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第1章:知らないことだらけのこの世界
第34話:遊び
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剣術の訓練が終わった。と言ってもほとんど何もしてないけど‥‥‥さて、飯でも食うか!今日の飯は何だろう?
飯は赤い肉と赤い野菜‥‥‥元がどんな食材かは想像したくない。あ、普通に美味かったです。
飯を食い終えた後は魔法の訓練だ。今のところ授業、剣術の訓練の2つと比べてこれが一番楽しい。
「とりあえず、庭に行って待っていればいいのかな?」
俺は庭に向かった。庭に着くとそこには母さんがいた。
「来たわね。それじゃあ魔法の練習をしましょう」
「はい!」
「昨日は試しというわけで適当に魔法を発動させたわ。でもただ発動させただけでは威力が低くて相手を倒せなかったり、上手く相手に当てられなかったりするわ。だから今日は魔法の制御について学ぶわ」
「『火球』」
「は、母上‥‥‥今詠唱なしで‥‥‥」
母さんは詠唱をせず、ただ『火球』と言った。それだけで『火球』は現れた。しかも昨日の俺のよりも大きい‥‥‥。
「あ、これはね【詠唱破棄】というスキルよ。文字通り、詠唱を省くーー詠唱する言葉を無くす効果を持つわ」
何だスキルか‥‥‥便利なスキルだな。ちょっと欲しいな‥‥‥。
「母上、僕も【えいちょうしゃき】が欲しいです!!」
あれ、噛んじゃった。なんだよ‥‥‥【えいちょうしゃき】って‥‥‥ちょっと笑えるな。
「別にいいけど‥‥‥これ、『魔力を通常の2倍ーーいつもより多く消費する』わよ。普通に詠唱した方がいいわ」
2倍か‥‥‥多いのか少ないのかわからない微妙な倍率だな‥‥‥。
「話を戻すわね。この『火球』は威力が弱く範囲も狭い一番簡単な魔法だけど、魔法の基礎でもあるのよ。よく魔法は『威力が強く範囲が広いのが凄い』と思われているみたいだけど‥‥‥私から言わせれば『基礎ができていない人が何を言っている』なんだけどね」
母さんは基礎を大事にする派かな?俺は威力や範囲派だけど。でも怒られそうだから黙っておこう。
「シズナ、よく見ててね。今からこの『火球』に木の葉を入れるわ。どうなると思う?」
どうなると思うって‥‥‥そりゃあ、燃えるだろう。葉っぱなんだから。
「燃えると思います」
「本当にそう思う?ふふ、それじゃあ入れるわね」
母さんは意味深な笑みを浮かべながら葉っぱを『火球』に入れた。ヒラヒラと空中を舞っていた葉っぱが『火球』に触れた時、俺は燃えると思っていた。予想通り、葉っぱは燃えーーなかった。
「えっ!?」
あまりの驚きに俺は声を出してしまった。葉っぱが火に触れたら燃えるなんて自然の摂理のはずだ。なのに‥‥‥それが当てはまることなく葉っぱは燃えずそのまま空中を舞って地面に落ちた。
「‥‥‥」
目の前のありえない光景を目にして俺は唖然としたまま固まった。
「(ありえない)」
「ふふふ、どうかしら?」
「凄いです‥‥‥」
「じゃあ今からなぜ燃えなかったのかを説明するわね。先に言っておくけど、この木の葉はどこにでもある木の葉よ。耐燃性ーー燃えにくいわけじゃないわよ」
そりゃあそうだ。耐燃性の葉っぱとかズルでしかない。とんだイカサマだよ。
「木の葉が燃えなかった秘密は魔法の制御にあるわ。シズナ、試しにこの『火球』に触ってみて」
え、火を触れって‥‥‥もしかしなくても虐待?
「嫌です」
「別に熱くないわよ。試しに触るだけでーー「い や で す」ーーわかったわよ‥‥‥まだ最後まで言ってないのに」
なんと言われようが火に手を突っ込むなど絶対に拒否する。何千何億円払うからって言われたらちょっと考える‥‥‥。
「別に危険なわけじゃないのに‥‥‥まあ、何も知らなければ怖いのは当然よね。私が悪かったわ」
そう言って母さんは『火球』に向かって手を伸ばし掴んだ。母さんは掴んだ『火球』を両手でこねたり延ばしたりした。すぐに丸い球
の形に戻ったけど。
「母上、何しているのですか!?」
「んー?私はシズナの代わりに魔法を触っているだけよ」
「ですが‥‥‥」
「大丈夫よ。制御を誤ったりないわよ。シズナも触ってみる?」
「危険でなければ‥‥‥」
実は密かに魔法を触ってみたいと思っていた。でもやけどや怪我をしたくなかったから遠慮していたが、母さんが制御を誤らないと言っているので信用することにした。
どんな感触なんだろうか‥‥‥もちもちしているのか、それとも固いのか。想像が膨らむな。
「はい、どうぞ」
母さんは『火球』をパンを二つに分けるかのようにちぎった。ちぎられた『火球』はまったく同じ形、同じ色、同じ大きさになった。
そして母さんは俺に右手で持っている『火球』を投げた。
俺は投げられた『火球』をキャッチして『火球』を触った。
意外と固い。でも前世で触ったドッジボールよりは柔らかいかな。よく考えなくても、もともとそこに存在しなかったものが質量を持って感触があるっておかしいことだよな‥‥‥まあ、これが『魔法』ということで納得しないとこれ以上は哲学になりそうだ。
感触の他にはそうだな‥‥‥思ったより熱くないという点だな。熱くないだけで熱量は持っているけど。大体、俺の体温より低いくらいかな。
他には‥‥‥軽い。ドッジボールサイズなのにテニスボールのような重さしか感じない。これくらいなら5歳児の俺でも投げれるかな?
「シズナ、『火球』を渡して頂戴」
「どうぞ」
渡してって言われたけど‥‥‥何するんだろう?
そう思ってみていると二つの『火球』を合体『火球』を一つの元の大きさに戻した。そして戻したばかりの『火球』を再度三つに分けた。
一体何がしたいのか全くわからない。
「よく見てなさいね。せーのっ!!」
母さんは右手に二つ、左手に一つの『火球』を持ってジャグリングをし始めた。しかもめちゃくちゃ上手い‥‥‥。
「母上、何しているのですか?」
「遊んでいるのよ」
「何しているのですか‥‥‥」
「別にただ遊んでいるわけじゃないのよ。遊びながら魔法の制御の練習をしているのよ。ほら、どちらか一方に集中しすぎたらどちらか一方は失敗するでしょ?」
なるほど。遊びに魔法の制御を加えたのか‥‥‥考えられているな。俺じゃあ思いつかなさそうだ。
「でもシズナは一人でこの遊びをしてはダメよ。魔法の制御を誤ると魔法はそのまま消えるか人に危害ーー怪我をさせるからね。オススメは『火魔法』よりも『水魔法』を使った遊びよ」
「形なき水よ、我が障害を打ち倒せ、『水球』」
母さんが詠唱を終えたら今度はすごく透明度が高く透き通っている水の球が現れた。一体その『ウォーターボール』をどうするのだろうか?
「『火球』だと怪我をするから『水球』で練習したほうがいいわよ」
そしてそう言って『ウォーターボール』を二つにちぎり俺に渡した。
冷たッ!水だからかさっきの『火球』より冷たい。感触はポヨンポヨンと柔らかいけど。
「何ですか?」
「私がさっきやったみたいに練習してみなさい」
「え‥‥‥」
俺にジャグリングをやれと?‥‥‥無理です。でもやつてみるだけやるか。
「ほっ‥‥‥あ、落ちた」
なかなか上手くいかない。たったの二つなのに難しすぎる。上手くいかないのは質量が全く同じだからなのか?
「ちなみに魔法の制御をある程度できるとこういうこともできるようになるわ。面倒だから【詠唱破棄】を使おうかしら?『火矢』」
『ファイアアロー』、名前から推測するに火の矢か。実際に現れたのは予想通り、火の矢だった。しかし、何故一本だけなんだ?もっと出せばいいのに。
「母上、何故一本ーー一つだけなのですか?」
おっと、危ない危ない。なまじ5歳児より知識があるせいで明らかに5歳児らしからぬ発言をしそうになるな。それに気をつけるのも大変だ。
「今は一本しか必要ないからよ。モンスターを倒す時はもっと出すけどね。シズナ、今出した『火矢』を『水球』に刺したらどうなると思う?」
普通は『火は消える』だが、今までの問題から考えると常識に囚われてはダメだから答えはーー
「そのまま通り抜ける、ですか?」
ーーこれで正解だろう、多分。
「さあ、果たしてそうなるかしら?実際にやってみるわね」
母さんは手に持っている杖を動かして『ファイア・アロー』を操り『ウォーター・ボール』の方向に向けた。向けた後、ゆっくりと『ファイア・アロー』を動かした。動かされた『ファイア・アロー』はゆっくりと進み、数秒後『ウォーター・ボール』に突き刺さった。
「ちょっと惜しいわね。答えは『突き刺さって止まる』よ」
何じゃそりゃ‥‥‥とんでもない答えだな。屁理屈にしか聞こえない。
「ちなみに今まで出した問題は全て、『魔法の制御』ができる前提の問題だからね。威力を重視する人や初めて魔法を使った人だと私が出した問題の答えは違うわよ。どう違うかというと今から実演するわね」
「まず、『『火球』に木の葉を入れる』だけど本来はこのように燃えるのよ」
そう言って母さんは『火球』に葉っぱを入れた。入れた葉っぱは『火球』に触れた途端、燃えながら地面に落ちて灰になった。ただ、ひらひらとではなく突然質量を得たかのように早く落ちていったが。
「次は、『『火球』を触る』ね。本来は絶対に触ってはいけないのよ。火傷ーー怪我をするからね。流石にこれを実演する気は無いわ」
「最後に、『『水球』に『火矢』に刺す』だけど、これも本来は刺さったり通り抜けたりすることなく『水球』に『火矢』が消されるわ。ここまではわかった?」
えっと‥‥‥『ウォーターボール』が『ファイアアロー』を通り抜けて木の葉が『ウォーターアロー』?
「わかってないみたいね。流石に一度に説明しすぎたかしら?まあ今は分からなくてもいいかしら」
そうしてください、ぜひそうしてください。そろそろ脳の処理が追いつかなくなってきたので。
「あら、気がついたらもう夜ね。明らかに説明が長かったわね。困ったわね‥‥‥後一つ、『魔力を使った後『MP回復薬』を飲ませるという練習』もしようと思ったけど‥‥‥明日にしたほうがいいわね。シズナ、魔法を使って今日の練習は終えるわよ」
俺は『火球』の詠唱を3回ほどした。もちろん、詠唱を終えた頃に凄まじ脱力感に襲われたけど。
ーー兎も角、これにて今日の魔法の練習は終わりだ。
—————
文字数を増やそうとしたので更新期間が長くなりました。
‥‥‥完全に言い訳ですね。遅れてすみませんm(_ _)m
—————
飯は赤い肉と赤い野菜‥‥‥元がどんな食材かは想像したくない。あ、普通に美味かったです。
飯を食い終えた後は魔法の訓練だ。今のところ授業、剣術の訓練の2つと比べてこれが一番楽しい。
「とりあえず、庭に行って待っていればいいのかな?」
俺は庭に向かった。庭に着くとそこには母さんがいた。
「来たわね。それじゃあ魔法の練習をしましょう」
「はい!」
「昨日は試しというわけで適当に魔法を発動させたわ。でもただ発動させただけでは威力が低くて相手を倒せなかったり、上手く相手に当てられなかったりするわ。だから今日は魔法の制御について学ぶわ」
「『火球』」
「は、母上‥‥‥今詠唱なしで‥‥‥」
母さんは詠唱をせず、ただ『火球』と言った。それだけで『火球』は現れた。しかも昨日の俺のよりも大きい‥‥‥。
「あ、これはね【詠唱破棄】というスキルよ。文字通り、詠唱を省くーー詠唱する言葉を無くす効果を持つわ」
何だスキルか‥‥‥便利なスキルだな。ちょっと欲しいな‥‥‥。
「母上、僕も【えいちょうしゃき】が欲しいです!!」
あれ、噛んじゃった。なんだよ‥‥‥【えいちょうしゃき】って‥‥‥ちょっと笑えるな。
「別にいいけど‥‥‥これ、『魔力を通常の2倍ーーいつもより多く消費する』わよ。普通に詠唱した方がいいわ」
2倍か‥‥‥多いのか少ないのかわからない微妙な倍率だな‥‥‥。
「話を戻すわね。この『火球』は威力が弱く範囲も狭い一番簡単な魔法だけど、魔法の基礎でもあるのよ。よく魔法は『威力が強く範囲が広いのが凄い』と思われているみたいだけど‥‥‥私から言わせれば『基礎ができていない人が何を言っている』なんだけどね」
母さんは基礎を大事にする派かな?俺は威力や範囲派だけど。でも怒られそうだから黙っておこう。
「シズナ、よく見ててね。今からこの『火球』に木の葉を入れるわ。どうなると思う?」
どうなると思うって‥‥‥そりゃあ、燃えるだろう。葉っぱなんだから。
「燃えると思います」
「本当にそう思う?ふふ、それじゃあ入れるわね」
母さんは意味深な笑みを浮かべながら葉っぱを『火球』に入れた。ヒラヒラと空中を舞っていた葉っぱが『火球』に触れた時、俺は燃えると思っていた。予想通り、葉っぱは燃えーーなかった。
「えっ!?」
あまりの驚きに俺は声を出してしまった。葉っぱが火に触れたら燃えるなんて自然の摂理のはずだ。なのに‥‥‥それが当てはまることなく葉っぱは燃えずそのまま空中を舞って地面に落ちた。
「‥‥‥」
目の前のありえない光景を目にして俺は唖然としたまま固まった。
「(ありえない)」
「ふふふ、どうかしら?」
「凄いです‥‥‥」
「じゃあ今からなぜ燃えなかったのかを説明するわね。先に言っておくけど、この木の葉はどこにでもある木の葉よ。耐燃性ーー燃えにくいわけじゃないわよ」
そりゃあそうだ。耐燃性の葉っぱとかズルでしかない。とんだイカサマだよ。
「木の葉が燃えなかった秘密は魔法の制御にあるわ。シズナ、試しにこの『火球』に触ってみて」
え、火を触れって‥‥‥もしかしなくても虐待?
「嫌です」
「別に熱くないわよ。試しに触るだけでーー「い や で す」ーーわかったわよ‥‥‥まだ最後まで言ってないのに」
なんと言われようが火に手を突っ込むなど絶対に拒否する。何千何億円払うからって言われたらちょっと考える‥‥‥。
「別に危険なわけじゃないのに‥‥‥まあ、何も知らなければ怖いのは当然よね。私が悪かったわ」
そう言って母さんは『火球』に向かって手を伸ばし掴んだ。母さんは掴んだ『火球』を両手でこねたり延ばしたりした。すぐに丸い球
の形に戻ったけど。
「母上、何しているのですか!?」
「んー?私はシズナの代わりに魔法を触っているだけよ」
「ですが‥‥‥」
「大丈夫よ。制御を誤ったりないわよ。シズナも触ってみる?」
「危険でなければ‥‥‥」
実は密かに魔法を触ってみたいと思っていた。でもやけどや怪我をしたくなかったから遠慮していたが、母さんが制御を誤らないと言っているので信用することにした。
どんな感触なんだろうか‥‥‥もちもちしているのか、それとも固いのか。想像が膨らむな。
「はい、どうぞ」
母さんは『火球』をパンを二つに分けるかのようにちぎった。ちぎられた『火球』はまったく同じ形、同じ色、同じ大きさになった。
そして母さんは俺に右手で持っている『火球』を投げた。
俺は投げられた『火球』をキャッチして『火球』を触った。
意外と固い。でも前世で触ったドッジボールよりは柔らかいかな。よく考えなくても、もともとそこに存在しなかったものが質量を持って感触があるっておかしいことだよな‥‥‥まあ、これが『魔法』ということで納得しないとこれ以上は哲学になりそうだ。
感触の他にはそうだな‥‥‥思ったより熱くないという点だな。熱くないだけで熱量は持っているけど。大体、俺の体温より低いくらいかな。
他には‥‥‥軽い。ドッジボールサイズなのにテニスボールのような重さしか感じない。これくらいなら5歳児の俺でも投げれるかな?
「シズナ、『火球』を渡して頂戴」
「どうぞ」
渡してって言われたけど‥‥‥何するんだろう?
そう思ってみていると二つの『火球』を合体『火球』を一つの元の大きさに戻した。そして戻したばかりの『火球』を再度三つに分けた。
一体何がしたいのか全くわからない。
「よく見てなさいね。せーのっ!!」
母さんは右手に二つ、左手に一つの『火球』を持ってジャグリングをし始めた。しかもめちゃくちゃ上手い‥‥‥。
「母上、何しているのですか?」
「遊んでいるのよ」
「何しているのですか‥‥‥」
「別にただ遊んでいるわけじゃないのよ。遊びながら魔法の制御の練習をしているのよ。ほら、どちらか一方に集中しすぎたらどちらか一方は失敗するでしょ?」
なるほど。遊びに魔法の制御を加えたのか‥‥‥考えられているな。俺じゃあ思いつかなさそうだ。
「でもシズナは一人でこの遊びをしてはダメよ。魔法の制御を誤ると魔法はそのまま消えるか人に危害ーー怪我をさせるからね。オススメは『火魔法』よりも『水魔法』を使った遊びよ」
「形なき水よ、我が障害を打ち倒せ、『水球』」
母さんが詠唱を終えたら今度はすごく透明度が高く透き通っている水の球が現れた。一体その『ウォーターボール』をどうするのだろうか?
「『火球』だと怪我をするから『水球』で練習したほうがいいわよ」
そしてそう言って『ウォーターボール』を二つにちぎり俺に渡した。
冷たッ!水だからかさっきの『火球』より冷たい。感触はポヨンポヨンと柔らかいけど。
「何ですか?」
「私がさっきやったみたいに練習してみなさい」
「え‥‥‥」
俺にジャグリングをやれと?‥‥‥無理です。でもやつてみるだけやるか。
「ほっ‥‥‥あ、落ちた」
なかなか上手くいかない。たったの二つなのに難しすぎる。上手くいかないのは質量が全く同じだからなのか?
「ちなみに魔法の制御をある程度できるとこういうこともできるようになるわ。面倒だから【詠唱破棄】を使おうかしら?『火矢』」
『ファイアアロー』、名前から推測するに火の矢か。実際に現れたのは予想通り、火の矢だった。しかし、何故一本だけなんだ?もっと出せばいいのに。
「母上、何故一本ーー一つだけなのですか?」
おっと、危ない危ない。なまじ5歳児より知識があるせいで明らかに5歳児らしからぬ発言をしそうになるな。それに気をつけるのも大変だ。
「今は一本しか必要ないからよ。モンスターを倒す時はもっと出すけどね。シズナ、今出した『火矢』を『水球』に刺したらどうなると思う?」
普通は『火は消える』だが、今までの問題から考えると常識に囚われてはダメだから答えはーー
「そのまま通り抜ける、ですか?」
ーーこれで正解だろう、多分。
「さあ、果たしてそうなるかしら?実際にやってみるわね」
母さんは手に持っている杖を動かして『ファイア・アロー』を操り『ウォーター・ボール』の方向に向けた。向けた後、ゆっくりと『ファイア・アロー』を動かした。動かされた『ファイア・アロー』はゆっくりと進み、数秒後『ウォーター・ボール』に突き刺さった。
「ちょっと惜しいわね。答えは『突き刺さって止まる』よ」
何じゃそりゃ‥‥‥とんでもない答えだな。屁理屈にしか聞こえない。
「ちなみに今まで出した問題は全て、『魔法の制御』ができる前提の問題だからね。威力を重視する人や初めて魔法を使った人だと私が出した問題の答えは違うわよ。どう違うかというと今から実演するわね」
「まず、『『火球』に木の葉を入れる』だけど本来はこのように燃えるのよ」
そう言って母さんは『火球』に葉っぱを入れた。入れた葉っぱは『火球』に触れた途端、燃えながら地面に落ちて灰になった。ただ、ひらひらとではなく突然質量を得たかのように早く落ちていったが。
「次は、『『火球』を触る』ね。本来は絶対に触ってはいけないのよ。火傷ーー怪我をするからね。流石にこれを実演する気は無いわ」
「最後に、『『水球』に『火矢』に刺す』だけど、これも本来は刺さったり通り抜けたりすることなく『水球』に『火矢』が消されるわ。ここまではわかった?」
えっと‥‥‥『ウォーターボール』が『ファイアアロー』を通り抜けて木の葉が『ウォーターアロー』?
「わかってないみたいね。流石に一度に説明しすぎたかしら?まあ今は分からなくてもいいかしら」
そうしてください、ぜひそうしてください。そろそろ脳の処理が追いつかなくなってきたので。
「あら、気がついたらもう夜ね。明らかに説明が長かったわね。困ったわね‥‥‥後一つ、『魔力を使った後『MP回復薬』を飲ませるという練習』もしようと思ったけど‥‥‥明日にしたほうがいいわね。シズナ、魔法を使って今日の練習は終えるわよ」
俺は『火球』の詠唱を3回ほどした。もちろん、詠唱を終えた頃に凄まじ脱力感に襲われたけど。
ーー兎も角、これにて今日の魔法の練習は終わりだ。
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‥‥‥完全に言い訳ですね。遅れてすみませんm(_ _)m
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