6 / 19
離婚したけど貴方が好き
「拓兄、離婚届貰ってきた?」
「あぁ、先に凛子が記入しろ!!」
福岡支店の監査から帰ってきた拓兄。
監査といいつつ1泊2日の出張だったから、宿泊するホテルの最上階にあるBARで女狩して部屋に連れ込んで一夜を楽しんでお疲れのようだった。
離婚届の入った茶封筒を私に渡すと拓兄はさっさとお風呂に入り、受け取った茶封筒から離婚届を取り出し、ダイニングテーブルで記入する。
離婚しないといけないとわかってはいても、蓮翔さんの事を愛していて、サインをするのに時間がかかってしまう。
1字書くたびに手が止まり、書き進められなかった。
拓兄がお風呂から上がって冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出してるのが目に入り、慌てて記入し印鑑を押す。
「拓兄、これ、明日蓮翔さんに渡しといて!!」
外せないでいた左手薬指の結婚指輪を外し、離婚届と一緒に茶封筒に入れて拓兄に渡した。
「わかった。あっ、離婚した事は半年ぐらいは隠すから。流石に5日で離婚は早過ぎるだろっ。職場では仲良い夫婦を演じろとは言わないが普通に接しろ。俺が受けてる物件の意匠設計を桐嶋に引き継いだから内装設計の段階に入ったら絡みが出てくるからな」
インテリアプランナーとして拓兄の片腕として大きな仕事に携わってた。
蓮翔とのプライベートの関係は破綻したとしても、このやり甲斐のある仕事は失いたくない。
『女の子だから残業時間がカオスな総合職はさせられない』と拓兄に言われ、一般職採用でインテリアプランナーをしてる私。
本当は総合職採用で意匠設計をしたかった。
そのために高校時代に死ぬ気で勉強し、国立大最難関のT大理1の建築学専攻に入って建築士として務まるよう必死に学んだ。
だけど、大学院に進む事を許して貰えず、意匠設計に携わる仕事でも内装設計に関して補佐的な業務しかさせて貰えない。
入社してしばらくはかなり不満だった。
でも、一般職は残業時間に規制があるからプライベートな時間が守られる。
だから、家事と仕事を無理なく両立させる事ができた。
朝起きて、早出する蓮翔さんにおにぎりかサンドイッチの朝ご飯用のお弁当を作り、水筒にお茶を入れる。
それを先に出勤する蓮翔さんに渡して、行ってらっしゃいのキスとハグをし、遅い時間に帰ってくる蓮翔さんに栄養満点なヘルシーな夕ご飯を作り、夜に甘い時間を過ごす事ができた。
就職して3年間は共稼ぎの理想的な幸せな生活を送ってた。
福岡支店に蓮翔さんが転勤にならなければ、今頃、結婚して子供がいたかもしれない。
蓮翔さんは拓兄に逆らえないから、渡された離婚届にサインしてすぐに役所に提出したと思う。
吉川さんのお腹の中で育ってる赤ちゃんが生まれてくるまでに、蓮翔さんへの想いを無くさないといけない。
これから、仕事のパートナーとして蓮翔さんとこれから絆を築いていかないといけない。
蓮翔さんが設計したマンションとホテルの内装デザインの仕事を受けたのはあの日から2週間後の事。
仕事の打ち合わせで蓮翔さんとミーティング室で2人きりで会わないといけないのがとても怖かった。
ミーティング室に入ると蓮翔さんはもう来ていて、ノートパソコンを開いて書類作成をしてた。
仕事に対して真面目な人だから、仕事と割り切って私とタッグを組んで仕事をしてくれるはず。
事前にメールで送られた間取りと外装の完成予定図から、予算内で収まる壁紙と床材、キッチントイレバスに洗面台などのプランを3通り用意して、このミーティングに望んだ。
仕事の話しかしない。
部屋に入り、蓮翔さんの前の席に座り、プランの資料を無言で差し出した。
ノートパソコンのキーボードを叩いてた手が私の作成したプランの資料へ行き、蓮翔さんは1枚1枚じっくり目を通してくれた。
「……プランCでいこうか。完璧だな。色違いの候補もあるし、凛子は優秀だな」
1回のミーティングで内装設計が決まるよう、住宅機器住宅素材メーカーに見積もりを出し回答を急かし資料作成をした。
勤務して5年目になると、一連の仕事の流れを把握し、動けるようになる。
「……プランCでカタログを作るよう発注出しときます。では、失礼します」
1回目のミーティングでOKが出て、胸を撫で下ろし、ミーティング室から退室した。
仕事の要件だけで数10分で解放され安堵する。
でも、私と離婚してもう割り切って仕事に打ち解けてる蓮翔さんをみて、私は愛されてなかったのかもしれないと思った。
浮気相手に子供ができたから責任をとらないといけないかもしれない。
でも、私と離婚し縁が切れる事に対して少しでも動じて欲しかった。
蓮翔さんと週に1度はミーティングで顔を合わせる。
でも、仕事の要件のみを話し、プライベートな話は一切しない。
拓兄が溜め込んだ物件の意匠図面を次々と仕上げていかないといけないから、蓮翔さんは仕事が大変そうだった。
内装設計に関して忙しい蓮翔さんに時間とらせ手を煩わせたらいけないと、依頼書が届いたら完璧な状態に仕上げ、ミーティングにのぞんだ。
「……蓮翔さん、顔色が悪いですけど大丈夫ですか?」
「……大丈夫。拓磨さんが溜め込んでた意匠図面作成もだいぶ片付いたからら忙しいのは後1、2ヶ月ぐらい」
蓮翔は仕事に没頭すると食事も睡眠もとらずひたすら働き続ける。
少し痩せてやつれて目の下に隈ができていて、心配になる。
私と離婚したのに、仕事が忙しくて吉川さんと向き合う時間がないのか彼女が東京にきて一緒に暮らしてる感じはなかった。
吉川さんも福岡支店でインテリアプランナーとして働いてる。
身重なのもあり、週末は家で疲れを癒して東京には出てきてないのかもしれない。
「ドーツーインホテルの新規ホテルの内装設備素材、発注かけときますね」
ミーティングを終わりにし、部屋から出ようと立ち上がる。
蓮翔さんに背を向けてドアノブに手をかけようとしたら、ドンッという音が聞こえ、振り向いたら蓮翔が床に倒れてた。
拓兄のプライベートのiPhoneに電話をかけた。
救急車を呼ぼうか悩むも、過労で倒れたようでしばらく休めば回復するはずだから家に連れ帰って休ませるのが最善だと思った。
社内にいた拓兄が秘書の有川さんを連れてすぐに駆けつけてくれて、蓮翔さんの手を肩に回し2人がかりで1階まで連れて降り、社用車で自宅マンションまで送っていく事になった。
「凛子、お前も一緒に帰って、こいつが無理して仕事しないよう見張れ。妻なんだから!!」
もう妻ではないけど、離婚の報告をしてないから社内ではまだ夫婦という事になってる。
一緒に車に乗り込み、懐かしい家の中に入った。
家には着替えと入浴と寝るためだけに帰ってるようで、生活感が全く感じられなかった。
「凛子、見張っとけよ。じゃ、俺らは仕事に戻るわ」
拓兄と有川さんが蓮翔さんをベッドに寝かせ、すぐに家から出ていった。
私と付き合う前はしょっちゅう過労で倒れてた蓮翔さん。
私と離婚してから昔みたいに三大欲求が欠如してしまったようだった。
洗濯機の中に入れっぱなしで溜まってるシャツとトランクスと靴下を洗い、干す。
それ以外の衣類は全て地下のクリーニングに出してるようだった。
2日間ぐらいは家に閉じ込めて休養させた方がいいから、何か胃に優しい料理を作ろうと地下の食品スーパーに買い出しに行く。
鶏肉じゃがと鰈の煮付けと豆腐とわかめの味噌汁を作る。
吉川さんはあれから1度もこの家に来てないのか、吉川さんの私物だと思われる物は一切何も出てこなかった。
「……凛子」
料理を終えてエプロンを外しキッチンスペースから出ようとしたら、蓮翔さんがいつのまにか起きてきて、私が料理をしてる後ろ姿を見てた。
「ご飯炊けてるし、お昼頃にはまだ少し早いけど、食べる?」
「食べる……」
外したエプロンをつけ、できたてほやほやの料理を皿によそってダイニングテーブルに運ぶ。
私の分もよそい、久しぶりに蓮翔さんと食卓を囲む。
私が作った料理をいつも美味しそうに食べてくれる蓮翔さん。
しばらくの間ご飯を食べてなかったのか鍋いっぱいに作った鶏肉じゃがを全て平らげた。
「凛子が作る料理が1番美味しい」
2合炊いたご飯もほぼ全て蓮翔さんの胃袋の中に入った。
青白い顔色に血色が戻った。
少し眠って栄養満点のご飯を食べたから体調が良くなったようだった。
「……片付けが終わったら私、帰るね。今日は仕事せずにゆっくり休んでね」
蓮翔さんに料理を褒められ、勘違いしそうになる。
私は元妻で今は仕事のパートナーに過ぎない。
「……凛子、帰らないで、ずっとここにいて」
食器を片付けようとダイニングチェアから立ち上がると蓮翔さんに右手を掴まれた。
「……いられないよ。蓮翔さんには吉川さんと吉川さんのお腹の中に赤ちゃんがいるでしょ」
「吉川とはそういう関係じゃない。俺は凛子と付き合い始めてからは凛子以外の女を抱いてない。吉川の腹の子は不倫相手の子で、あの2ショットも出張先のホテルで勝手に合鍵を使って入ってきて撮られただけだ。福岡と東京で遠距離になったけど、週末は東京で過ごしていて凛子を抱いてたから平日に他の女を抱く気なんて起きるわけないだろ……」
蓮翔さんが横にきて、私を力強く抱きしめた。
「……なんで、それをすぐに私に伝えてくれなかったの?」
「……事実を証明しないと凛子が信じてくれないと思ったから。拓磨さんが吉川と不倫相手の神崎工務店の田辺課長の不倫を暴いて制裁を食らわすといってた。あれから吉川は何もしてきてなくて動きがないから時間だけが過ぎてた。凛子、実は俺達、離婚してないんだ。凛子、帰ってきてくれないか!!」
結婚初夜を吉川さんに台無しにされた週明けに拓兄が監査といって突然福岡支店に行ったのは、吉川さんと蓮翔さんが本当に浮気をしていたかの事実確認と、吉川さんと協力会社の上司かわ不倫している証拠をとるため探偵に依頼するためだった。
「……蓮翔さんを信じていいの?本当に吉川さんのお腹の中の子、蓮翔さんの子じゃない?」
「絶対にない。凛子以外抱く気になれない。凛子が俺から離れて、俺の性欲が削がれ、凛子と付き合う前の欲求が欠如した不健康な体になった。凛子、俺、凛子がいないと人間らしく生きれない。凛子、お願いだ。帰ってきてくれ!!」
私の肩に手をやり、私の目を真剣にじっと見つめる。
「……蓮翔さんの側にいたい」
背伸びをして蓮翔さんの首に両手を回し、唇にキスをした。
私を抱きしめ、舌を絡め合わせ、熱くて深いキスをする。
「……凛子、抱いていい?俺、凛子を抱いてないからか食欲もなくなって不眠症になって、もう限界。凛子とミーティング室で2人きりになる時、何度か魔が差して押し倒しそうになった。仕事の話だけして、なんとか耐えた」
ミーティング室で仕事の話だけしかしなかったのは、私を押し倒さないよう理性で本能を抑えてたからだったんだ。
「……蓮翔さん、私を抱いて!!」
2ヶ月半のすれ違い生活。
実は離婚してなく、蓮翔さんは誤解を解いて私とやり直そうとしてた。
久しぶりに感じる蓮翔さんの体温と鼓動。
寝室に連れ込まれ、着ていた淡いピンク色のブラウスとタイトスカートを脱がされた。
季節はもう夏で、あの日から3ヶ月が経過してた。
「…蓮翔さん、せかさないで………」
「無理、凛子にやっと触れられるのにすぐにでもここに挿れたい」
ショーツを剥ぎ取り感じる蜜蕾を指で摘まれ親指の腹で擦られ、蜜壷に中指と人差し指を入れられる膣壁を弄られた。
「やっ…いやぁ…ダメ…」
「説得力ない。ここ、トロトロで……ビクついてる。ゴメン、挿れさせて」
イかされて身体がピクンとさせ震えてたら、衣服を全て脱ぎ捨てた蓮翔さんが私の両腿を開き、蜜壷に猛々とした屹立を埋めた。
敏感になっている膣壁に入ってきた男の昂りに激しく突かれ、内部がひくつきぎゅっとそれを締めつける。
「……凛子、俺の子を産んで」
蓮翔さんが私の唇にとろけるようなキスをしてきて、そして、私の膣奥に遺伝子のエッセンスを注いだ。
「……まだ、やりたいけど、体力的に無理だ。これから毎日凛子がいるから寝る。凛子、俺の抱き枕になって」
極上な笑みを浮かべ、蓮翔さんが私を抱きしめて繋がったまま眠りについた。
強く抱きしめられてたから抜け出せず、気がついたら私も夢の中にいた。
夜に様子を見にきた拓兄からのドアベル連打で目を覚まし、復縁した事を伝えると、「元鞘におさまったか。桐嶋、もう顔色良いし、仕事溜まるから明日出勤しろよ!!」と玄関先で少し話しただけで帰っていった。
お昼ご飯の後に7時間も眠ってしまったから、夜眠れなくて、元気になった蓮翔さんにひたすら抱き潰された。
蓮翔さんは元気になったけど私が足腰立たずで次の日会社を休むはめになった。
「……ここに赤ちゃんできたかな」
足腰立たずで会社に欠席の電話をかけてる私のお腹を、蓮翔さんは嬉しそうに撫でてた。
「……生理前だから妊娠しないよ」
「……そっかぁ、じゃあ、生理が終わったら毎日中に出して子作りに励まないとな。楽しみだ!!」
拓兄の溜め込んだ仕事を片付けないといけないのに、始業ギリギリに出勤した蓮翔さん。
残業せずに帰ってきて、地下のスーパーで海鮮サラダと焼き鳥をかってきて素麺を茹でて腰が痛い私の代わりに夕ご飯を作ってくれたけど、食事に一緒にお風呂に入ったら押し倒され、この日も深夜近くまで抱き潰された。
「……もう、無理、トイレに行くのもつらい」
「……ゴメン。凛子が愛おしくて止まらない。3ヶ月もお預け食らってたから、しばらくは自制きかない」
生理がくるまで毎日抱き潰され、立ってまともに歩けずで会社を休んだ私。
でも、蓮翔さんの仕事の能率がかなり上がって、拓兄が喜んでた……。
「あぁ、先に凛子が記入しろ!!」
福岡支店の監査から帰ってきた拓兄。
監査といいつつ1泊2日の出張だったから、宿泊するホテルの最上階にあるBARで女狩して部屋に連れ込んで一夜を楽しんでお疲れのようだった。
離婚届の入った茶封筒を私に渡すと拓兄はさっさとお風呂に入り、受け取った茶封筒から離婚届を取り出し、ダイニングテーブルで記入する。
離婚しないといけないとわかってはいても、蓮翔さんの事を愛していて、サインをするのに時間がかかってしまう。
1字書くたびに手が止まり、書き進められなかった。
拓兄がお風呂から上がって冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出してるのが目に入り、慌てて記入し印鑑を押す。
「拓兄、これ、明日蓮翔さんに渡しといて!!」
外せないでいた左手薬指の結婚指輪を外し、離婚届と一緒に茶封筒に入れて拓兄に渡した。
「わかった。あっ、離婚した事は半年ぐらいは隠すから。流石に5日で離婚は早過ぎるだろっ。職場では仲良い夫婦を演じろとは言わないが普通に接しろ。俺が受けてる物件の意匠設計を桐嶋に引き継いだから内装設計の段階に入ったら絡みが出てくるからな」
インテリアプランナーとして拓兄の片腕として大きな仕事に携わってた。
蓮翔とのプライベートの関係は破綻したとしても、このやり甲斐のある仕事は失いたくない。
『女の子だから残業時間がカオスな総合職はさせられない』と拓兄に言われ、一般職採用でインテリアプランナーをしてる私。
本当は総合職採用で意匠設計をしたかった。
そのために高校時代に死ぬ気で勉強し、国立大最難関のT大理1の建築学専攻に入って建築士として務まるよう必死に学んだ。
だけど、大学院に進む事を許して貰えず、意匠設計に携わる仕事でも内装設計に関して補佐的な業務しかさせて貰えない。
入社してしばらくはかなり不満だった。
でも、一般職は残業時間に規制があるからプライベートな時間が守られる。
だから、家事と仕事を無理なく両立させる事ができた。
朝起きて、早出する蓮翔さんにおにぎりかサンドイッチの朝ご飯用のお弁当を作り、水筒にお茶を入れる。
それを先に出勤する蓮翔さんに渡して、行ってらっしゃいのキスとハグをし、遅い時間に帰ってくる蓮翔さんに栄養満点なヘルシーな夕ご飯を作り、夜に甘い時間を過ごす事ができた。
就職して3年間は共稼ぎの理想的な幸せな生活を送ってた。
福岡支店に蓮翔さんが転勤にならなければ、今頃、結婚して子供がいたかもしれない。
蓮翔さんは拓兄に逆らえないから、渡された離婚届にサインしてすぐに役所に提出したと思う。
吉川さんのお腹の中で育ってる赤ちゃんが生まれてくるまでに、蓮翔さんへの想いを無くさないといけない。
これから、仕事のパートナーとして蓮翔さんとこれから絆を築いていかないといけない。
蓮翔さんが設計したマンションとホテルの内装デザインの仕事を受けたのはあの日から2週間後の事。
仕事の打ち合わせで蓮翔さんとミーティング室で2人きりで会わないといけないのがとても怖かった。
ミーティング室に入ると蓮翔さんはもう来ていて、ノートパソコンを開いて書類作成をしてた。
仕事に対して真面目な人だから、仕事と割り切って私とタッグを組んで仕事をしてくれるはず。
事前にメールで送られた間取りと外装の完成予定図から、予算内で収まる壁紙と床材、キッチントイレバスに洗面台などのプランを3通り用意して、このミーティングに望んだ。
仕事の話しかしない。
部屋に入り、蓮翔さんの前の席に座り、プランの資料を無言で差し出した。
ノートパソコンのキーボードを叩いてた手が私の作成したプランの資料へ行き、蓮翔さんは1枚1枚じっくり目を通してくれた。
「……プランCでいこうか。完璧だな。色違いの候補もあるし、凛子は優秀だな」
1回のミーティングで内装設計が決まるよう、住宅機器住宅素材メーカーに見積もりを出し回答を急かし資料作成をした。
勤務して5年目になると、一連の仕事の流れを把握し、動けるようになる。
「……プランCでカタログを作るよう発注出しときます。では、失礼します」
1回目のミーティングでOKが出て、胸を撫で下ろし、ミーティング室から退室した。
仕事の要件だけで数10分で解放され安堵する。
でも、私と離婚してもう割り切って仕事に打ち解けてる蓮翔さんをみて、私は愛されてなかったのかもしれないと思った。
浮気相手に子供ができたから責任をとらないといけないかもしれない。
でも、私と離婚し縁が切れる事に対して少しでも動じて欲しかった。
蓮翔さんと週に1度はミーティングで顔を合わせる。
でも、仕事の要件のみを話し、プライベートな話は一切しない。
拓兄が溜め込んだ物件の意匠図面を次々と仕上げていかないといけないから、蓮翔さんは仕事が大変そうだった。
内装設計に関して忙しい蓮翔さんに時間とらせ手を煩わせたらいけないと、依頼書が届いたら完璧な状態に仕上げ、ミーティングにのぞんだ。
「……蓮翔さん、顔色が悪いですけど大丈夫ですか?」
「……大丈夫。拓磨さんが溜め込んでた意匠図面作成もだいぶ片付いたからら忙しいのは後1、2ヶ月ぐらい」
蓮翔は仕事に没頭すると食事も睡眠もとらずひたすら働き続ける。
少し痩せてやつれて目の下に隈ができていて、心配になる。
私と離婚したのに、仕事が忙しくて吉川さんと向き合う時間がないのか彼女が東京にきて一緒に暮らしてる感じはなかった。
吉川さんも福岡支店でインテリアプランナーとして働いてる。
身重なのもあり、週末は家で疲れを癒して東京には出てきてないのかもしれない。
「ドーツーインホテルの新規ホテルの内装設備素材、発注かけときますね」
ミーティングを終わりにし、部屋から出ようと立ち上がる。
蓮翔さんに背を向けてドアノブに手をかけようとしたら、ドンッという音が聞こえ、振り向いたら蓮翔が床に倒れてた。
拓兄のプライベートのiPhoneに電話をかけた。
救急車を呼ぼうか悩むも、過労で倒れたようでしばらく休めば回復するはずだから家に連れ帰って休ませるのが最善だと思った。
社内にいた拓兄が秘書の有川さんを連れてすぐに駆けつけてくれて、蓮翔さんの手を肩に回し2人がかりで1階まで連れて降り、社用車で自宅マンションまで送っていく事になった。
「凛子、お前も一緒に帰って、こいつが無理して仕事しないよう見張れ。妻なんだから!!」
もう妻ではないけど、離婚の報告をしてないから社内ではまだ夫婦という事になってる。
一緒に車に乗り込み、懐かしい家の中に入った。
家には着替えと入浴と寝るためだけに帰ってるようで、生活感が全く感じられなかった。
「凛子、見張っとけよ。じゃ、俺らは仕事に戻るわ」
拓兄と有川さんが蓮翔さんをベッドに寝かせ、すぐに家から出ていった。
私と付き合う前はしょっちゅう過労で倒れてた蓮翔さん。
私と離婚してから昔みたいに三大欲求が欠如してしまったようだった。
洗濯機の中に入れっぱなしで溜まってるシャツとトランクスと靴下を洗い、干す。
それ以外の衣類は全て地下のクリーニングに出してるようだった。
2日間ぐらいは家に閉じ込めて休養させた方がいいから、何か胃に優しい料理を作ろうと地下の食品スーパーに買い出しに行く。
鶏肉じゃがと鰈の煮付けと豆腐とわかめの味噌汁を作る。
吉川さんはあれから1度もこの家に来てないのか、吉川さんの私物だと思われる物は一切何も出てこなかった。
「……凛子」
料理を終えてエプロンを外しキッチンスペースから出ようとしたら、蓮翔さんがいつのまにか起きてきて、私が料理をしてる後ろ姿を見てた。
「ご飯炊けてるし、お昼頃にはまだ少し早いけど、食べる?」
「食べる……」
外したエプロンをつけ、できたてほやほやの料理を皿によそってダイニングテーブルに運ぶ。
私の分もよそい、久しぶりに蓮翔さんと食卓を囲む。
私が作った料理をいつも美味しそうに食べてくれる蓮翔さん。
しばらくの間ご飯を食べてなかったのか鍋いっぱいに作った鶏肉じゃがを全て平らげた。
「凛子が作る料理が1番美味しい」
2合炊いたご飯もほぼ全て蓮翔さんの胃袋の中に入った。
青白い顔色に血色が戻った。
少し眠って栄養満点のご飯を食べたから体調が良くなったようだった。
「……片付けが終わったら私、帰るね。今日は仕事せずにゆっくり休んでね」
蓮翔さんに料理を褒められ、勘違いしそうになる。
私は元妻で今は仕事のパートナーに過ぎない。
「……凛子、帰らないで、ずっとここにいて」
食器を片付けようとダイニングチェアから立ち上がると蓮翔さんに右手を掴まれた。
「……いられないよ。蓮翔さんには吉川さんと吉川さんのお腹の中に赤ちゃんがいるでしょ」
「吉川とはそういう関係じゃない。俺は凛子と付き合い始めてからは凛子以外の女を抱いてない。吉川の腹の子は不倫相手の子で、あの2ショットも出張先のホテルで勝手に合鍵を使って入ってきて撮られただけだ。福岡と東京で遠距離になったけど、週末は東京で過ごしていて凛子を抱いてたから平日に他の女を抱く気なんて起きるわけないだろ……」
蓮翔さんが横にきて、私を力強く抱きしめた。
「……なんで、それをすぐに私に伝えてくれなかったの?」
「……事実を証明しないと凛子が信じてくれないと思ったから。拓磨さんが吉川と不倫相手の神崎工務店の田辺課長の不倫を暴いて制裁を食らわすといってた。あれから吉川は何もしてきてなくて動きがないから時間だけが過ぎてた。凛子、実は俺達、離婚してないんだ。凛子、帰ってきてくれないか!!」
結婚初夜を吉川さんに台無しにされた週明けに拓兄が監査といって突然福岡支店に行ったのは、吉川さんと蓮翔さんが本当に浮気をしていたかの事実確認と、吉川さんと協力会社の上司かわ不倫している証拠をとるため探偵に依頼するためだった。
「……蓮翔さんを信じていいの?本当に吉川さんのお腹の中の子、蓮翔さんの子じゃない?」
「絶対にない。凛子以外抱く気になれない。凛子が俺から離れて、俺の性欲が削がれ、凛子と付き合う前の欲求が欠如した不健康な体になった。凛子、俺、凛子がいないと人間らしく生きれない。凛子、お願いだ。帰ってきてくれ!!」
私の肩に手をやり、私の目を真剣にじっと見つめる。
「……蓮翔さんの側にいたい」
背伸びをして蓮翔さんの首に両手を回し、唇にキスをした。
私を抱きしめ、舌を絡め合わせ、熱くて深いキスをする。
「……凛子、抱いていい?俺、凛子を抱いてないからか食欲もなくなって不眠症になって、もう限界。凛子とミーティング室で2人きりになる時、何度か魔が差して押し倒しそうになった。仕事の話だけして、なんとか耐えた」
ミーティング室で仕事の話だけしかしなかったのは、私を押し倒さないよう理性で本能を抑えてたからだったんだ。
「……蓮翔さん、私を抱いて!!」
2ヶ月半のすれ違い生活。
実は離婚してなく、蓮翔さんは誤解を解いて私とやり直そうとしてた。
久しぶりに感じる蓮翔さんの体温と鼓動。
寝室に連れ込まれ、着ていた淡いピンク色のブラウスとタイトスカートを脱がされた。
季節はもう夏で、あの日から3ヶ月が経過してた。
「…蓮翔さん、せかさないで………」
「無理、凛子にやっと触れられるのにすぐにでもここに挿れたい」
ショーツを剥ぎ取り感じる蜜蕾を指で摘まれ親指の腹で擦られ、蜜壷に中指と人差し指を入れられる膣壁を弄られた。
「やっ…いやぁ…ダメ…」
「説得力ない。ここ、トロトロで……ビクついてる。ゴメン、挿れさせて」
イかされて身体がピクンとさせ震えてたら、衣服を全て脱ぎ捨てた蓮翔さんが私の両腿を開き、蜜壷に猛々とした屹立を埋めた。
敏感になっている膣壁に入ってきた男の昂りに激しく突かれ、内部がひくつきぎゅっとそれを締めつける。
「……凛子、俺の子を産んで」
蓮翔さんが私の唇にとろけるようなキスをしてきて、そして、私の膣奥に遺伝子のエッセンスを注いだ。
「……まだ、やりたいけど、体力的に無理だ。これから毎日凛子がいるから寝る。凛子、俺の抱き枕になって」
極上な笑みを浮かべ、蓮翔さんが私を抱きしめて繋がったまま眠りについた。
強く抱きしめられてたから抜け出せず、気がついたら私も夢の中にいた。
夜に様子を見にきた拓兄からのドアベル連打で目を覚まし、復縁した事を伝えると、「元鞘におさまったか。桐嶋、もう顔色良いし、仕事溜まるから明日出勤しろよ!!」と玄関先で少し話しただけで帰っていった。
お昼ご飯の後に7時間も眠ってしまったから、夜眠れなくて、元気になった蓮翔さんにひたすら抱き潰された。
蓮翔さんは元気になったけど私が足腰立たずで次の日会社を休むはめになった。
「……ここに赤ちゃんできたかな」
足腰立たずで会社に欠席の電話をかけてる私のお腹を、蓮翔さんは嬉しそうに撫でてた。
「……生理前だから妊娠しないよ」
「……そっかぁ、じゃあ、生理が終わったら毎日中に出して子作りに励まないとな。楽しみだ!!」
拓兄の溜め込んだ仕事を片付けないといけないのに、始業ギリギリに出勤した蓮翔さん。
残業せずに帰ってきて、地下のスーパーで海鮮サラダと焼き鳥をかってきて素麺を茹でて腰が痛い私の代わりに夕ご飯を作ってくれたけど、食事に一緒にお風呂に入ったら押し倒され、この日も深夜近くまで抱き潰された。
「……もう、無理、トイレに行くのもつらい」
「……ゴメン。凛子が愛おしくて止まらない。3ヶ月もお預け食らってたから、しばらくは自制きかない」
生理がくるまで毎日抱き潰され、立ってまともに歩けずで会社を休んだ私。
でも、蓮翔さんの仕事の能率がかなり上がって、拓兄が喜んでた……。
あなたにおすすめの小説
旦那様が素敵すぎて困ります
秋風からこ
恋愛
私には重大な秘密があります。実は…大学一のイケメンが旦那様なのです!
ドジで間抜けな奥様×クールでイケメン、だけどヤキモチ妬きな旦那様のいちゃラブストーリー。
普通のOLは猛獣使いにはなれない
ピロ子
恋愛
恋人と親友に裏切られ自棄酒中のOL有季子は、バーで偶然出会った猛獣(みたいな男)と意気投合して酔った勢いで彼と一夜を共にしてしまう。
あの日の事は“一夜の過ち”だと思えるようになった頃、自宅へ不法侵入してきた猛獣と再会し、過ちで終われない関係となっていく。
普通のOLとマフィアな男の、体から始まる関係。
一途な王子の想いが重すぎる
なかな悠桃
恋愛
高校一年の中村舞衣は、『爽やかイケメン王子』こと稚日野春と小中高と一緒の幼なじみ。今はあることがきっかけで疎遠になっている。そんなある日、偶然帰り道が一緒になり.....