブキャラ野郎。
 そんなことが起こる前に、あらかじめ殺しておいた方がいいだろうか。

「……私の気持ちがわかったか?」

 メグを殺したいのだろうか。
 いや、そんなことはしないだろうけど。
 嫉妬は十分わかった。

「……悪かった」

「……うん。とりあえず、私にもキスして」

 言われるがまま、ルーナにキスをする。
 そのままルーナは抱きついてくる。

「罰として今日はこのまま私を可愛がるんだぞ? もうしばらく離れてやらないからな!」

 俺の胸に顔を埋めたまま、ルーナはふがふがと言った。
 そんなルーナが可愛かったので、全然罰になってないのだが、とりあえずルーナの頭を撫でる。
 よし、こうなったら全力全開でルーナを可愛がってやろう。
 俺の房中術スキルが火を吹く時が来た。

「ご、ごくり」

 そんなこんなでルーナの服を脱がそうとしていたら、メグが目をギンギンに血走らせて俺たちを見つめていた。
 そうだった。
 メグがいたんだった。
 子供の教育上、よろしくないことをしてしまっただろうか。
 いや、思い切りしている。

 ――コンコン。

 ドアがノックされたのは、そんな時だった。
 また来客だろうか。
 でも、今は取り込み中なので無視する。

「もう、誰だ」

 しかし、ルーナがすくっと立ち上がってしまった。
 不満そうにしながらも、乱れた服を直しながらドアへと向かう。
 さっき離れないって言ったのに。
 俺はしょんぼりしてしまった。

「おお、ルーナ殿。久しぶりじゃのう」

 ドアの外から懐かしい声が聴こえる。
 そこに立っていたのは、ヴァンダレイジジイだった。



 久しぶりに見たヴァンダレイジジイは、片目に眼帯を付けていて、なんというか迫力が半端ない。
 唯一残った左目の眼光は鋭さをまったく失っておらず、のろのろと玄関にやってきた俺を鋭く射抜いた。

「怠けきっておるのう」

 俺を見るなり、ヴァンダレイジジイはそんな事を言って、左目を細める。
 久しぶりに会ったというになんという言い草だろうか。
 まあ、思い切り怠けているが、そんな事をジジイに言われる筋合いはないのである。
 つうか、何しに来たんだろうか。

「とりあえず、上がってくれ」

 ルーナがヴァンダレイジジイを招き入れる。

「失礼する」

 軽く頭を下げて、ヴァンダレイジジイがズカズカと家の中に入ってきた。
 ヴァンダレイジジイの後ろから、ちょろちょろと小さな物体がついてきた。
 藍色の髪の毛をおかっぱにした女の子だった。
 年の頃は7歳位だろうか。
 なんだこのロリの化身は。
 メグなんて鼻で笑うくらいの濃厚なロリコン臭がする。
 なぜこんなロリがヴァンダレイジジイについてくるんだろう。
 開けてしまったのだろうか。
 ゲート・オブ・ロリコンを。
 ロリっ子は俺と目が合うと、大きな目を見開いて、思い切り怯えた表情を見せた。
 そして、ジジイの足にしがみつく。

「……なんだそれは? さらってきたのか?」

 ちょっと幻滅ですわ。
 メグの変態オジサンと同じレベルじゃないか。

「それとはなんじゃ! この子は儂の孫じゃ」

 孫だったのか。
 全然似てないのだが。
 というか、孫なんか連れて本当に何をしにきたんだろうか。


 とりあえず、全員でテーブルに座る。
 ルーナが皆にお茶を配る。
 ロリっ子の前には更にクッキーも置いていた。
 ロリっ子はクッキーを見て、頬を赤らめると、ジジイの方をチラッと見る。

「ちゃんとお礼を言ってから、頂くんじゃぞ」

「……ありがとう、お姉さん」

 ルーナがニコっと微笑むと、ロリっ子はげっ歯類のようにクッキーを齧り始める。
 うーむ。
 思わずその仕草に皆が注目してしまう。
 子供は嫌いだったが、かわいいと言えなくもない。

「で、何の用だ?」

 ジジイらしからぬ、背筋をピンと伸ばした姿勢で椅子に座るヴァンダレイジジイに目を向ける。
 ジジイは紅茶を一口飲んでから口を開いた。

「そうじゃな、何から話そうかのう。まずは、儂はこの度、フィンデル家の家臣を引退する事にした。利き目も失ってしまったしのう」

「ほう」

 むしろ、その歳でまだ引退してなかったのかよと思う。
 ヴァンダレイジジイは多分70を超えているように見える。
 それなのに、現役の軍人で、しかも先陣をきってオークをぶった斬っていた。
 冷静に考えると、どんな化物ジジイだよと思ってしまう。

「それでだ、田舎にでも引っ越して、畑でも耕しながら孫を育てていこうかと考えていたんじゃが、聞く所によると、お主、騎士になったらしいのう?」

 なかなか耳が早いじゃないか。
 そう。もうかつての俺ではない。
 ジジイに怒鳴られて、ボコボコにされていた時の俺とは違う。
 爵位を得たのだ。
 爵位なんてなんのメリットがあるんだろうと思っていたが、平民であるジジイに威張り散らせると思うと悪くない気がしてきた。

「そうだ。偉くなったんだ」

 そんな事を言って、ジジイを平伏させようとした。

 しかし、ジジイは小さく鼻で笑う。
 え、そんなリアクションあり?
 すげえ小馬鹿にされた感がするんだけど。
 無礼な。手打ちにしてやるべきか。
 しかし、剣を抜いた所で、ジジイに返り討ちに遭う未来しか見えない。
 結局、強さが全てな気がして、そこはかとない理不尽さを感じた。

「せっかく騎士になったんじゃ。これからは一層の精進が必要じゃろう。だから、貴様を鍛えてやろうと思ってな。この辺りに住むことにしたんじゃ」

 そのセリフに、一瞬、意識が宇宙を彷徨った。
 え、何言ってんのこのジジイ。
 ありがた迷惑にも程がある。

「いや、そういうのいいんで」

 とりあえず、丁重にお断りすることにした。
 ジジイが近所に住むとか。
 ストレスフルすぎて、想像しただけで毛根が心配になってしまう。

「儂と貴様の仲じゃ、そんなに遠慮するでない」

 いや、遠慮なんて1ミリもしてないんだけど。
 だいたいどんな仲だよ。

「儂に任せておけ。ちゃんと貴様を一人前の騎士にしてやるわい」

 そんな事を言うジジイは思い切り真顔で、とても冗談を言っているようには見えない。
 というか、ジジイが冗談を言っている所なんて見たことがない上に、そもそも笑っている所も見たことがない。
 多分、ジジイはマジなんだろう。
 え、なにそれ。
 押しかけ女房とかなら、ちょっと憧れるが、押しかけジジイって誰得なんだろうか。
 直感的に思った。
 ここは断固として反対しなければならない。
 せっかくこの辺が俺のユートピアとなりつつあったのだ。
 とびきりの美女だけが住み、しかもその美女たちはすぐにヤらせてくれるという。
 そこに、どっかのバカ兄弟が引っ越してきただけでもちょっと不満だったのに、口やかましいジジイが住むのは絶対に頂けない。

「えっと、でも、やっぱり――」

「うるさい! もう決めたんじゃ! つべこべと口答えするでないわ!!!」

 ジジイの雷が落ちる。
 思わず身がすくんでしまう。
 なんて横暴なジジイだろうか。

「廃屋が数件あるじゃろう? どれか1軒を貰うぞ。直して孫と住む。あと、勝手に畑も耕すからのう。生活が落ち着いたら、たっぷり貴様をしごいてやる。楽しみにしておれよ」

 ジジイはそんな好き勝手な事を言い放つと、さっさと家から出て行く。
 その後ろをロリっ子がてててっとついていった。
 どうしよう。
 ジジイを追い出したいけど、また怒鳴られるのが嫌で何もいえない。
 そんな事を考えていたら、ロリっ子が一人で戻ってきた。

「……あの、これから、どうぞよろしくおねがいします」

 ロリっ子はそう言うと、ペコリと頭を下げる。
 くそ、あの横暴ジジイの孫とは思えないほどいい子だ。

「ああ、こちらこそよろしくな」

 ルーナが相好を崩しながら言っている。
 よろしくじゃねえから。

 ロリっ子は再びてててっと外まで走っていくと。

「ちゃんと挨拶できたかのう」

「うん」

「よしよし、いい子じゃ」

 そんなやり取りが聞こえてきた。
 孫にとってはいいジジイなんだろうか。

「コウさま、あの子に手を出す前に、ちゃんとわたしを抱いてくださいね? 順番ですよ、順番!」

 メグがそんな失礼な事を必死に言ってきた。
 あんな子に手を出すつもりはないのだが。
 つうか、順番ってなんだよ。

 というか、なんでこんなことになってしまったのだろうか。
 あーむしゃくしゃする。

「ふふ、やっぱり子供は可愛いな。……は、早く私も、赤ちゃん欲しいな?」

 ルーナは照れながらも、そんな事を言って俺をちらちら見る。
 なんという直球セックスアピール。
 とりあえず、ルーナをソファーに押し倒す。
 そのまま首筋に吸い付くと、ルーナは嬉しそうに喘いだ。
 もうこのままルーナを抱いて、嫌なことは忘れようと思った。
 ぺろんと脱がせて、愛撫に集中する。
 そして、ルーナの桜色の乳首に舌を這わせながら思うのだ。

 あのジジイ、家を直すとか言ってたけど大丈夫だろうか。
 ピートがかなり苦労していたのを思い出す。
 だいたい、畑を耕すって言ってたけど、それまで食料はどうするつもりなんだろうか。
 腹を空かせて、寒空の下でうずくまるジジイとロリっ子の姿が脳裏に浮かんだ。

 クソが。

「……悪い。ちょっとジジイの面倒見てくるわ」

「ええ!? ……こんなところでやめないで欲しいんだけど」

 不満そうなルーナを残して、ソファーから身を起こす。
 その時、テーブルに座って鼻血を垂らしているメグに気づいた。
 まだいたのかよ。

 とりあえずメグは放置して、家を出ると、ピートの時と同じようにセレナ邸から丸太を持って、ジジイの後を追った。
 全く世話のかかるジジイだ。
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