異世界最強のレベル1

銀狐

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氷山の討伐

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 アイスマウンテンロック討伐後、雪山に不思議な現象が起きた。

「暴風雪が……」

 あんなに大荒れだった暴風雪がぴたりと止んだ。
 その上、太陽まで顔を見せた。
 もしかしたらアイスマウンテンロックの魔法というより特性か何かだったのだろう。

「あ、今更だけど晴らしてよかった……?」
「むしろうれしいです!こうなれば危険も減りますし、子供たちが外で遊ぶこともできますので」
「そりゃあよかった」

 まあ普通に暮らしていたらあの暴風雪は邪魔だったろう。
 よくずっと暮らしていたと思うほどだ。

「それに、これを気に他の人達と関わりを持とうかと思いまして」
「それはいいことだ。知らなかった世界を知れることは楽しいからな」
「ええ、そうしてみます」

「ただ、クラハドールさんたちは気を付けろよ」
「えっ?ディラさんたちのように強い人が多いからですか?」
「逆だ、逆!俺たちからしたら…今は違うな。まあこの外だとLv.1000超えは珍しいんだ。大体みんな10ぐらいらしいし」
「10!?よく皆さん生きていましたね……」

 正直俺もそう思う。
 でも俺たちは今Lv.1なんだ。
 数字だけ見ればその人達より低い。

 あっ、そういえばモンスターを倒したからあれが入るはずだ。

「何をしているの?」
「アイスマウンテンロックを倒したんだ。経験値が入っていないかなあって」
「そうだったね!どれぐらい入ってたのー?」

 前にステータスを見たんだけど、バグっていたんだよなあ。
 大丈夫かな?

「ん?鍵マークが付いていて経験値が入っていない」
「「えぇ!?」」

 今までこんな機能はなかった。
 レベルを上げたくなくても嫌でも経験値は入ってしまう。
 それなのに1も入っていない。

 それにこの鍵マークはなんだ?
 始めてみたけど、選択でもすればわかるのか?

「『条件未達成』と書かれている」
「条件未達成?」
「何かしら?その条件って」
「分からない。でも俺たちは今、レベルが上がらないみたいだ」

 つまりはこれ以上の化物にはなれないってことになる。
 新しい魔法を覚えればまだ分からないけど。

「残念ね。期待していたのに」
「本当、残念だったねー」
「…なんか俺が残念みたいに言われているみたいだな」

 俺に向かって残念残念言わないで。
 こう見えてけっこう傷つくタイプなんだから。

「では私は街へ帰ります。早く皆に知らせたいので」
「ああ、迷惑をかけたな」
「いえいえ、これで私たちも変わることができます。ありがとうございました」
「どういたしまして、頑張れよ!」

 クラハドールさんは雪山へと帰っていった。

 もしだけど、あの町の人たちがガルガン王国やクラーにいったらどうなるんだろう?
 レベルの桁が違い過ぎて拒まれなければいいけど。

「さて、俺たちも帰るか」
「ええ」
「うん!」

 俺は討伐達成の証拠としてアイスマウンテンロックの頭を持とうと近づいた。
 そんな時だった。
 空から何かが降ってきた。

 そしてそのままアイスマウンテンロックの頭を消し飛ばした。

「「「ああああ!!!!」」」
「むっ?何か踏んだか?」

 くそっ!
 一体誰だよ、それ潰されたら証拠がなくなっちまうじゃないか!

 土煙が舞い、その中から1人の男が現れた。

「…貴様がディラか?」
「そうだけど、誰?」
「俺はシュラ。地獄からやってきた男だ」

 …一体何を言っているんだこいつは?
 地獄って死んだときに行く場所だよな?

 だが、そう言われてもおかしくない見た目をしている。
 顔の左右に別の顔があり、腕は6本もある。
 まるで阿修羅みたいなやつだ。

「それで何のようだ?」
「貴様の力を見に来ただけだ。殺しはしない」
「……へぇ」

 なるほど、勝負をしに来たのか。
 どこで俺の話を聞きつけたのかは知らないが、乗ってやろうじゃないの!

「いいぞ、俺も殺さないように戦おう」
「そんなことをしなくていい。殺す気で来い」
「…そうかよ」

 随分と強気だな。
 まあ俺もけっこう強気だけどさ。

「ファラ、メル。一応離れてて」
「わかったわ」
「気を付けてね!」

 二人は空へと飛んだ。

「さて、ヴェルの言っていた相手はどの程度か。確かめさせてもらおう……!」

 俺たちは思いもよらない名前を耳にした。
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