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第四章 竜騎士編
おまけ シュバインベルク姉妹の様子
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王都屈指の高級住宅街ケルヘム地区。
そこに広大な敷地を持つ王国の重臣の邸宅にて、2人の姉妹が久方ぶりの再会を果たしていた。
邸宅の見事な庭を一望できるテラスにて、姉妹は仲良く午後のティータイムを楽しむことにした。
「……ねえ、アン。ちゃんと毎日栄養のあるもの食べてる?」
王都で最近人気の菓子ミルフィーユを一心不乱に頬張る妹を見て、姉は普段から妹が腹を空かしているのではないかと心配になった。
何よりも妹は武芸一辺倒だった祖父が育てているのだ。
妹は祖父に懐いているので、仕方なく祖父に任せたのだが。
「うん。たべてるよー。クッキーとか、パイとか。ルーナお姉ちゃんのつくったおかしすきー」
まるでクッキーやパイしか食べていないように聞こえて、姉は更に不安を募らせた。
しかし、姉はそれよりも妹の言葉に出てきた聞きなれぬ人名が気になってしまった。
姉は思わず身を乗り出して、妹に詰め寄ってしまう。
「そのルーナって、あの人の奥さんのことよね? どうなの? あの二人仲いいの?」
姉の謎の剣幕に気圧されながら、妹は詰め込んでいたミルフィーユをごくりと飲み込んだ。
「……う、うん。すっごくなか――」
そこまで口にした所で、妹は自分のポッケの中にしまいこんだアメの存在を思い出した。
いつもお菓子をくれる妹にとって絶対権力者の少年と別れ際に自分はなんと約束したかを思い出す。
(俺が普段ルーナたちにしている事は言っちゃダメだぞ?)
「――よくないよ……」
妹はお菓子の誘惑に負けて、大好きな姉に嘘をついた。
「仲良くないの!? 上手くいっていないってこと? ……だから、あの人……私の事……」
なぜか姉は女の顔をして、頬を赤らめた。
「ほ、他の女は? 奥さんと上手くいってないってことは、他に仲のいい女がいるんじゃないの? ほら、綺麗なお姉さんたちがいっぱいたでしょう? あのお姉さんたちとお兄ちゃんは仲いいの?」
別の不安がよぎってしまった姉は、妹に再び詰め寄る。
「他のお姉ちゃんたちとお兄ちゃんはねー、すっごくなか――」
妹はポッケの中のアメを握りしめた。
「――よくないよ……」
悲しいことに妹は罪を重ねる。
「そっか。そうなんだ……やっぱり……私の事好きって言ったのは……。でも、それくらい他の女にも言ってそうだし、あまり真に受けるのも……で、でも、あの時の手、すごく温かかったし…………」
顔を赤らめてもじもじする姉と、犯してしまった罪の重さに苛まれる妹の表情は対象的だった。
そこに広大な敷地を持つ王国の重臣の邸宅にて、2人の姉妹が久方ぶりの再会を果たしていた。
邸宅の見事な庭を一望できるテラスにて、姉妹は仲良く午後のティータイムを楽しむことにした。
「……ねえ、アン。ちゃんと毎日栄養のあるもの食べてる?」
王都で最近人気の菓子ミルフィーユを一心不乱に頬張る妹を見て、姉は普段から妹が腹を空かしているのではないかと心配になった。
何よりも妹は武芸一辺倒だった祖父が育てているのだ。
妹は祖父に懐いているので、仕方なく祖父に任せたのだが。
「うん。たべてるよー。クッキーとか、パイとか。ルーナお姉ちゃんのつくったおかしすきー」
まるでクッキーやパイしか食べていないように聞こえて、姉は更に不安を募らせた。
しかし、姉はそれよりも妹の言葉に出てきた聞きなれぬ人名が気になってしまった。
姉は思わず身を乗り出して、妹に詰め寄ってしまう。
「そのルーナって、あの人の奥さんのことよね? どうなの? あの二人仲いいの?」
姉の謎の剣幕に気圧されながら、妹は詰め込んでいたミルフィーユをごくりと飲み込んだ。
「……う、うん。すっごくなか――」
そこまで口にした所で、妹は自分のポッケの中にしまいこんだアメの存在を思い出した。
いつもお菓子をくれる妹にとって絶対権力者の少年と別れ際に自分はなんと約束したかを思い出す。
(俺が普段ルーナたちにしている事は言っちゃダメだぞ?)
「――よくないよ……」
妹はお菓子の誘惑に負けて、大好きな姉に嘘をついた。
「仲良くないの!? 上手くいっていないってこと? ……だから、あの人……私の事……」
なぜか姉は女の顔をして、頬を赤らめた。
「ほ、他の女は? 奥さんと上手くいってないってことは、他に仲のいい女がいるんじゃないの? ほら、綺麗なお姉さんたちがいっぱいたでしょう? あのお姉さんたちとお兄ちゃんは仲いいの?」
別の不安がよぎってしまった姉は、妹に再び詰め寄る。
「他のお姉ちゃんたちとお兄ちゃんはねー、すっごくなか――」
妹はポッケの中のアメを握りしめた。
「――よくないよ……」
悲しいことに妹は罪を重ねる。
「そっか。そうなんだ……やっぱり……私の事好きって言ったのは……。でも、それくらい他の女にも言ってそうだし、あまり真に受けるのも……で、でも、あの時の手、すごく温かかったし…………」
顔を赤らめてもじもじする姉と、犯してしまった罪の重さに苛まれる妹の表情は対象的だった。
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