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27、赤い花
しおりを挟む「あートカゲに会いてえなー」
適当に振り下ろした戦斧の下で赤い花が咲く
脆い人間との戦いはつまらない
偶に骨のある奴等が挑んでくるが、それもすぐ恐怖に染まった顔で背を向けるのである
そうなれば下に咲く赤いのと変わらない
現に今花になった
そういやこれを花みてーだと言ったのはトカゲだったか
「足りねーな」
昔は血湧き肉踊った闘いも、最早時間潰しの刺激にすらならない
赤黒赤
血の匂い、トカゲの色、やわい肌
酷く、酷く渇く
浴びる血では全く足りない、満たされない飢餓感
血が、心臓が、魂が酷く渇くのだ
最近では離れ過ぎるだけで立っていられないほどの虚無感が慢性的に付き纏うようになった
トカゲと会うと、泣こうが押さえ付けていっそずっと食い続けるか、全部食って一緒になりたいという衝動の様な嗜虐心と、一喜一憂させるだけで満たされる多幸感を彷徨う
多幸感でさえ下手すれば何処かへ閉じ込めてぐちゃぐちゃに甘やかして尽くしたい欲望が混じっていた
欲と欲の狭間の狂気にすら酔える程には、トカゲという存在に溺れて狂っている
ふと肉片を適当に摘んで口に入れたが、結局は物足りなさだけが募った
「あートカゲに会いてーわ」
振り下ろせば、また一つ赤い花が咲いた
後書き
ちなみに別れてから十分の話
え、骨のあるチーム?やる気ないとはいえ五人編成で四十秒はだいぶ保った方
最近某人により逆鱗をべろんちょされてそれぞれの渇望具合が増したらしい(トカゲ墓穴を…)
しかし今後も一切トカゲに渇望具合に関して何か言うつもりはないそうである
ちなみに「赤い花きれー」じゃなくて、うえー、まじやめろうっぷという情緒ない会話なのは勿論である(感性が人間よりなのがトカゲの悲劇)
前話で出てこないと思ったら今話で出てきたワニさん
これでワニの味方が増えるのかな?
勝手に決めた突然の500字縛りがないならどっろどっろの執着心をもっと事細かで丁寧に書いてたが……
トカゲふぁいと!
さ、作者はトカゲの味方だぜ?だってこれコメディ調でいきたいsi…
これからも魔界食肉日和をよろしくネ!
次話「宰相様」やっと登場!
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