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4、遊んでみた
しおりを挟む「トカゲ好きだー、結婚しよーぜー」
「ねしー、かばー、ニワー」
「それ何だー?」
「んもじゅいならかわはにかばー」
「がっはーっは、トカゲ面白い遊びだなー」
「うっぜー」
「お、治った」
やっぱバカをバカにしても疲れるだけであった。
もぐもぐと先日の花弁を煮詰めた棒つき飴を舐めていると、ぴっっと舌を切ってしまう。
華の恨みかよ、うぜー
紙とか牙とか尖ったところで切るのとかよくあるよなー
うぜーと気にせず飴を舐めてると、途端に上に影が差した。
ん?と見上げればワニの口。
ずらりと牙がよだれを引き連れて鈍く光る。
どす黒い闇の様に見える真紅の口内に流石に肌が泡立った。
「ワニ! 丸呑みはやめろ!」
咄嗟に腕をワニの喉奥に突っ込めば、ワニの血に酔っていた目が戻った。
「おー、トカゲすまん、つい腹が減ってなー。そういや朝飯抜いてたわ」
ぞぶぞぶと頭の代わりに食べられた我が右腕にお悔やみしつつ、さっさとワニから離れる。
最近慣れも生じていたが、久々に恐怖が蘇った。
こいつは捕食者だ
「トカゲ何処行くんだー?」
「ワニがいないとこ」
さっさと無視して歩こうとしたら、鋭い爪が肩を掴んでワニの方へと向かせられる。
ぞぶりと肌に突き刺さり、鮮血が服を染める。
咥えていた飴がぽとりと地面に落ちた。
思わず舌打ちが零れる。
あーくそ、マジで加減が出来てねぇ、まだ醒め切ってねーのかよクソワニめ
「ワニ離せ」
「んー?」
ワニは聞いているのかいないのか、その細長い顔を此方に寄せている。
いっちょまえに嗅いで味見のつもりか
此処で私も終わりか?
「食うのか?」
「あー、そうだなー…」
こいつにとってはどうせどっちでもいいんだろう
目がとろりと血と愉悦と享楽に酔っている。
龍族混じりのこいつにとって、番の血肉は唯一無二の極上の美酒美食だとは聞いたことあるが…
ふん、私にとっては関係ない
口の端から生温かさが零れた。
どうやら思ったより深く切っていたらしい。
零れた鮮血に目を止めたワニが、生冷たい舌でべろりと拭った。
水音が耳元を横切る。
「やっぱうまいわー、トカゲ結婚しようぜー」
「ワニ、その前にこの腕を離してから言え」
どうやら今日も生き残ったようである
後書き
ちなみに最初の会話とサブタイが分からなかった人へ
単純に逆から読んでみてネ☆
しかしわざわざ読み返すほどでもない内容の無い会話であることはお察し☆
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