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第六章 エルフ王国編
第215話 フェルちゃんの帰還 下
因果は巡る。
俺が毎日清く生きているおかげだろう。
なんとなく飼っていたトカゲが、ある日突然、美女になった。
何言ってんだコイツと思っただろうか。
俺もそう思う。
でも、だって実際美女になったんだもん。
俺は爬虫類が苦手なのだ。
たまにフェルさんのやたら白い腹とかが見えちゃったときは、キモって思ったものだ。
しかも、あいつ無駄にでかいからすぐ目に入るんだもん。
でも、追い出さないでおいた。
そんな俺の優しさが実を結んだのだと思う。
因果は巡るのだ。
そんなわけで、突然美女になったフェルさんと、俺たちはテーブルに座ってお茶を飲んでいた。
「ううっ、コウ! 寂しかった!! よく我慢できたな? もう離れないでいてやるからな? えへへ」
縄を解かれたルーナが泣きながらひっついてくる。
なんで俺が我慢してる側なのかわからなかったが。
膝の上に乗っかるルーナは可愛い。
「ちょっと!! 今日は私がたくさん可愛がってもらうはずだったのに!! 結局お前ばかりベタベタして!? 離れなさいよ、このっ!」
「あいたたたっ! コウは私のことが大好きなんだから仕方ないじゃないかっ!」
「はあ!? 冗談は頭と股の緩さだけにしなさい!? コウが本当に好きなのは私かもしれないじゃないのよ! ていうか、私のこともギュッてしなさいよ! よいしょっと」
「な、なんでお前までコウの膝に乗ってくるんだ!? ここは私の場所なのにー!」
なぜか膝の上でルーナとセレナが喧嘩を始めた。
パカパカとルーナが殴られていて、更に脳が悪化しないか心配になるのだが。
俺としては美女二人を膝に載せられて満足だった。
とはいえ、殴り合うのは感心しない。
一方的にルーナがボコられているのも気になるが。
ここは男として仲裁しなくては。
「やめるんだ。二人とも!」
俺は真面目な顔で口を開いた。
「コウかっこいい」「わ、私は別にっ! ……かっこいいけど」
膝の上の二人はものすごくチョロいことを言っていた。
別にカッコつけたわけじゃないのだが。
こいつら大丈夫だろうか。
まあ、それはそれとして、今は仲裁が先だ。
「二人とも、続きは上のベッドで聞いてやる」
「ええ!?」
「……(コクッ)」
驚くルーナに、赤くなりながら頷くセレナ。
さすがセレナの方が乱交耐性が強い。
乱交耐性ってなんだよ。
「夫婦の寝室に他人を入れちゃダメじゃないか!! ていうか、何をしおらしく頷いてるんだ!?」
「は、はあ!? べ、べつに頷いてないわよっ!」
セレナが必死に否定しているが、さっきの可愛さは忘れない。
「だから、喧嘩はするなって。どっちが俺のちんこを上手にしゃぶれるかで勝負するんだ」
我ながら名案を思いついてしまった。
「えええ!?」
「……負けないわよ」
再び驚くルーナに謎のやる気を見せるセレナ。
「って、負けないってなんだ!? しゃぶる気まんまんじゃないか!! 私のおちんちんなんだからダメだー!」
「しゃ、しゃぶる気なんてないわよっ!! だいたいなんで私がお前の淫臭塗れのベッドに行かなきゃなんないのよっ!」
「そんなにくさくないもん!!」
どうしよう。
二人が全然喧嘩を止めてくれない。
「まあまあ、お二人とも」
そんな時、仲裁に入ってくれたのはカンナさんだった。
頼もしい。
「それにコウくん? フェラチオ対決なんてしたら、お姉ちゃんの圧勝でお二人が可愛そうですよ?」
「なんで当然のように参戦してるのよ……私がぺろぺろしてあげようと思ってたのに」
「ていうか、なんで裸なんだ!?」
カンナさんはさっき脱いだまま全裸だった。
見事な肢体をこれでもかっと見せつけてくるのでおちんちんが痛くなる。
まあ、フェラチオ対決でルーナとセレナがカンナさんに勝てるわけないのだが。
特にルーナはフェラチオが絶望的に下手なのだ。
ねえ、気持ちいい? 気持ちいい、コウ? えへへ、ぺろぺろ。
と、最中にすげえ話しかけてくるので全然集中できない。
どやどやオヤジ(最中に、どや? どや? と聞きまくる妖怪)なのかと。
「……せ、せっかくだし私も2階行こうかな」
「なんでにゃ!?」
ピョン吉がソワソワしながら言った。
参戦する気まんまんじゃねえか。
二階には近づかないのが、我が家の暗黙ルールだった。
まあ、今日は無礼講でフェラチオパーティと行きますか!
とりあえず、怯えるニャン子も連れて行こうと思う。
「………………」
そんな時、俺は気づいてしまった。
テーブルの隅で、まだ見慣れぬ美女が寂しそうな表情をしているのを。
俺と目が合った美女はニコッと笑う。
「やっと我を思い出してくれた」
フェルさんのくせに可愛い!?
「そういえば、あのドラゴンがなんで人間の姿をしているのか聞こうとしてたんだったわね……」
「なんでフェラチオパーティの話になったんだろうな……」
「フェラチオパーティってなんだ!?」
まあ、パーティはひとまずおいておいて。
「……で、お前はなんでそんなに可愛くなっちゃったんだ?」
フェルさん――せっかく美女になったんだからフェルちゃんとでも呼ぼうか、フェルちゃんにみんなの視線が集まる。
フェルちゃんは大きな金色の瞳をくりくりさせながら緊張した様子だった。
あれ、可愛い。
この家に入ってきた時も、家の中をキョロキョロと見渡していたっけ。
あれも可愛いかった。
元はでっかいだけが取り柄のトカゲだったのに!
フェルちゃんは深呼吸を一つすると、ゆっくりと話し始めた。
人化した理由を。
ちなみに、フェルちゃんは声も可愛い。
「……我ら龍種は、女神によって創られた時から、一つの命題を持っている。来るべき、終末の刻に備えて力を蓄えろ、というな。だから、我は矮小なる小竜であった時から、数千年の時を経て、力を蓄え続けた。世界に五柱しか存在しない古龍へと至るまで。それでも我は力を蓄え続けた。そして、そろそろ次の段階の進化に至ろうかと言う時に――」
フェルちゃんの話は、なんというかスケールがでっかかった。
数千年とかスケールがでかすぎて、俺なんかは気が遠くなっていくのだが。
その場にいる面々は何やら緊迫した面持ちをしていた。
あのセレナやカンナさんまで、ちょっと緊張した表情をしている。
あ、ルーナは俺と一緒で、よくわかんなかったみたいだ。
俺と目があってにへらっと笑っている。
バカだけどかわいい。
「――我は龍樹への進化をやめて、人間へと進化したのだ」
あ、フェルちゃんの話、終わったっぽい。
「いやいや、意味がわかりません!?」
この場で一番意味のわからない全裸姿のカンナさんがそんな声を上げていた。
それにしても、いいおっぱいである。
舐めたい。
「龍樹ってアレでしょう? エルフ達の世界樹の母体になったっていう……もう神話の存在じゃないの」
「……なんで龍樹への進化をやめて人間なんかに進化したんでしょう? 女神の命題はどこへ行ったんでしょう? ドラゴンってバカなんじゃ……」
セレナとカンナさんがぼそぼそと相談しながら、フェルちゃんに訝しむような目を向けていた。
フェルちゃんが美女化した理由が、よっぽどわからないらしい。
2人は、効率厨なのだろうか。
後戻りしたっていいじゃない、と思うのだが。
フェルちゃんはというと、セレナとカンナさんの視線に耐えかねたのか、小さな尻尾をプルプルと震わせていた。
そして、少し涙ぐみながら俺をきっと見つめる。
悔しいけどかわいい。
「だって、主がぜんぜん構ってくれないからっ!! 人間種のメスばかり可愛がって、我をないがしろにするから悪いのだ!!!」
なぜか俺を糾弾し始めた。
トカゲと女だったら、女を可愛がるのは当たり前だろうに。
「……呆れたわ。ドラゴンとしてのプライドはないのかしら」
「いえ、そっくりそのままセレナお嬢様に言いたいセリフです」
「ええ!?」
常日頃から真祖として、それでいいのかという行動を繰り返すセレナが、カンナさんにツッコまれている。
いやでもいいじゃない。
アナルほじられてアヒアヒ言ってる真祖がいてもいいじゃない。
「……ていうか、あなたは古龍に何をさせているのよ?」
セレナに呆れた目を向けられる。
いや、俺は何もしていないのだが。
ただ、まあ美女化したフェルさんにあえて言うなら。
「よくやったな。綺麗だぜ?」
俺は全力でグッジョブと叫びたい。
ナーガなんとかっていうドラゴンに進化したところで、ふーんとしか思わなかっただろうし。
「――ぐひっ」
突然、フェルちゃんが変な声を出して顔を伏せた。
せっかく褒めてやったというのに、なんだこのトカゲは。
「おいっ! 私以外に綺麗だとか言っちゃ駄目じゃないか!! わ、私だってそんなに言ってもらったことないのに!!」
「そうよ! ドラゴンなんて褒めてないで、もっと私のことも褒めてよ!!」
なぜかルーナとセレナが怒っていた。
いやいや、お前ら綺麗なんて言われ慣れてるだろうに。
「――主が初めて褒めてくれた。良かった、人間になって。本当に良かった……ぐすぐす」
フェルちゃんが不憫な理由で泣いていた。
トカゲなのに、ちょっと可愛そうだと思ってしまう。
俺って意外と動物愛護者。
「……コウくんの出世の原動力はあのドラゴンな気がするのですが、なんでそんなに卑屈なんですか」
カンナさんがそんな事を言いながら呆れているが、いやでも別に出世なんてしたくなかったし。
それよりも、俺にはものすごく気になることがあった。
フェルちゃんをまじまじと視姦する。
青色の柔そうな髪を無造作に伸ばし、くりくりとした金色の瞳に整った顔立ち。
そのスラリとした肢体は、変なボロ布のみをまとっている。
白すぎる肌がチラホラと見えて、なかなかにエロいのだが。
――自動演算!
先日取得したスキルを発動させる。
相手のスリーサイズがわかるという素敵スキルだ。
そう。
何が気になるって、フェルちゃんのスリーサイズが気になる。
瞬く間に、脳裏に数字が浮かび上がってきた。
『B77(B) W56 H79』
ふむ……。
なかなかの美ボディ。
フェルちゃんはスレンダー系だった。
いや、いいのだ。
おっぱいに貴賤はない。
Bカップだって、俺は大好きだ。
大好きだけれども!
とりあえず、ソファにドカッと座って両脇にルーナとセレナを侍らせた。
そして、その愛すべきEカップとKカップを揉み揉みした。
むにゅむにゅおっぱいとずぶずぶおっぱい。
あーやわらけー。
「お、おい! 急におっぱい揉んじゃダメじゃないか! もー! 私への愛を少しは抑えろ、えへへ! あ、あんっ」
「……ぅん……あっ……ご、ごしゅじんしゃま上手……って何言わせんのよ……も、もっとお」
ルーナとセレナが嬉しそうに身もだえる。
どちらも、その顔はトロトロだ。
エロい。
俺にはこのEカップとKカップがあるのだ。
なんか別にトカゲが美女化したとか、すごくどうでもいいことな気がしてきた。
そんなわけで、フェルちゃんにはがっかりだ的な視線を送ってみた。
「ええ!? もう我に興味を失ってる!?」
いや、青髪美人とか現実離れしてるから抱いてみたいんだけどね。
「待ってくれ! 主がその胸の脂肪好きなのはわかっている! 待ってくれ……うーん、えいっ!」
その時だった。
ぼふんとフェルちゃんの胸が急に膨らむ。
纏っていたボロキレを押し上げる二つの見事な乳。
「おおっ!!」
思わず立ち上がっていた。
「わわっ!」
「ちょっと! なんでおっぱい揉むのやめるのよ!?」
俺が急に立ち上がったせいでバランスを崩すルーナと、憤るセレナ。
しかし、俺は脳裏に浮かんだ数値のせいで、二人を気にかける余裕がなかった。
『B93(F) W56 H79』
Fカップ!!
ファンタジーのF!!!
ていうか、胸もでかくできんのかよ。
「どうだ、主!?」
フェルちゃんが嬉しそうに見つめてくる。
褒めて褒めてと言った具合に小さな尻尾をピコピコと揺らしていた。
だが俺はこの程度では満足できない。
「まだだ!!」
「ええ!?」
Fカップで満足してんじゃねえ。
目指そうぜ、さらなる高みを。
「……な、なら……うーん! うーん!」
がんばれ! フェルちゃんがんばれ!
可愛らしく唸るフェルちゃんを心から応援する。
両手を握って、ぷるぷる震えるフェルちゃん。
うんこしているようにも見えて背徳的に可愛い。
「……間抜けな絵面ですけど、バカみたいに魔力が集まってますね」
なぜかカンナさんが引いていた。
「え、えいっ!!」
ずがんっ、と。
フェルちゃんの胸元が爆張する。
これでもかと膨れ上がるボロキレ。
『B113(Q) W56 H79』
「ファビラス!!」
思わず人生で一度も使わないであろうと思っていた英単語を口にして、フェルちゃんに抱き着いていた。
ファビラスの意味は知らない。
ていうかなんだよファビラスって。
「あ、主っ! 主が抱きしめてくれたっ!!」
ビクンと身を強張らせるフェルちゃん。
しかし、その表情はものすごく嬉しそうだ。
ああ、可愛い。可愛いよ、トカゲ。
「がはっ!!」
セレナが白目を剥いて卒倒していた。
そう、まさかのセレナ越え。
我が村最強のKカップを超えるQカップ。
フェルちゃんはやってのけたのだ。
「ちょっと!! 何やってるんですか、あなた!? セレナお嬢様から一番おっぱいが大きいっていう個性を取っちゃったら、ただのめんどくさい女に成り下がっちゃうじゃないですか!?」
セレナを介抱したカンナさんが酷いことを言っていた。
めんどくさいて。
「お、おい! 抱きしめるなら、妻である私を抱きしめなきゃダメじゃないかっ!!」
Eカップが何か言っていたが、無視した。
今、俺の腕の中にある爆乳、いや超乳、いやいや絶乳。
むにゅりん、もにゅりんと。
強烈な自己主張をしながら、柔らかく俺を迎え入れてくれる。
なんだこれは。
ていうか、どうしよう。何しよう!?
パイずりどころか、ヘッドずりができそうな大きさだった。
ヘッドずりってなんだよ。
「あるじ!! あるじ、あるじ、あるじーー!!」
フェルちゃんは感極まったように、俺に頬ずりをしている。
しかも、絶乳の主は超絶美女っていう。
パーフェクトか。
パーフェクトトカゲ爆誕してんじゃん!!
あ、ていうか。
「……お前ってセックスできんの?」
俺は一番重要な事に気づいた。
よく考えたらトカゲと人間がセックスできるわけないじゃんね。
「せっくす? 性交のことか? もちろんできるぞ!」
鼻をふんすと鳴らしながら、トカゲ美女は言った。
「もうフェル様と呼ばせてください!!」
思わず忠誠を誓っていた。
だって、完璧なんだもん。
どゆこと???
なんで急にこんな幸運が訪れたの!?
明日死ぬの?
ああ、日々を清く生きてきて良かった。※あくまでも本人の主観です。
「……ふ、ふふふ」
その時、床から邪悪な笑い声が聞こえてきた。
まるでRPGのラスボスの魔王が二度目の変身をする直前のような。
だったら、最初から変身してればいいじゃんねっていう。
「……もっと早く殺しとくべきだったわ」
Qカップに打ちのめされて気絶していたセレナが、床からむくりと身を起こす。
物騒な事を言ってる上に、目が座っているのが気になる。
「そんなおっぱいで私のごしゅじんしゃまを誘惑するなんて……なんて卑劣なのかしら」
「お前がいつもやってることじゃないか! ていうか、ごしゅじんしゃまってなんだ!?」
ルーナに突っ込まれるセレナ。
なんだろう、このセレナの落ち目感。
「ごしゅじんしゃまは渡さないんだからっ! 食らいなさい! 血鎖」
突如として、セレナの周囲から幾本もの血流が出現する。
血流は、鎖のように。
俺の腕の中にいるフェルちゃんめがけて飛んできた。
え、これ俺にも当たるんじゃ……。
そんな恐怖を覚えたが、その引くほどの魔力にビビッて動けない。
「竜闘気!」
フェルちゃんが聞き覚えのある技名を叫ぶと、黄金色の光が俺たちを包んだ。
光はバリアのように、セレナの血流を弾く。
ていうか、ドラゴニックオーラって言っちゃダメなやつなんじゃ。
「主に当たったらどうするんだ!?」
「私が愛するごしゅじんしゃまを傷つけるわけないじゃない。ちゃんとお前だけを狙ったわよ」
俺が妙な不安を覚えるのを無視して、二人は何やら強大な魔力を放ちだす。
ごごごと震える大気。
強大な魔力は、二人の体を宙に浮かび上がらせる。
「人間になって、弱くなったドラゴンなんて私の敵じゃないわ」
「我ら龍種の強力な抗魔力を知っておろう? 貴様にそれを破れるかな、吸血鬼!」
セレナとフェルちゃんはいい感じに盛り上がっていた。
宙に浮かんで、バチバチと魔力を放つ二人の様は、さながら最終決戦のようだ。
だが、俺には気になることがあった。
ここ俺んちだから!!!
家の中で最終決戦しないでくれる?
「……お前ら、いい加減に止めないと怒るぞ?」
俺の言葉に、二人の顔が青ざめる。
一瞬で、辺りを轟かせていた膨大な魔力が消えた。
「ごめんなさいっ! 止めるから! 怒っちゃ嫌よ!」
「ごめんなさいっ! 嫌いにならないで? 我、ちゃんと言うこと聞くからっ!」
セレナとフェルちゃんが抱き着いてくる。
よしよし、可愛い奴らめ。
「……今、コウくんが世界を手中に収めた気がしたのはお姉ちゃんの気のせいでしょうか……真祖と古龍を思いのままって……」
カンナさんがなんか言っていたが、よくわからなかった。
まあ、あれだ。
とりあえずは、二人を仲直りさせなくては。
「二人とも服を脱ぐんだ」
「なんでそうなるんだ!?」
こういう時は乱交に限る。
ルーナがうるさいが、お前も脱げと言いたい。
「……(コクッ)」
「す、すぐに脱ぐからっ!」
照れながらも満更ではない顔で頷くセレナ。
勢いよくボロキレを脱ぎ捨てるフェルちゃん。
俺は期待のQカップをガン見した。
そんなの生まれて一度も見たことないかんね!
「…………あれ?」
なんか違和感を感じた。
真っ白なフェルちゃんの裸体。
その期待通りの美しさには息を飲んだのだが。
なんかエロくない。
圧倒的なボリュームを誇るQカップ。
綺麗な曲線を描く双乳は見事なのだが。
「………………」
ないのだ。
乳の上で鎮座してるべき、あの心躍らせるポッチが。
俺のやる気スイッチが。
なんだろう。
ジャンプのエロ漫画みたいなこの残念さは。
フェルちゃんの胸はでっかく膨らんでいるだけだった。
しかも、その股間までもがつんつるてんだった。
パイパンなんだろうか。
俺はどっちかというと濃い方が好きなのだが。
なんか嫌な予感がして、フェルちゃんの足を掴んで股を広げさせる。
「………………」
そこには穴というものが存在していなかった。
ルーナが持つ、ビラビラしながらもぐちょぐちょの穴もなければ、セレナのきゅーきゅーと締め付ける菊の花のような穴もない。
ただの真っ平らな素肌だった。
しょぼーんと息子がしぼんでいく。
「……お前、さっきセックスできるって言ったよな?」
「うむっ! 我に不可能はない。なんでも出来るのだ」
フェルちゃんはイラっとするくらいのどや顔で腕を組んでいた。
「……お前、女の裸って見たことある?」
「あるぞ! 我を信奉する娘をよく裸にして嘗め回していたからな!」
そういえば、こいつリュディア達にセクハラしてたな。
ならば、なぜ。
「乳首もまんこもないんだよ!?」
「ええ!? な、なにそれ?」
フェルちゃんがとたんに不安そうな顔になる。
「すまない、我、近眼だから細かいところはわかんなくて……」
おどおどしながら汗をかくフェルちゃんは可愛かった。
でも、近眼とか無駄設定はどうでもよくて。
ていうか近眼にも程がある。
「待っててくれ! 今すぐ勉強するから!」
そんな事を言いながら、フェルちゃんは絶賛全裸プレイ中のカンナさんに目を向ける。
カンナさんは気にしてないようだったが、俺はなんかイラっとした。
「おい、あんま俺の女をじろじろと見るな」
自分の女を見られて気分のいい男なんていないだろう。
カンナさんは俺んだ。
「こ、コウくん……」
俺の言葉に、カンナさんはじーんと身を震わせる。
「でもちょっと可愛さが足りませんね。おい、僕のお姉ちゃんを見るな、ばぶー! と、言い直してください」
カンナさんが変な事を言い出したので無視した。
「それじゃあ、我はどうやってちくびとまんこを作ればよいのだ……」
フェルちゃんがしょぼんとうなだれる。
作るとか言われると、モロッコにでも行って工事するのかなと思ってしまう。
なんかげっそりしてきた。
ていうか、疲れた。
あートカゲなんかに期待した俺がバカだった。
「……ルーナ、耳かきしてくれ」
「う、うん! する! 絶対する!! えへへ、やっぱり私にして欲しかったんじゃないか! 最初から言わなきゃダメじゃないか!」
ソファに座らせたルーナの太ももを枕にしながら、俺は目を閉じた。
フェルちゃんへの興味は皆無になっていた。
「ちょっと!! 耳かきは私がしてあげるって言ってんじゃないのよ!!! カンナ、縄で私の胸をきつく縛りなさい!」
「ですから、セレナお嬢様、吸血鬼の真祖としてのプライドはどこに落としてきちゃったんですか?」
まさかの緊縛志願とか。
セレナはどこに向かっているのだろうか。
だいたい、それはリュディアの分野なので取らないであげてほしい。
そんな俺たちを、青髪の全裸美女がプルプル震えながら見つめていた。
「……諦めない。我は絶対諦めないからな!」
意思のこもった金色の瞳を、俺に向けるフェルちゃん。
「次こそは主にいっぱい構ってもらうのだ! おぼえてろよー!」
そう言いながら、フェルちゃんは家から駆け出して行った。
負け犬臭がはんぱなかった。
所詮はトカゲである。
全く期待することはなく、俺はルーナの太もものぬくもりに顔を埋めるのだった。
俺が毎日清く生きているおかげだろう。
なんとなく飼っていたトカゲが、ある日突然、美女になった。
何言ってんだコイツと思っただろうか。
俺もそう思う。
でも、だって実際美女になったんだもん。
俺は爬虫類が苦手なのだ。
たまにフェルさんのやたら白い腹とかが見えちゃったときは、キモって思ったものだ。
しかも、あいつ無駄にでかいからすぐ目に入るんだもん。
でも、追い出さないでおいた。
そんな俺の優しさが実を結んだのだと思う。
因果は巡るのだ。
そんなわけで、突然美女になったフェルさんと、俺たちはテーブルに座ってお茶を飲んでいた。
「ううっ、コウ! 寂しかった!! よく我慢できたな? もう離れないでいてやるからな? えへへ」
縄を解かれたルーナが泣きながらひっついてくる。
なんで俺が我慢してる側なのかわからなかったが。
膝の上に乗っかるルーナは可愛い。
「ちょっと!! 今日は私がたくさん可愛がってもらうはずだったのに!! 結局お前ばかりベタベタして!? 離れなさいよ、このっ!」
「あいたたたっ! コウは私のことが大好きなんだから仕方ないじゃないかっ!」
「はあ!? 冗談は頭と股の緩さだけにしなさい!? コウが本当に好きなのは私かもしれないじゃないのよ! ていうか、私のこともギュッてしなさいよ! よいしょっと」
「な、なんでお前までコウの膝に乗ってくるんだ!? ここは私の場所なのにー!」
なぜか膝の上でルーナとセレナが喧嘩を始めた。
パカパカとルーナが殴られていて、更に脳が悪化しないか心配になるのだが。
俺としては美女二人を膝に載せられて満足だった。
とはいえ、殴り合うのは感心しない。
一方的にルーナがボコられているのも気になるが。
ここは男として仲裁しなくては。
「やめるんだ。二人とも!」
俺は真面目な顔で口を開いた。
「コウかっこいい」「わ、私は別にっ! ……かっこいいけど」
膝の上の二人はものすごくチョロいことを言っていた。
別にカッコつけたわけじゃないのだが。
こいつら大丈夫だろうか。
まあ、それはそれとして、今は仲裁が先だ。
「二人とも、続きは上のベッドで聞いてやる」
「ええ!?」
「……(コクッ)」
驚くルーナに、赤くなりながら頷くセレナ。
さすがセレナの方が乱交耐性が強い。
乱交耐性ってなんだよ。
「夫婦の寝室に他人を入れちゃダメじゃないか!! ていうか、何をしおらしく頷いてるんだ!?」
「は、はあ!? べ、べつに頷いてないわよっ!」
セレナが必死に否定しているが、さっきの可愛さは忘れない。
「だから、喧嘩はするなって。どっちが俺のちんこを上手にしゃぶれるかで勝負するんだ」
我ながら名案を思いついてしまった。
「えええ!?」
「……負けないわよ」
再び驚くルーナに謎のやる気を見せるセレナ。
「って、負けないってなんだ!? しゃぶる気まんまんじゃないか!! 私のおちんちんなんだからダメだー!」
「しゃ、しゃぶる気なんてないわよっ!! だいたいなんで私がお前の淫臭塗れのベッドに行かなきゃなんないのよっ!」
「そんなにくさくないもん!!」
どうしよう。
二人が全然喧嘩を止めてくれない。
「まあまあ、お二人とも」
そんな時、仲裁に入ってくれたのはカンナさんだった。
頼もしい。
「それにコウくん? フェラチオ対決なんてしたら、お姉ちゃんの圧勝でお二人が可愛そうですよ?」
「なんで当然のように参戦してるのよ……私がぺろぺろしてあげようと思ってたのに」
「ていうか、なんで裸なんだ!?」
カンナさんはさっき脱いだまま全裸だった。
見事な肢体をこれでもかっと見せつけてくるのでおちんちんが痛くなる。
まあ、フェラチオ対決でルーナとセレナがカンナさんに勝てるわけないのだが。
特にルーナはフェラチオが絶望的に下手なのだ。
ねえ、気持ちいい? 気持ちいい、コウ? えへへ、ぺろぺろ。
と、最中にすげえ話しかけてくるので全然集中できない。
どやどやオヤジ(最中に、どや? どや? と聞きまくる妖怪)なのかと。
「……せ、せっかくだし私も2階行こうかな」
「なんでにゃ!?」
ピョン吉がソワソワしながら言った。
参戦する気まんまんじゃねえか。
二階には近づかないのが、我が家の暗黙ルールだった。
まあ、今日は無礼講でフェラチオパーティと行きますか!
とりあえず、怯えるニャン子も連れて行こうと思う。
「………………」
そんな時、俺は気づいてしまった。
テーブルの隅で、まだ見慣れぬ美女が寂しそうな表情をしているのを。
俺と目が合った美女はニコッと笑う。
「やっと我を思い出してくれた」
フェルさんのくせに可愛い!?
「そういえば、あのドラゴンがなんで人間の姿をしているのか聞こうとしてたんだったわね……」
「なんでフェラチオパーティの話になったんだろうな……」
「フェラチオパーティってなんだ!?」
まあ、パーティはひとまずおいておいて。
「……で、お前はなんでそんなに可愛くなっちゃったんだ?」
フェルさん――せっかく美女になったんだからフェルちゃんとでも呼ぼうか、フェルちゃんにみんなの視線が集まる。
フェルちゃんは大きな金色の瞳をくりくりさせながら緊張した様子だった。
あれ、可愛い。
この家に入ってきた時も、家の中をキョロキョロと見渡していたっけ。
あれも可愛いかった。
元はでっかいだけが取り柄のトカゲだったのに!
フェルちゃんは深呼吸を一つすると、ゆっくりと話し始めた。
人化した理由を。
ちなみに、フェルちゃんは声も可愛い。
「……我ら龍種は、女神によって創られた時から、一つの命題を持っている。来るべき、終末の刻に備えて力を蓄えろ、というな。だから、我は矮小なる小竜であった時から、数千年の時を経て、力を蓄え続けた。世界に五柱しか存在しない古龍へと至るまで。それでも我は力を蓄え続けた。そして、そろそろ次の段階の進化に至ろうかと言う時に――」
フェルちゃんの話は、なんというかスケールがでっかかった。
数千年とかスケールがでかすぎて、俺なんかは気が遠くなっていくのだが。
その場にいる面々は何やら緊迫した面持ちをしていた。
あのセレナやカンナさんまで、ちょっと緊張した表情をしている。
あ、ルーナは俺と一緒で、よくわかんなかったみたいだ。
俺と目があってにへらっと笑っている。
バカだけどかわいい。
「――我は龍樹への進化をやめて、人間へと進化したのだ」
あ、フェルちゃんの話、終わったっぽい。
「いやいや、意味がわかりません!?」
この場で一番意味のわからない全裸姿のカンナさんがそんな声を上げていた。
それにしても、いいおっぱいである。
舐めたい。
「龍樹ってアレでしょう? エルフ達の世界樹の母体になったっていう……もう神話の存在じゃないの」
「……なんで龍樹への進化をやめて人間なんかに進化したんでしょう? 女神の命題はどこへ行ったんでしょう? ドラゴンってバカなんじゃ……」
セレナとカンナさんがぼそぼそと相談しながら、フェルちゃんに訝しむような目を向けていた。
フェルちゃんが美女化した理由が、よっぽどわからないらしい。
2人は、効率厨なのだろうか。
後戻りしたっていいじゃない、と思うのだが。
フェルちゃんはというと、セレナとカンナさんの視線に耐えかねたのか、小さな尻尾をプルプルと震わせていた。
そして、少し涙ぐみながら俺をきっと見つめる。
悔しいけどかわいい。
「だって、主がぜんぜん構ってくれないからっ!! 人間種のメスばかり可愛がって、我をないがしろにするから悪いのだ!!!」
なぜか俺を糾弾し始めた。
トカゲと女だったら、女を可愛がるのは当たり前だろうに。
「……呆れたわ。ドラゴンとしてのプライドはないのかしら」
「いえ、そっくりそのままセレナお嬢様に言いたいセリフです」
「ええ!?」
常日頃から真祖として、それでいいのかという行動を繰り返すセレナが、カンナさんにツッコまれている。
いやでもいいじゃない。
アナルほじられてアヒアヒ言ってる真祖がいてもいいじゃない。
「……ていうか、あなたは古龍に何をさせているのよ?」
セレナに呆れた目を向けられる。
いや、俺は何もしていないのだが。
ただ、まあ美女化したフェルさんにあえて言うなら。
「よくやったな。綺麗だぜ?」
俺は全力でグッジョブと叫びたい。
ナーガなんとかっていうドラゴンに進化したところで、ふーんとしか思わなかっただろうし。
「――ぐひっ」
突然、フェルちゃんが変な声を出して顔を伏せた。
せっかく褒めてやったというのに、なんだこのトカゲは。
「おいっ! 私以外に綺麗だとか言っちゃ駄目じゃないか!! わ、私だってそんなに言ってもらったことないのに!!」
「そうよ! ドラゴンなんて褒めてないで、もっと私のことも褒めてよ!!」
なぜかルーナとセレナが怒っていた。
いやいや、お前ら綺麗なんて言われ慣れてるだろうに。
「――主が初めて褒めてくれた。良かった、人間になって。本当に良かった……ぐすぐす」
フェルちゃんが不憫な理由で泣いていた。
トカゲなのに、ちょっと可愛そうだと思ってしまう。
俺って意外と動物愛護者。
「……コウくんの出世の原動力はあのドラゴンな気がするのですが、なんでそんなに卑屈なんですか」
カンナさんがそんな事を言いながら呆れているが、いやでも別に出世なんてしたくなかったし。
それよりも、俺にはものすごく気になることがあった。
フェルちゃんをまじまじと視姦する。
青色の柔そうな髪を無造作に伸ばし、くりくりとした金色の瞳に整った顔立ち。
そのスラリとした肢体は、変なボロ布のみをまとっている。
白すぎる肌がチラホラと見えて、なかなかにエロいのだが。
――自動演算!
先日取得したスキルを発動させる。
相手のスリーサイズがわかるという素敵スキルだ。
そう。
何が気になるって、フェルちゃんのスリーサイズが気になる。
瞬く間に、脳裏に数字が浮かび上がってきた。
『B77(B) W56 H79』
ふむ……。
なかなかの美ボディ。
フェルちゃんはスレンダー系だった。
いや、いいのだ。
おっぱいに貴賤はない。
Bカップだって、俺は大好きだ。
大好きだけれども!
とりあえず、ソファにドカッと座って両脇にルーナとセレナを侍らせた。
そして、その愛すべきEカップとKカップを揉み揉みした。
むにゅむにゅおっぱいとずぶずぶおっぱい。
あーやわらけー。
「お、おい! 急におっぱい揉んじゃダメじゃないか! もー! 私への愛を少しは抑えろ、えへへ! あ、あんっ」
「……ぅん……あっ……ご、ごしゅじんしゃま上手……って何言わせんのよ……も、もっとお」
ルーナとセレナが嬉しそうに身もだえる。
どちらも、その顔はトロトロだ。
エロい。
俺にはこのEカップとKカップがあるのだ。
なんか別にトカゲが美女化したとか、すごくどうでもいいことな気がしてきた。
そんなわけで、フェルちゃんにはがっかりだ的な視線を送ってみた。
「ええ!? もう我に興味を失ってる!?」
いや、青髪美人とか現実離れしてるから抱いてみたいんだけどね。
「待ってくれ! 主がその胸の脂肪好きなのはわかっている! 待ってくれ……うーん、えいっ!」
その時だった。
ぼふんとフェルちゃんの胸が急に膨らむ。
纏っていたボロキレを押し上げる二つの見事な乳。
「おおっ!!」
思わず立ち上がっていた。
「わわっ!」
「ちょっと! なんでおっぱい揉むのやめるのよ!?」
俺が急に立ち上がったせいでバランスを崩すルーナと、憤るセレナ。
しかし、俺は脳裏に浮かんだ数値のせいで、二人を気にかける余裕がなかった。
『B93(F) W56 H79』
Fカップ!!
ファンタジーのF!!!
ていうか、胸もでかくできんのかよ。
「どうだ、主!?」
フェルちゃんが嬉しそうに見つめてくる。
褒めて褒めてと言った具合に小さな尻尾をピコピコと揺らしていた。
だが俺はこの程度では満足できない。
「まだだ!!」
「ええ!?」
Fカップで満足してんじゃねえ。
目指そうぜ、さらなる高みを。
「……な、なら……うーん! うーん!」
がんばれ! フェルちゃんがんばれ!
可愛らしく唸るフェルちゃんを心から応援する。
両手を握って、ぷるぷる震えるフェルちゃん。
うんこしているようにも見えて背徳的に可愛い。
「……間抜けな絵面ですけど、バカみたいに魔力が集まってますね」
なぜかカンナさんが引いていた。
「え、えいっ!!」
ずがんっ、と。
フェルちゃんの胸元が爆張する。
これでもかと膨れ上がるボロキレ。
『B113(Q) W56 H79』
「ファビラス!!」
思わず人生で一度も使わないであろうと思っていた英単語を口にして、フェルちゃんに抱き着いていた。
ファビラスの意味は知らない。
ていうかなんだよファビラスって。
「あ、主っ! 主が抱きしめてくれたっ!!」
ビクンと身を強張らせるフェルちゃん。
しかし、その表情はものすごく嬉しそうだ。
ああ、可愛い。可愛いよ、トカゲ。
「がはっ!!」
セレナが白目を剥いて卒倒していた。
そう、まさかのセレナ越え。
我が村最強のKカップを超えるQカップ。
フェルちゃんはやってのけたのだ。
「ちょっと!! 何やってるんですか、あなた!? セレナお嬢様から一番おっぱいが大きいっていう個性を取っちゃったら、ただのめんどくさい女に成り下がっちゃうじゃないですか!?」
セレナを介抱したカンナさんが酷いことを言っていた。
めんどくさいて。
「お、おい! 抱きしめるなら、妻である私を抱きしめなきゃダメじゃないかっ!!」
Eカップが何か言っていたが、無視した。
今、俺の腕の中にある爆乳、いや超乳、いやいや絶乳。
むにゅりん、もにゅりんと。
強烈な自己主張をしながら、柔らかく俺を迎え入れてくれる。
なんだこれは。
ていうか、どうしよう。何しよう!?
パイずりどころか、ヘッドずりができそうな大きさだった。
ヘッドずりってなんだよ。
「あるじ!! あるじ、あるじ、あるじーー!!」
フェルちゃんは感極まったように、俺に頬ずりをしている。
しかも、絶乳の主は超絶美女っていう。
パーフェクトか。
パーフェクトトカゲ爆誕してんじゃん!!
あ、ていうか。
「……お前ってセックスできんの?」
俺は一番重要な事に気づいた。
よく考えたらトカゲと人間がセックスできるわけないじゃんね。
「せっくす? 性交のことか? もちろんできるぞ!」
鼻をふんすと鳴らしながら、トカゲ美女は言った。
「もうフェル様と呼ばせてください!!」
思わず忠誠を誓っていた。
だって、完璧なんだもん。
どゆこと???
なんで急にこんな幸運が訪れたの!?
明日死ぬの?
ああ、日々を清く生きてきて良かった。※あくまでも本人の主観です。
「……ふ、ふふふ」
その時、床から邪悪な笑い声が聞こえてきた。
まるでRPGのラスボスの魔王が二度目の変身をする直前のような。
だったら、最初から変身してればいいじゃんねっていう。
「……もっと早く殺しとくべきだったわ」
Qカップに打ちのめされて気絶していたセレナが、床からむくりと身を起こす。
物騒な事を言ってる上に、目が座っているのが気になる。
「そんなおっぱいで私のごしゅじんしゃまを誘惑するなんて……なんて卑劣なのかしら」
「お前がいつもやってることじゃないか! ていうか、ごしゅじんしゃまってなんだ!?」
ルーナに突っ込まれるセレナ。
なんだろう、このセレナの落ち目感。
「ごしゅじんしゃまは渡さないんだからっ! 食らいなさい! 血鎖」
突如として、セレナの周囲から幾本もの血流が出現する。
血流は、鎖のように。
俺の腕の中にいるフェルちゃんめがけて飛んできた。
え、これ俺にも当たるんじゃ……。
そんな恐怖を覚えたが、その引くほどの魔力にビビッて動けない。
「竜闘気!」
フェルちゃんが聞き覚えのある技名を叫ぶと、黄金色の光が俺たちを包んだ。
光はバリアのように、セレナの血流を弾く。
ていうか、ドラゴニックオーラって言っちゃダメなやつなんじゃ。
「主に当たったらどうするんだ!?」
「私が愛するごしゅじんしゃまを傷つけるわけないじゃない。ちゃんとお前だけを狙ったわよ」
俺が妙な不安を覚えるのを無視して、二人は何やら強大な魔力を放ちだす。
ごごごと震える大気。
強大な魔力は、二人の体を宙に浮かび上がらせる。
「人間になって、弱くなったドラゴンなんて私の敵じゃないわ」
「我ら龍種の強力な抗魔力を知っておろう? 貴様にそれを破れるかな、吸血鬼!」
セレナとフェルちゃんはいい感じに盛り上がっていた。
宙に浮かんで、バチバチと魔力を放つ二人の様は、さながら最終決戦のようだ。
だが、俺には気になることがあった。
ここ俺んちだから!!!
家の中で最終決戦しないでくれる?
「……お前ら、いい加減に止めないと怒るぞ?」
俺の言葉に、二人の顔が青ざめる。
一瞬で、辺りを轟かせていた膨大な魔力が消えた。
「ごめんなさいっ! 止めるから! 怒っちゃ嫌よ!」
「ごめんなさいっ! 嫌いにならないで? 我、ちゃんと言うこと聞くからっ!」
セレナとフェルちゃんが抱き着いてくる。
よしよし、可愛い奴らめ。
「……今、コウくんが世界を手中に収めた気がしたのはお姉ちゃんの気のせいでしょうか……真祖と古龍を思いのままって……」
カンナさんがなんか言っていたが、よくわからなかった。
まあ、あれだ。
とりあえずは、二人を仲直りさせなくては。
「二人とも服を脱ぐんだ」
「なんでそうなるんだ!?」
こういう時は乱交に限る。
ルーナがうるさいが、お前も脱げと言いたい。
「……(コクッ)」
「す、すぐに脱ぐからっ!」
照れながらも満更ではない顔で頷くセレナ。
勢いよくボロキレを脱ぎ捨てるフェルちゃん。
俺は期待のQカップをガン見した。
そんなの生まれて一度も見たことないかんね!
「…………あれ?」
なんか違和感を感じた。
真っ白なフェルちゃんの裸体。
その期待通りの美しさには息を飲んだのだが。
なんかエロくない。
圧倒的なボリュームを誇るQカップ。
綺麗な曲線を描く双乳は見事なのだが。
「………………」
ないのだ。
乳の上で鎮座してるべき、あの心躍らせるポッチが。
俺のやる気スイッチが。
なんだろう。
ジャンプのエロ漫画みたいなこの残念さは。
フェルちゃんの胸はでっかく膨らんでいるだけだった。
しかも、その股間までもがつんつるてんだった。
パイパンなんだろうか。
俺はどっちかというと濃い方が好きなのだが。
なんか嫌な予感がして、フェルちゃんの足を掴んで股を広げさせる。
「………………」
そこには穴というものが存在していなかった。
ルーナが持つ、ビラビラしながらもぐちょぐちょの穴もなければ、セレナのきゅーきゅーと締め付ける菊の花のような穴もない。
ただの真っ平らな素肌だった。
しょぼーんと息子がしぼんでいく。
「……お前、さっきセックスできるって言ったよな?」
「うむっ! 我に不可能はない。なんでも出来るのだ」
フェルちゃんはイラっとするくらいのどや顔で腕を組んでいた。
「……お前、女の裸って見たことある?」
「あるぞ! 我を信奉する娘をよく裸にして嘗め回していたからな!」
そういえば、こいつリュディア達にセクハラしてたな。
ならば、なぜ。
「乳首もまんこもないんだよ!?」
「ええ!? な、なにそれ?」
フェルちゃんがとたんに不安そうな顔になる。
「すまない、我、近眼だから細かいところはわかんなくて……」
おどおどしながら汗をかくフェルちゃんは可愛かった。
でも、近眼とか無駄設定はどうでもよくて。
ていうか近眼にも程がある。
「待っててくれ! 今すぐ勉強するから!」
そんな事を言いながら、フェルちゃんは絶賛全裸プレイ中のカンナさんに目を向ける。
カンナさんは気にしてないようだったが、俺はなんかイラっとした。
「おい、あんま俺の女をじろじろと見るな」
自分の女を見られて気分のいい男なんていないだろう。
カンナさんは俺んだ。
「こ、コウくん……」
俺の言葉に、カンナさんはじーんと身を震わせる。
「でもちょっと可愛さが足りませんね。おい、僕のお姉ちゃんを見るな、ばぶー! と、言い直してください」
カンナさんが変な事を言い出したので無視した。
「それじゃあ、我はどうやってちくびとまんこを作ればよいのだ……」
フェルちゃんがしょぼんとうなだれる。
作るとか言われると、モロッコにでも行って工事するのかなと思ってしまう。
なんかげっそりしてきた。
ていうか、疲れた。
あートカゲなんかに期待した俺がバカだった。
「……ルーナ、耳かきしてくれ」
「う、うん! する! 絶対する!! えへへ、やっぱり私にして欲しかったんじゃないか! 最初から言わなきゃダメじゃないか!」
ソファに座らせたルーナの太ももを枕にしながら、俺は目を閉じた。
フェルちゃんへの興味は皆無になっていた。
「ちょっと!! 耳かきは私がしてあげるって言ってんじゃないのよ!!! カンナ、縄で私の胸をきつく縛りなさい!」
「ですから、セレナお嬢様、吸血鬼の真祖としてのプライドはどこに落としてきちゃったんですか?」
まさかの緊縛志願とか。
セレナはどこに向かっているのだろうか。
だいたい、それはリュディアの分野なので取らないであげてほしい。
そんな俺たちを、青髪の全裸美女がプルプル震えながら見つめていた。
「……諦めない。我は絶対諦めないからな!」
意思のこもった金色の瞳を、俺に向けるフェルちゃん。
「次こそは主にいっぱい構ってもらうのだ! おぼえてろよー!」
そう言いながら、フェルちゃんは家から駆け出して行った。
負け犬臭がはんぱなかった。
所詮はトカゲである。
全く期待することはなく、俺はルーナの太もものぬくもりに顔を埋めるのだった。
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