異世界最強のレベル1

銀狐

文字の大きさ
50 / 60
奇跡の花

45

しおりを挟む
 翌朝。
 俺は早めに起きてしまった。
 なんだかんだでこっちに来てからは早寝早起きをしている。

 みんなと合流するために俺はリビングへと向かった。

「おはようございます」
「おはよう、早いな」
「執事ですので」

 と、答えながら朝ごはんの準備をするように指示をしていた。
 こんなに朝早くから仕事なんて。
 朝から仕事って大変だよな。

「おはよう」
「おっはよー!」

 ファラとメルも起きてリビングにやってきた。
 早起きしている俺もそうだけど、二人の生活習慣はしっかりしているな。

「二人ともおはよう」
「あれ?ここで食べるの?」

 実はこの家にはしっかり食堂がある。

「だって食堂遠いじゃん」
「そうだけどさぁ……」

 言いたいことは分かる。
 でも朝から移動するのは面倒くさいんだもん。

「朝だけはこっちにさせて!」
「むぅ……」
「しょうがないわね。朝だけよ」
「よし!」

 なんか我儘を言っている子供のような扱いだけど。

 朝から1階に行ったり2階に行ったり移動するのは面倒くさいからなあ。
 こうまでしてお願いするほどでもある。

「それでは今後、そうするようにメイドたちに言っておきます」
「朝だけだけど、頼むよ」
「かしこまりました」

 こうして俺たちはリビングで朝食を食べた。
 量は…絶対3人だけではない。
 てっきりダンやメイドたちの分まであるのかと思ったけど、それも違う。

 なんで俺たち3人のためにバイキングをつくっているんだよ!
 絶対余るし、金の無駄だし食材がもったいない。

 と思ったけど、余ったらお昼のメイドたちのごはんになるみたい。
 人気の食べ物はお肉。

 …朝から入らないからそんなに食べないって。
 『残して!』みたいな目で見ないでくれ!

 朝食後、身支度も済んでいるため後は移動するだけだ。

「それでどちらまで行かれるんですか?」
「あー……」

 そういえば正確な場所までは見ていなかった。
 ここから歩いて10日ぐらいしか知らない。

 もう1度、依頼書をよく読んでみよう。
 表には絵で、裏に詳細が書かれていた。

「えっと、東の荒野ロールだってさ」

 ん?俺たち花を探しに行くんだよな?
 それなのに荒野って……。
 本当にあるのか?

「その依頼は聞いたことがあります。たしかスロウ様が受けていたはずでは……」
「スロウ、ってのは有名なのか?」
「ええ、大変有名な方ですので」

 Sレベルなんだから有名なのか?
 俺たちが冒険所に行ったときもみんな知っていたようだし。
 でも受けた依頼まで知っているってやばいな。

 ダンは依頼を聞くと、何か考え始めた。

「そうですね、旅はおよそ1年ぐらいでしょうか?」
「いやいや、そんなに長く空けないから!」

 そんなに長くなると思っていたのか!?
 俺だったら嫌だよ、一つのクエストにそんなに時間を使うなんて。

「そうだな、長く見積もって1ヵ月ぐらいかな」
「そんなに早くですか……?」
「ああ、それ以上時間がかかりそうなら一旦戻ってくるよ」

 生存確認の方もあるし。
 そこまで長く滞在するつもりはない。

 その後、俺たちは出かけるために道の確認をすることにした。

「ロールに行くのでしたら飛んでいくと楽ですね」
「ダンは飛行魔法を使えるのか?」
「いえ、スロウ様が飛んで行かれたので」

 自分じゃないのかい!
 でもまあ、元々飛ぶつもりだったけど。

 道の確認も終わり、俺たちは外に出た。

「それじゃあちょっと行ってくるわ」
「いってらっしゃいませ」

 俺たちは飛行魔法を使い、東に向かい飛び始めた。

「どれぐらいで着くかなあ……」

 歩いて十日だと結構遠いよな?
 早めに着くよう、俺たちは速度を徐々に上げていった。

 風景は山、森、草原を繰り返していた。
 歩いて十日、遠いだけはある。

 ようやく茶色いものが見え始めたのは5時間も飛んだ後だった。

「ここが…ロール……?」

 荒野は果てしなく続いていた。

 こんな広いところから一つの花を探すなんて馬鹿なのか?
 雪山と言い荒野と言い、こっちの依頼は面倒くさいのばっかりだな。
しおりを挟む
感想 22

あなたにおすすめの小説

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

異世界ビルメン~清掃スキルで召喚された俺、役立たずと蔑まれ投獄されたが、実は光の女神の使徒でした~

松永 恭
ファンタジー
三十三歳のビルメン、白石恭真(しらいし きょうま)。 異世界に召喚されたが、与えられたスキルは「清掃」。 「役立たず」と蔑まれ、牢獄に放り込まれる。 だがモップひと振りで汚れも瘴気も消す“浄化スキル”は規格外。 牢獄を光で満たした結果、強制釈放されることに。 やがて彼は知らされる。 その力は偶然ではなく、光の女神に選ばれし“使徒”の証だと――。 金髪エルフやクセ者たちと繰り広げる、 戦闘より掃除が多い異世界ライフ。 ──これは、汚れと戦いながら世界を救う、 笑えて、ときにシリアスなおじさん清掃員の奮闘記である。

転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする

ファンタジー
ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。 リーゼンが洗礼をしたさい、圧倒的な量の加護やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のリーゼンを辺境伯家の領地の北を治める代官とした。 これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。

【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~

ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。 王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。 15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。 国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。 これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。  

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜

KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞 ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。 諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。 そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。 捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。 腕には、守るべきメイドの少女。 眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。 ―――それは、ただの不運な落下のはずだった。 崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。 その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。 死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。 だが、その力の代償は、あまりにも大きい。 彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”―― つまり平和で自堕落な生活そのものだった。 これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、 守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、 いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。 ―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。

異世界へ誤召喚されちゃいました 女神の加護でほのぼのスローライフ送ります

モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎ 飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。 保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。 そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。 召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。 強制的に放り込まれた異世界。 知らない土地、知らない人、知らない世界。 不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。 そんなほのぼのとした物語。

スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~

深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】 異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!

処理中です...